世の中はいいもの。捨てたもんじゃない。

ほんの数年前、弟に言われたこの言葉。
「ねえちゃん。『世の中捨てたもん』と思ってるやろ。そうでもないで。けっこうええもんやで」
言われたときからずっと、頭の中に響いてます。

聞いた当時、わたしは心底「捨てたもん」と思ってたから。しらーっとした気持ちで、弟の話を聞き流しました。それこそ、「へぇー」と気のない返事したなあ。

でもね、このセリフ。事あるごとに、ちょいちょい思い出します。まるで「どや？分かった？」と、わたしへ尋ねるように現れる。

そう易々と分かんない。世の中は世知辛い。いまも思ってます。

でもちょっとずつだけど。弟が言ってた感覚が、わたしにも分かればええな。願うように思い始めてます。

凹みまくってたねえちゃんを励まそうと、弟なりに言うたんやろな。弟の気持ちが分かるというか。弟の優しさを、数年越しで、受け取ろうとしてます。

自分の頭で考えずとも、いつかたどり着くかな。願わくば「世の中は温かい」がいいな。ねえちゃんの願いです。