熊谷悠一 Yuichi Kumagai

渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」毎週日曜17:00〜17:55で音楽の紹介をしています。…

熊谷悠一 Yuichi Kumagai

渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」毎週日曜17:00〜17:55で音楽の紹介をしています。「Peter Barakan's Live Magic!」などでDJ。 連絡先:u1bearあっとicloudどとこむ

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  • 本と漫画の記録

    読書の記録を気軽なメモ程度に残していきます。

  • 渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」プレイリストまとめ

    コミュニティFM渋谷のラジオで放送中の音楽番組「熊谷悠一アワー」でかけた曲目をまとめました。2020年10月からは日曜17:00~17:55で毎週お送りしています。渋谷のラジオは、公式サイトから、またはスマホやタブレットの無料アプリから全国で聴けます。

  • 映画感想 2024

    2024年に観た映画の感想を書きます。配信での旧作も含むので、必ずしも新作とは限りません。

  • プレイリスト遊戯

    趣味や好きで作ったプレイリストをまとめました

  • 【アーカイヴ】映画の感想 ~2022

    観た映画の感想を、鑑賞メモ程度に自由に書きます。作品の紹介部分は省くことも多いですし、内容の詳細には踏み込みすぎないようにします。評論でも批評でもなく、あくまで一般の一映画好きの意見ですので、こういう見方をする人もいるんだな、ぐらいの参考にしてもらえれば幸いです。

最近の記事

温又柔『来福の家』

温 又柔 おん ゆうじゅう/Wen Yuju 『来福の家』(2011) 作家初の単行本で2篇を収録。 それぞれ架空の人物を創造しているものの、台湾に生まれ3年後から東京に住んでいる作家自身の歩みが、大なり小なり織り込まれているのだろう。 台湾・中国・日本の複雑で微妙な関係を、3つの言語から照射するのは、この人にしか書けないことだろう。 自分も日本人として、台湾の歴史を知らなければ、知りたい、と思った。 言葉がどれだけ人格形成に深く影響を与えるか、その人の根本部分を成すかに

    • 4/7/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.313 プレイリスト

      【Tracklist】 The Kinks “Do It Again”『Word of Mouth』(1984) Jackie DeShannon “Brand New Start”『Jackie』(1972) ProleteR “April Showers”『April Showers - The Platinum EP』(2023) The Wild Magnolias "Smoke My Peace Pipe (Smoke It Right)"『The Wild

      • サド『恋の罪』

        サド『短篇集 恋の罪』 植田祐次 訳 サドを読んだのは学生時代以来。当時は若さゆえの怖いもの見たさも正直あった。確か『悪徳の栄え』だったはず。 今回手に取った短篇集は、それに比べたら「適法」だと解説にはあるが、さすがサドだと唸らされる。清々しいほどに残酷で、ここまでくると気持ちが良い。 この作家の場合、まず先入観を持ってしまうのは避けられないだろうし、かくいう自分もそうだった。ひとまずそういった偏見を置いてもらって、18世紀フランスの小説らしい饒舌な語り口、大仰な修飾の数

        • ピーター・バラカンさんの書籍

          私、熊谷悠一を形成する要素。 自己紹介の続きです。 30年近く音楽好きを続けてきたので、その間に音楽雑誌や音楽本はできるだけたくさん目を通してきたつもりです。よくあるディスク・ガイド的な本なども多く手に取りましたが、何度か引っ越しを重ねる度に人にあげたり売ったりしたので、現状として手元に残っているのはほぼピーター・バラカンさんの書籍のみ。 結局はここが私にとっての基盤だし、事あるごとに立ち返る場所でもあります。 バラカンさんが書いてきた本の中で、いま私が一番好きなのは『2

        温又柔『来福の家』

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        • DJ熊谷悠一的年間ベストアルバム 2013~2023
          11本

        記事

          映画『COUNT ME IN 魂のリズム』

          ドラマーたちに焦点を当てた音楽ドキュメンタリー。 友人にお勧めしてもらって、音響に特化した劇場”odessa”で観た。主にロック系、どちらかと言うとハードでヘヴィな人たちが中心なので、もっと爆音でもいいぐらい。 「夢は叶う」って、叶えた人は言う義務があるよね。気持ちが高揚する一本だった。 およそ太鼓を叩いて飯を食っていくような人たちは、ほんの幼い頃からリズムに取り憑かれているのだろう。ホーム・ヴィデオの記録なのか、鍋やらフライパンやらを裏返して叩き続けたりする姿も出てくる。

          映画『COUNT ME IN 魂のリズム』

          「熊谷悠一アワー」って何?〜これまでのあらまし〜

          渋谷区のコミュニティFM「渋谷のラジオ」内の音楽番組。 DJは私、熊谷悠一(くまがいゆういち)なるただの音楽好き一般人。 毎週日曜17:00~17:55放送。 「渋谷のラジオ」は、公式サイトやアプリで日本全国からも聴取できます。 ちなみに今年度つまり今日から、アプリが新しくなりました↓ 新年度ということもあり、改めてご紹介してみました。 こういう弱小番組は、事あるごとに主張していかないと忘れ去られてしまうので。自分も正直いつまで続けられるか分からないので、せっかく継続してい

          「熊谷悠一アワー」って何?〜これまでのあらまし〜

          3/31/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.312 プレイリスト

          【Tracklist】 Tribal Gold “Something in My Peace Pipe”『Tribal Gold』(2024) 細野晴臣 “終りの季節”『HOSONO HOUSE』(1973) Waxahatchee “Right Back to It”『Tigers Blood』(2024) Sierra Ferrell “Dollar Bill Bar”『Trail of Flowers』(2024) Lotta St Joan “Between

          3/31/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.312 プレイリスト

          シャーリー・ジャクスン『丘の屋敷』

          シャーリー・ジャクスン『丘の屋敷』 Shirley Jackson “The Haunting of Hill House” (1959) 渡辺庸子 訳 “幽霊屋敷もの”なんてジャンルが確立されているのか、恐怖小説の一種であることは間違いない。 怪奇現象の数々はどれも名場面と言えるほどで、頭の中に鮮やかな光景が浮かぶ。 謎は謎のまま、人智が及ばないところを残すのもまた良い。 哲学博士ジョン・モンタギューは、超常現象を分析することで学界から一目置かれたいと考えていた。幽霊屋

          シャーリー・ジャクスン『丘の屋敷』

          3/24/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ)No.311 プレイリスト

          【Tracklist】 Cocteau Twins “Lorelei”『Treasure』(1984) Monsoon “Tomorrow Never Knows”『Third Eye』(1983) Anaïs Mitchell “Your Fonder Heart”『Xoa』(2014) Zé Ibarra "Itamonte"『Marquês, 256.』(2023) Fabiano do Nascimento “Tempo”『Mundo Solo』(2023)

          3/24/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ)No.311 プレイリスト

          映画『私は今も、密かに煙草を吸っている』

          「イスラーム映画祭9」に出かけた。毎年この時期に行われている稀有な素晴らしい企画。 一昨年、昨年と3本ずつ鑑賞。今年は円安の影響もあって縮小開催と聞く。 『ファルハ』を特に観たかったが即完売していた。ひとまず初日に『私は今も、密かに煙草を吸っている』を観る。 自分は何の予備知識もないため、上映前の解説がありがたかった。主催者によるこの短いながらも充実した前説が名物とも言える。 ライハーナ『私は今も、密かに煙草を吸っている』(2016、フランス・ギリシャ・アルジェリア、90

          映画『私は今も、密かに煙草を吸っている』

          3/17/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.310 プレイリスト

          【Tracklist】 Les Amazones de Guinée “Samba”『Mr Bongo Record Club Volume One』(2016) James Taylor “Carolina In My Mind”『(Live)』(1993) Damien Rice “I Don't Want To Change You”『My Favourite Faded Fantasy』(2024) 王靖雯 / フェイ・ウォン “我願意(管絃樂版) / 私の願

          3/17/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.310 プレイリスト

          映画『アダプション/ある母と娘の記録』

          メーサーロシュ・マールタ『アダプション/ある母と娘の記録』(1975、ハンガリー、88分) 英題:Adoption/原題:Örökbefogadás 家族の在り方は多種多様であっていい。 社会の中で選択肢が狭められているのは、いつだって女性の側だ。 顔のクロースアップを中心にした演出で、人物たちのわずかな機微をも映し取っていく。 主人公カタは工場に勤めている。 家具か何かだろうか、木製の部品を紙やすりにかけ、木屑まみれになっている。 まだ43歳だが、夫とは早くに死に別れ

          映画『アダプション/ある母と娘の記録』

          映画『ルージュ』

          スタンリー・クワン『ルージュ』(1987、香港、96分) 原題:脂扣/ROUGE これも良い映画だと思った。 幽霊譚の形を借りた、恋愛もの。 その意味で半分は幻想的ながら、軸足を現実世界に置くことで、巧い対比になっている。 本当の愛とは何か、残酷なまでに問うてくる。 1934年の香港、四大遊郭の一つ。 主人公ユーファは、そこで最も花形の遊女だった。 問屋の跡取り息子チャンは彼女に一目惚れし、あの手この手で特別な仲になろうとする。程なくして熱烈な間柄になった二人だったが、身

          映画『ルージュ』

          映画『凱里ブルース』

          ビー・ガン『凱里ブルース』(2015、中国、110分) 原題:路辺野餐/KAILI BLUES 少し捉えづらい作品かな? とにかく時間の流れ方が独特。 ややこしい筋書きではないので、主人公に付き添うつもりで共に彷徨すればよいのだろう。 親分に代わって復讐した罪で9年務め出所した主人公チェンは、町の小さな診療所で手伝いをしていた。 異父兄弟とはそりが合わないものの、甥っ子のウェイウェイに対してはよく面倒を見ていた。 服役中に手紙を送り続けてくれた妻は、昨年病死していたことを

          映画『凱里ブルース』

          映画『深夜カフェのピエール』

          アンドレ・テシネ『深夜カフェのピエール』(1991、フランス・イタリア、115分) 原題:J'embrasse pas (※この作品には性暴力を描いた場面があります。) 鑑賞直後の素朴な感想としては、まあまあ、かな? 雪深い山中から出て、憧れの都会に飛び込む若者、という設定がやや類型的ではある。 撮影は美しく、ほぼ完璧。特に夜景を映し取るところは秀でている。 半分も出てこないが、真っ赤なロングコートに身を包み煙草を吹かすエマニュエル・ベアールの絵になること。 主人公ピエ

          映画『深夜カフェのピエール』

          映画『ピストルと少年』

          ジャック・ドワイヨン『ピストルと少年』(1990、フランス、100分) 原題:Le Petit Criminel この映画も本当に好きだなぁ。 こういう作品を映画には求めているのだよね、私は。 主人公マルクはまだ年の頃14~15ぐらいだろうか、アルコール依存症の母と暮らしている。 評価もせず認めてもくれない先生たちと折り合いが悪く、もう2週間も学校に通っていない。 そんなとき、母からは死んだと聞かされていた姉から電話がかかってくる。 蒸発した義父から勝手に拝借した拳銃を片

          映画『ピストルと少年』