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2022年10月26-27日 長野・戸隠


長野県長野市。

東京から長野へ向かったのは、2022年の10月のこと。今回の取材は戸隠(とがくし)という地域が舞台で、長野市中心部から車で約30分、茅葺き屋根と戸隠神社の存在でその名前を知っている人も多いかもしれない。

実はちゃんと長野市を訪れたのは初めて。せっかくなのでと、戸隠に向かう前に善光寺に立ち寄った。今年は7年に一度のご開帳の年だったそうで、この日も平日にもかかわらず多くの人が参拝に訪れていた。

この善光寺の参道にあるのが、宿坊と呼ばれる場所。いわゆる参拝者用の宿で、このあたりの地域は神仏習合の影響もあり、お寺っぽいけれど、いるのは神主さん。毎朝宿泊者にご祈祷をして送り出している。


善光寺から30分ほどかけて、戸隠へ。

この戸隠にも宿坊がたくさんあって、ざっくりいうと宿坊と蕎麦屋しかない、みたいなまちになっている。

今回の取材は、この地域の古民家を使ってつくる2つの宿を管理する人の募集。茅葺き屋根の古民家宿と、レトロな建物を改修したレストラン兼宿がオープンする予定だ。

とくに茅葺き屋根のほうは、ワークショップ形式で地元の茅葺き職人さんと一緒に茅葺き体験をして完成へ歩を進める、というもの。

募集は終わってしまったけれど、詳しい内容は以下の記事を読んでみてほしい。応募に限らず、戸隠のことを知ってほしいという思いで書かせてもらった。

https://shigoto100.com/2022/11/awai.html


この戸隠で、茅葺き屋根の会社、株式会社縄文屋根を立ち上げたのが、渡辺さん。2009年から茅葺き建築に従事していて、トタンに葺き替えられた屋根を茅葺に戻す、といった事業をしている。

とても物腰柔らかな方で、奥さんと子ども、そしてヤギ二匹と茅葺の家で暮らしている。戸隠にそんなことをしている人がいるとはまったく知らなかったので、お話を聞いてとても新鮮で面白かった。


朝には、有名な戸隠神社の奥社へ続く道にある杉並木へ。

ここは本当に圧巻で、細い道に沿うように巨大な杉が立ち並んでいる。聞くと、徳川家康の時代から伐採が禁じられていたそうで、巨大な杉も生命力が強いDNAを持ったものを特別に選んで植えられているらしい。真偽はわからないけれど、それを信じさせるほどの迫力は十二分にある。

戸隠を訪れる人はぜひ行ってもらいたい。奥社まで行くのは少し骨が折れるけれど、そこから見える朝日は格別だった(あえてここには奥社の写真はのせないでおきます)。


そのあとは、縄文屋根が主催する茅葺のワークショップがちょうど開かれていたので、見学させてもらった。いろんな地域から10人ほどの人が集まってきていて、まずはヤギ小屋の茅葺きに勤しんでいた。

茅葺き屋根で暮らせるとは、なんとも贅沢なヤギたちだなと思った。

見ていて感じたのは、茅葺きは職人さんがいて成り立つものでありつつ、何も知らない人がいても手があればあるだけ助かるものでもある、ということ。

今度新しくできる宿も、多くの人が関わることで、ただの古民家宿ではなく自分が手を動かしてつくったものだ、という手触り感が生まれるものになると思う。ぜひ多くの人が集い、出来上がっていく場所になってほしい。

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