熊谷悠一 Yuichi Kumagai

渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」毎週日曜17:00〜17:55で音楽の紹介をしています。…

熊谷悠一 Yuichi Kumagai

渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」毎週日曜17:00〜17:55で音楽の紹介をしています。「Peter Barakan's Live Magic!」などでDJ。 連絡先:u1bearあっとicloudどとこむ

マガジン

  • 渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」プレイリストまとめ

    コミュニティFM渋谷のラジオで放送中の音楽番組「熊谷悠一アワー」でかけた曲目をまとめました。2020年10月からは日曜17:00~17:55で毎週お送りしています。渋谷のラジオは、公式サイトから、またはスマホやタブレットの無料アプリから全国で聴けます。

  • 映画感想 2024

    2024年に観た映画の感想を書きます。配信での旧作も含むので、必ずしも新作とは限りません。

  • 本と漫画の記録

    読書の記録を気軽なメモ程度に残していきます。

  • プレイリスト遊戯

    趣味や好きで作ったプレイリストをまとめました

  • 【アーカイヴ】映画の感想 ~2022

    観た映画の感想を、鑑賞メモ程度に自由に書きます。作品の紹介部分は省くことも多いですし、内容の詳細には踏み込みすぎないようにします。評論でも批評でもなく、あくまで一般の一映画好きの意見ですので、こういう見方をする人もいるんだな、ぐらいの参考にしてもらえれば幸いです。

最近の記事

フジロックの思い出③〜フー・ファイ、レイジ編〜 そのとき、私は神を見た

(↑前回までのあらすじ) 日本初の大型野外フェス「フジロック」に向かう洋楽好きの高校生3人組、G君とI君そして僕。初開催ゆえ誰1人として慣れていない中、会場までの移動ですでに混乱に巻き込まれる。やっとの思いで辿り着き、全力で楽しもうと参加し始めた矢先、雨は激しさを増していくのだった… (続き) ザ・ハイロウズの演奏はもう始まっていた。当時も日本のロックはそこまで聴き込めていなかったものの、元ザ・ブルーハーツのヒロトとマーシーがいるという認識はあったし"ロッキンチェアー"は好

    • フジロックの思い出②〜会場までの道のり編〜

      (↑前回までのあらすじ) 日本初の大型野外ロック・フェスティヴァルに参加すべく、洋楽を聴き始めて数年の高校生3人組は意気揚々と富士天神山に向かうのだったが… 実在の人物たちなので、一応「G君」「I君」そして「私」としておこう。 (続き) 27年前のことなので、さすがに詳細までは覚えていないが交通手段としては最寄りの駅から送迎バスに乗れる案内になっていた。なので、その駅を目指して辿り着ければ道程としてはほぼ完了なはず。 しかしながら、乗り継いで行った最後の電車は、山間を走る

      • フジロックの思い出①〜導入編〜

        一度ちゃんとまとめておこうと思っていたフジロックの記憶。 命からがら生還し、もう野外フェスはこりごりという思いにさせられた経験も、今となってはとっくに笑い話である。すでに100回ぐらい話してきているけど、確実に100回笑いが取れるおいしい案件でもある。 自分が行ったのは第1回目の初日(2日目は台風直撃で中止)と、一時的に豊洲で開催した翌年の第2回2日目のみ。 現在に至るまで会場となっている苗場には、実は一度も足を運んだことがない。 1997年7月。 当時の音楽好きにとって、

        • 毎週毎週ちょうどギリギリ終わる分量にしているので、制作途中の日々は常にヒリヒリした感触とともにある。もうすぐ、遅くとも10月には一旦一区切りだなぁ。人生における一つの時期がまた終わる。いや、もうすでにそうなっていたのに、それが最近になってようやく顕在化してきただけとも言えるのか。

        フジロックの思い出③〜フー・ファイ、レイジ編〜 そのとき、私は神を見た

        • フジロックの思い出②〜会場までの道のり編〜

        • フジロックの思い出①〜導入編〜

        • 毎週毎週ちょうどギリギリ終わる分量にしているので、制作途中の日々は常にヒリヒリした感触とともにある。もうすぐ、遅くとも10月には一旦一区切りだなぁ。人生における一つの時期がまた終わる。いや、もうすでにそうなっていたのに、それが最近になってようやく顕在化してきただけとも言えるのか。

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        • 渋谷のラジオ「熊谷悠一アワー」プレイリストまとめ
          184本
        • 映画感想 2024
          14本
        • 本と漫画の記録
          34本
        • プレイリスト遊戯
          4本
        • 【アーカイヴ】映画の感想 ~2022
          52本
        • DJ熊谷悠一的年間ベストアルバム 2013~2023
          11本

        記事

          誰も時代からは逃れられない

          誰も時代からは逃れられない、そんな当たり前すぎることが念頭に浮かばざるを得ない日々なのであった。 ある先輩は「政治は結局のところ人事だから」と言った。確かにその通りだし、まさにそんな事態が進行中でもある。人々が平和に暮らせるように制度なり仕組みを作り運営し、共に発展していこうとする営みが政治なのだと思っていたが、実際はそんな崇高な理想のはるか手前で身勝手な権力争いに終始するのが人間の業なのであろう。 だから最近は、国という単位そのものがいつどのような発想で成立していったのかと

          誰も時代からは逃れられない

          7/21/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.328 プレイリスト

          【Tracklist】 高中正義 “ようこそ、夏の王国へ”『夏・全・開』(1984) Grupo Sierra Maestra “Desde Aqui”『Desde Aqui』(1988) Joy Kills Sorrow “Reservations”『This Unknown Science』(2011) Rainy Eyes “Idaho”『Lonesome Highway』(2024) Jake Xerxes Fussell “Gone To Hilo”『Wh

          7/21/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.328 プレイリスト

          2024 best albums 〜上半期、ノミネート編〜

          日々チビチビと新譜を聴きながら、特に「これは」と感じたアルバムは別途リストに加えていく。そこから年末に絞り込み、年間ベスト10枚として記録しておく。 その途中経過。平均すると毎月1~2枚はそうした自分好みの作品と出会えていて、今回はここまでの2024年上半期から計10枚。多分、もっと丁寧に幅広く聴けていればさらに増えるだろうし、必ずしも新録音にこだわらなくてもいいのだろう。発掘音源だって構わないと思うし、そうでなくても自分が初めて聴いたものなら実質的には新譜みたいなものだ。と

          2024 best albums 〜上半期、ノミネート編〜

          軽い気持ちで日報

          軽い気持ちで日報でも書きましょうかね。こんなところまで目を通してくれている人たちは本当にありがたいし、好き放題に書き散らした文章を読んでくれる人がいるのは驚きでもある。 日曜はほぼ丸一日動けないので、今のうちに放送用のプレイリストなりを作成しておく。毎週、簡潔にまとめているつもりで合計すると結構な時間がかかっている。けど、おまけのつもりで付けていた映像のリンクも探すのは楽しかったりする。やはり絵もあるとグッと身近に感じられるもの。こんな雰囲気の人なのね、と再発見もある。それで

          軽い気持ちで日報

          価値判断の逆転、ないしは混乱

          先に謝っておこう。ひねくれててごめんなさい。 〇〇賞も他人の意見も、答えではなく参考にしかならない。最後は自分の感覚を信じろ。といういつもの結論なのだが、音楽界だとグラミー賞というのがあって、いわゆる主要部門と呼ばれているものは話題優先でお祭りの主役が据えられるものなのだろう。けどアメリカは祝福するのも上手いというか、同時にちゃんと評価する文化もあって、細かくしすぎなぐらい部門を作っては普段それほど光が当たらない人たちも表彰している。ボックスセットのデザイン賞だったり、ライナ

          価値判断の逆転、ないしは混乱

          魂の代弁者

          隙間を縫って収録してきた。21日放送分。 何で歌手って存在しているのかな、と根源的な質問を自らに投げかけたところ、やっぱり感情を代弁してくれているからなのではないかと思い当たる。 自分でやってみたかったとしてもできないこと、それを代わりに実現してくれている人に憧れもするし親近感を覚えることもあるかもしれない。普通に生活しているだけでも溜まっていく蟠りだったり不条理な経験を、むしろエネルギー源として逆に活用し昇華してくれる。そんな体験に心惹かれるからなのだろうと思う。スポーツ

          書き始めたはみたものの膨らませるまでの時間が取れず断念。涼しいぐらいの気候で、行き帰りの時間に本を斜め読みしたりラジオやポッドキャストを聞いたりしたぐらい。番組の選曲は少し予定時間を越えているが、組み直すよりこのままの方がいいかもしれない。まだ続ける気力はあるか?と自問し続ける。

          書き始めたはみたものの膨らませるまでの時間が取れず断念。涼しいぐらいの気候で、行き帰りの時間に本を斜め読みしたりラジオやポッドキャストを聞いたりしたぐらい。番組の選曲は少し予定時間を越えているが、組み直すよりこのままの方がいいかもしれない。まだ続ける気力はあるか?と自問し続ける。

          映画『シークレット・ディフェンス』

          ジャック・リヴェット『シークレット・ディフェンス』(1998、フランス、173分) 原題:Secret défense 見応えのある作品だった。 頭の中に「?」が浮かぶ『北の橋』や、くっきりと展開するわけではない『彼女たちの舞台』などと比較すれば、リヴェットにしては珍しく物語の骨格がはっきりしている。いわゆるサスペンスものに分類もできるだろう。 ウィリアム・ルブシャンスキーによる安定した撮影と、主演サンドリーヌ・ボネールの常に不安に苛まれ苦痛を隠し耐えているような佇まいが、

          映画『シークレット・ディフェンス』

          7/14/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.327 プレイリスト

          【Tracklist】 Walter Wanderley "Summer Samba”『Rain Forest』(1966) Jan Lundgren Trio “Sommar, Sommar, Sommar”『Swedish Standards』(1997) Billie Holiday “Summertime” (1936)『Lady Day: The Complete Billie Holiday on Columbia 1933-1944, Vol. 1』(20

          7/14/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.327 プレイリスト

          敢えて一通り味見してみる

          昨日の続きで新譜一覧の試聴。アメリカ公共放送NPRの「New Music Friday」と、 https://www.npr.org/2024/07/12/1197962954/new-music-friday-july-12-2024 おおよそ網羅している音楽情報サイトAllMusicの「New Releases」7/12解禁分。 英語圏のものであれば、だいたいこの二つを眺めることで大まかな潮流は何となく見て取れる。さすがにクラシックまでは追えていないが、それなりに概

          敢えて一通り味見してみる

          音楽と言語圏

          金曜日なので解禁された新譜を調べてみる。今週はかなり作品数多め。予め先行曲などで知っていたものはすぐ試聴に取りかかれる。時差の関係で情報が出揃うのは夜遅くなってからなので、土曜日に改めてリストから探してみるつもり。 我ながら、どうしていつも英語圏なのかなと思う。乱雑すぎる見方だが、ポピュラー音楽を言語から俯瞰してみると、大まかに英語圏とフランス語圏、そしてスペイン語圏があるように思う。それにポルトガル語圏を加えてもいいかもしれない。それぞれが自国以外に領土を拡大し植民地を抱え

          自分の感覚を信じる

          収録に行く。スタジオにいる間だけ雨が降っていたらしい。おかげで自転車での行き帰りは濡れずに済んだ。ほぼ毎回、雨雲を引き連れて走っていたような時期に比べれば、運が良くなったのか。 手元に抱えていた案件について担当者と再度相談させてもらう。何だか真剣だったように思う。やり取りの中で、「結局あなたはどうしたいのよ?」を突きつけられた気がした。最後はそこに尽きる。というか、最初からそこなのであった。 なぜ自分はこういう趣味趣向なのだろうか。それは一朝一夕に仕上がったものではないだろう

          自分の感覚を信じる