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映画「THE LOST WEEKEND」から垣間見る1人の女性の逞しい生き様

とっても時間が空いてしまったのですが、
何食わぬ顔でサラッと再開する私です。

と言うのもずっと、"ある本"について書きたいな。と思っているのですが、まあ分厚く内容は濃く、サラッと読むだけじゃ理解が追いつかなくて奮闘しながら読んでるので、そちらはまたいつかご紹介したいと思っております。


そんな今回は5/10に公開された映画「THE LOST WEEKEND」について知らない人には紹介したいし、私自身も改めていいインプットができたな。と感じたので満を持して紹介したいと思います!


「THE LOST WEEKEND」

日本語で「失われた週末」と言われているこの言葉は、世界的有名なロックバンド「The Beatles」の「ジョン・レノン」と、その妻である「オノ・ヨーコ」の別居期間を指す言葉。2人は結婚後も一緒に音楽活動や平和運動を行い、まさに2人で1つのような関係に見られているが、1973年9月からの18ヶ月間、ヨーコの希望によりお互い全く別の場所で過ごしていた時期が存在する。

当時2人に個人秘書としてついていた、中国系アメリカ人の「メイ・パン」。彼女は、この"失われた週末"の間ヨーコ希望の元ずっとジョンと過ごし、この期間の彼を1番よく知る人物でありながらこの期間だけの、正式な恋人であった。


彼女がきっかけで形になった今回の「THE LOST WEEKEND」は、当時の映像や関わってきた人達の取材、メイのインタビュー動画やナレーションと共に語られており、嘘偽りのないジョンの事実を1番近くにいたメイから伺えるビートルズマニアにはたまらない作品となっている。


今作のタイトルは、ジョン自らが過去に発している言葉で"失われた"という負のワードから、当時の世の中でも"LAで酒浸りした18ヶ月間"という逸話として語られていた。だがこの頃のジョンが作り出す音楽は表面上のビートルズ解散後、より個人を強く感じる作品が多い印象で、共作などを含め世に出された作品数も多く、商業的にも成功している時期であった。


負のイメージが強いこの期間は、果たして本当に堕落的だったのか。「失われた週末」は本当に「失われた週末」だったのか。の真相を知ることができる内容となっている。


また個人的に印象に残っているのは親子の再会。
メイは、ジョンの父としてのサポートと久々の再会を不安に思うまだ幼い「ジュリアン」への気遣い、またジョンの1人目の妻である「シンシア」とはこの頃を機にかなり深い関係になる程仲良くなり大きな一役を担っていたのだと言う。


世の中の持つジョン・レノンの印象とは裏腹に、かなり繊細だと言われていた彼をアシストしながら交流が途絶えていた親子の関係を良好に立て直すことは、かなりのパワーを使うと思われるが、劇中に出てくる写真からメイの飾らない人柄の良さを感じ、誰からも愛される彼女だからこそ成し遂げたのだと思う。他にも、彼女とだから成し遂げられたことや、旧友との再会、交流が多く見られた。


普通では到底体験できない数々の瞬間をジョンと過ごしてきたメイから得られるものは、「失われた週末」の事実だけではなく、見た人全てが彼女の存在に心を奪われ、感心し、尊敬してしまうほどの女性としての強さを、彼女の映し出すレンズから感じることだろう。



この別居期間ですが、簡単に言うと色々あって倦怠期になりヨーコがジョンの浮気に悩まされていた為、現代風で言う「ちょっと距離置こう。」みたいな感じで行われた別居にメイが利用された。て話です笑
さらに、自らメイにジョンと付き合うことをお願いしておきながら、ここまで本格的に恋愛関係が発達すると思ってなかったヨーコが汗汗する、といった感じですかね。
当たり前だけど、どんな偉人でもみんな1人の人間なんだな、て思います笑


気を取り直して真面目な感想を言うと、私がこの作品を通して感じたのは紛れもなくメイ・パンの強さです。


今作品を見るまでずっとメイ・パンとは何者なのか不明確だったけど、ジョンはたくさんの人に影響を与えながらもこういった人たちに支えられてきたんだな、と思ったしこの頃ジョンの周りにいたアーティスト達も少なからずメイの影響を受けていて、ジョンのそばにいたのが彼女だったからこそ行えた共作や過ごせた時間があったに違いないと思います。


なにより今回を機に「失われた週末」の存在を知った方にも、音楽に興味がない方にも"メイ・パン"という1人の女性が環境や生い立ちに関わらず、若くして自立心を持って当時の音楽業界に、しかもあの世界的に有名なロックスターと関わってきた勇気と行動力、心臓の強さは"いつの時代でも女性は強くあれる"ことを感じられる作品だと思うし、私自身もまた彼女の物語る全てに後押しされるような、そんな感覚を持ちました。


ミニシアターならではの体験で言うと、シアター内は年齢が上の方や、ほぼジョン・レノンみたいな格好の方など、メジャーな作品に比べて客層がぐっと絞られる小さな異空間で作品の世界観に没入する新しさも感じられるので、行ったことがない方にはぜひおすすめしたいです笑


5月病で、なかなかやること全てに気が入らない時期ですがそんな気持ちに程よく喝を入れてくれる作品でした!天気が不安定な日が続きますが、地球の情緒に負けずに、強く生きたい。


end

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