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本と漫画の記録

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読書の記録を気軽なメモ程度に残していきます。
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記事一覧

宮崎智之『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』

宮崎智之 『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』(2024) 著者の宮崎智之さんは文芸評…

モーリス・ルヴェル『夜鳥』

モーリス・ルヴェル『夜鳥 (よどり)』 Maurice Level “Les Oiseaux de Nuit” 田中早苗 訳 …

温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』

温 又柔 おん ゆうじゅう/Wen Yuju 『台湾生まれ 日本語育ち』(2015) 台湾に出自を持ちな…

温又柔『来福の家』

温 又柔 おん ゆうじゅう/Wen Yuju 『来福の家』(2011) 作家初の単行本で2篇を収録。 それ…

サド『恋の罪』

サド『短篇集 恋の罪』 植田祐次 訳 サドを読んだのは学生時代以来。当時は若さゆえの怖いも…

ピーター・バラカンさんの書籍

私、熊谷悠一を形成する要素。 自己紹介の続きです。 30年近く音楽好きを続けてきたので、そ…

シャーリー・ジャクスン『丘の屋敷』

シャーリー・ジャクスン『丘の屋敷』 Shirley Jackson “The Haunting of Hill House” (1959) 渡辺庸子 訳 “幽霊屋敷もの”なんてジャンルが確立されているのか、恐怖小説の一種であることは間違いない。 怪奇現象の数々はどれも名場面と言えるほどで、頭の中に鮮やかな光景が浮かぶ。 謎は謎のまま、人智が及ばないところを残すのもまた良い。 哲学博士ジョン・モンタギューは、超常現象を分析することで学界から一目置かれたいと考えていた。幽霊屋

清水潔『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』

清水潔『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(2013) 力強いノンフィ…

絵本『うるさく、しずかに、ひそひそと』

ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ『うるさく、しずかに、ひそひそと 音がきこえてく…

ジャネット・フレイム『潟湖(ラグーン)』

ジャネット・フレイム『潟湖(ラグーン)』 山崎暁子 訳 Janet Frame “The Lagoon and Other St…

三木三奈「アイスネルワイゼン」

単行本化されているが、『文學界』2023年10月号掲載分で読んだ。 できるだけ内容には触れない…

ヴァージニア・ウルフ『ある協会』

エトセトラブックスから刊行されている短編。 男性の方が女性より優れている。 そんなこれま…

レベッカ・ソルニット『オーウェルの薔薇』

レベッカ・ソルニット『オーウェルの薔薇』 Rebecca Solnit “Orwell’s Roses” (2021) 川端…

junaida『の』

渋谷のラジオ「BOOK READING CLUB」で紹介されていたのをきっかけに手に取った。 細やかな描き込みと、繊細でありながらときに大胆な色遣いの絵本。 絵柄の印象もお話の背景も、どことなく外国風である。 「の」という助詞を使って、どこまでも空想をつなげていく。 どんどん小さい世界へ潜り込んでいく様は、これとは正反対だけどカメラをどこまでも引いていくようなイシュトバン・バンニャイ『ZOOM』を思い出したり。 御伽話のような、幻想的な着想も楽しい。 かと思えば、途中で