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今、守りたい人がいる人、助けたい人がいる人に知っていて欲しいこと

1.「ものごとは努力によって解決しない」

 例えば自分の大切な人が悩み事を相談してきた場合や、すでに困っている人が身近にいる人の場合です。
私たちはついついアドバイスであったり、その人を助けたいと思って何かしらの行動をとってしまうかもしれませんが、そういう事はあまり効果がないというか、以下の言葉を頭に留めていて欲しいです。

「ものごとは努力によって解決しない」というのは、私の好きな言葉である。
 子どものためにできる限りの努力をした、などという人に会うと、この人は、解決するはずのない努力をし続けることによって、何らかの免罪符にしているのではないか、と思わされることがある。
それは、何の努力もしないで、ただそこにいる、ということが恐ろしいばかりに、努力のなかに逃げこんでいるのではないか、と感じられるのである。
努力などせずに、子どものために父として母として、そこにいること、これは凄く難しいことだ。
それよりは、飛行機に乗って偉い先生を訪ねて行く方がよほど楽である。
『こころの処方箋』(河合隼雄・著)

これは本当にそうだなと私は思いましたし、こういう事こそが一番の助けだと私も感じているので、今回この言葉を紹介しました。

2.何もしない事はとても大変であると思う

 実際、私もカウンセリングを受けましたが、臨床心理士の先生は基本的に何も言いません。
ちょっとしたうなずきであったり、その程度でした。
自分が喋りたいことをただ喋る、本当にそれだけでした。
だから私も自分で、それこそ無意識の領域で勝手にある程度解決した経験がありますし、しかしそこに至るまで長い時間がかかりましたので、そこまでただ待つといつのは本当に大変だと思います。

もちろん臨床心理士さんは専門家なので何かしらの基本を守っているのだと思いますが、本当に困っている人にはそういうか対応が一番良いのではないかと私も感じたので、この言葉を紹介しました。

いや自分は専門家じゃないから分からないという人には、本を読んだだけの知識でしかないんですが、「それは辛かったね」であったり、「そんな過酷な環境でよく耐えたね、よく頑張ったね」ぐらいの言葉程度に収めた方がいいと思います。
アドバイスなどや、何かしてあげるよりは、その人の感情を汲み取ってあげた方がいいと思います。

3.人の気持ちは理解しえないことを頭の片隅に置いておいて下さい

 一番危険なのは、その人の気持ちを理解しようとする事です。
下手にその人の気持ちを理解しようとする(努力する)と、返って逆効果になったり、相談にのっている本人が危ないです。

上記の本にも書いてあったんですが、ある熱心な精神科医の先生が患者の気持ちを理解してあげようと試みたら「お前に俺の気持ちがわかるか!」と逆上され、殺される事態にまで発展してしまったことがあるそうです。

なので何を言ったら良いかわからない場合は、黙って話を聞いているだけで良いと思います。

4.最後に

 ただそばにいること、文字にしてみれば簡単ですがとても大変だと思います。
なんやかんやしたくなったり言いたくなったりする気持ちになってしまいそうですが、そこは抑えた方がいいと思います。

ただあまりに深刻な状態、それこそ精神的であったり肉体的にであったり、このままの状態だと確実に深刻なことになると予想される場合は、会社だったり学校などの相談窓口に相談するよう誘導されるといいと思います。

あくまでも愚痴なり悩みなり困りごとについて、解決の手立てを伝えたり行動するよりも、その発言の奥にあるその人の感情を感じとってもらえたら嬉しいです。
努力すれば何でも解決するという考え方は私は違うと思いますし、その事は他のことでもそうだと思っています。

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