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日本国憲法と2022年入試を考える


 今日は憲法記念日です。メディアや政党では憲法改正について意見を出しています。
 日本国憲法は日本の最高法規です。そのため毎年日本国憲法を振りにした問題がでます。
 今回は、時事問題と関連づけて日本国憲法について考えてみたいと思います。

追伸:2022年で狙われる時事問題も近日中にまとめたいと思います。

1,2022年入試で注目したい日本国憲法


 日本国憲法は11の章からなります。そこで、各章の重要度を表にまとめました。

日本国憲法と時事問題

 誤解して欲しくないことは「無印=出ない」ではありません。あくまで、昨今の時事問題と関連づけやすい章というだけのことです。くれぐれも公民分野の学習を通して日本国憲法そして条文を理解して欲しいと思います。では、関連度に合わせて紹介していきたいと思います。

(1)戦争の放棄と地方自治


 まず「△」とした平和主義と地方自治です。

 戦争の放棄について著した第9条は憲法改正論議で話題になるテーマです。特に自衛隊を条項に書き加えるかが焦点になります。加えて、近年中国の海洋進出や尖閣諸島周辺での活動も話題になっています。その点から出題される可能性はあります。ただ、時事問題とは関係なく第9条の条文は覚えておきましょう。
 地方自治は新型コロナウイルスの対応で地方自治体の権限が話題になります。しかし、こちらも時事問題では新型コロナウイルスの中で扱われるテーマですので日本国憲法を前面に出した出題にはなりにくいでしょう。
 以上のように、時事問題との関わりはあるものの、出題される際は時事問題と絡めての出題の可能性が低いため「△」としました。

(2)国会と内閣


 2021年は衆議院議員総選挙が行われます。そのため例年以上に国会の仕組みや、総選挙後に行われる内閣総理大臣の指名に関連した内閣についての出題が多くなります。ですのでこれも(1)同様、日本国憲法と関係なく時事問題の流れで出題されることが多いです。
 しかし、日本国憲法の条文は国会や内閣の仕組みが記されています。時事問題で例年以上に国会と内閣が出題されやすいからこそ、日本国憲法を通して対策して欲しいという点から「○」にしました。

(3)今年の入試で注目するべきは「国民の権利と義務」


 そして本命の「◎」です。これは去年同様、基本的人権に関する条項が狙われやすいと考えています。そこで、各権利を通して見ていきたいと思います。

①自由権


 自由権は大きく、「身体の自由」「精神の自由」「経済活動の自由」がありますが、いずれも狙われやすいと思います。
 まず、「身体の自由」ですが、これは新型コロナウイルスと関係します。現在東京都・京都府・大阪府・兵庫県に緊急事態宣言を出しています(2021年5月3日現在)。今回の宣言では東京都への行き来の自粛、不要不急の外出を要請しています。つまり、国民の行動範囲を制限するものであり、間接的な身体の拘束ともいえます。また、営業時間の制限をかけることも「経済活動の自由」に関連します。新型コロナウイルスを通して「身体の自由」と「経済活動の自由」の出題が考えられます。
 精神の自由の出題も考えられます。ただしそれは新型コロナウイルスというよりもSNSの利用に関するものです。SNSの普及に様々なことを発信・受信するようになりました。しかし、中には公共の福祉に反するものもあります。SNSの扱い方については毎年出題されます。日本国憲法の学習を通して一度考えてみて欲しいと思います。

②平等権


 2022年入試では様々な格差についての出題が考えられます。つまり、2021年はそうした格差や差別が話題になっているとも言えます。例えば男女差別、人種(地域)差別、ジェンダー問題、そして最近取り上げられている「ヤングケアラー」などが関係してきます。
 日本国憲法では平等権は第14条がメインに扱われますが、第14条だけでも覚えておいて欲しいと思います。

③社会権


 社会権については、第25条の生存権が扱われやすいと思います。もちろん、第25条は通常の授業でも条文を覚えるよう指導するほどの重要な条文です。しかし、新型コロナウイルスの影響で苦しい生活を送っている人がいます。そのため生存権の出題が十分に考えられます。

3,まとめにかえて


以上、日本国憲法と2022年入試のポイントは以下の通りです。
①時事問題に関わらず日本国憲法は押さえるべき
②今年は基本的人権に関わる条項が狙われやすい。特にどこまで権利を認められるかがポイント。

 今は授業を通して日本国憲法について理解して下さい。その上で、現代社会の抱える問題と日本国憲法と関連づけるといいでしょう。
 では現代社会の抱える問題、時事問題は何かは近いうちにまとめたいと思います。


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