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ハッキリしたくないけどゴチャゴチャ言いたい

先日、東京・学芸大学駅にあるSUNNY BOY BOOKSという本屋さんで、グループ展に参加せていただいた。

『ゾワゾワ、ゆうれい展』といって幽霊や妖怪など、暑い夏のムードを肝からヒヤリとする絵を展示しようという企画だった。

「たぶんあのヒト」という絵を描いてきた。
以下、キャプション。

"もう別れてずいぶん経つが、仕事の帰りが遅い私を心配してきてくれているんだろうか。ゴメンだけど顔も背格好も最早おぼろげで、向こうの彼もぐにゃぐにゃに見えるけれど、たぶんあのヒト。"

文章を作るのは別に上手くはないんだけど、外に出すことにあまり躊躇しない。特に自分のことじゃない話を作る時は。

最初に見た目こんな絵が描きたいなぁと浮かんでは物語もなんとなくこんなかなぁとか考えてみる。
出来あがった時に絵を眺めながら後付けで詳細を詰めていくという流れ。

展示のお誘いを受けてから、歩いててこの景色がいいなぁと思って写真を撮ってきた。
悩んだのは明度。つーか明度決まんなかったら始めらんないじゃん、と自分の優柔不断にイラつく。
せっかく久しぶりに誘っていただいたんだし、気合い入れて描きこみたいなぁと左の明るいラフが囁く…だがもう時間もないし、幽霊を語るに1番効果があるのはコッチじゃん!と右の真っ暗なラフが揺さぶる。


まぁ元々パートナーだったんだなぁとは読ませておいて、あとはお別れしてどのくらい時間が経ったのかとか、理由はなんだったのかとか、彼女/彼(奥のエントランスの方)は今現在どうしてるのかとか、彼/彼女(手前のシルエット)はもしかしたら未練がましい生霊かもしれないし、とかそういう想像をしていただく余白を残したつもり。

こういうのホントはあんまりベラベラ喋んないほうが良いんだろうけど。

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