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敵(目標)の事は知っていても、己(味方)の事をよく知らない人は多いのではないか

1.調べてみたら思わぬ意味だったことが分かった

個人的に良い内容だと思った記事を紹介したいと思います。

記事から内容を抜粋させてもらいます。

2.「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の意味

『意味は「敵情を正しく把握しろ」』

 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしり おのれをしれば ひゃくせんあやうからず.)」とは、「向かう相手の実情と自分の実力を正しく知ることで、負けない戦い方ができる」という意味の諺(ことわざ)です。「殆(ほとほと・し)」は危険がすぐそこに迫っている様子をあらわし、「殆うし(あやうし)」は「危うし(危ない)」とほぼ同義です。
 現代では「”敵”を知り己を知れば百戦殆うからず」と使われる場合もあるように、原文の「彼」は「敵」、「己」は「味方」を指しています。

『「まずは自分を知る」意味の類語』

・易者身の上知らず(えきしゃみのうえしらず:自分のことは分からないものだ)
・知らざるを知らざると為せ 是知るなり(しらざるをしらざるとなせ これしるなり:知らないことを自覚することが知るということ)
 チャンスをつかむために大切なのは「99%の準備と1パーセントの運」と言われるように、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」には、戦うための準備を周到にせよという意味が込められています。「100回戦っても大丈夫」なのはあくまでも適切な準備ができているからで、それが戦うための条件だと言っているのです。相手の優位性について知るだけでなく、自分の弱点を知ることが重要という言葉です。

【スポーツ選手の場合】
 スポーツ戦略における「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は、相手チームのプレイを繰り返しチェックし、得意な先方や選手の特長をくまなく分析することで自チームの弱点を補うという方法です。相手の実情を知って勝ち目がないと判断すれば、損失を避けるために「戦わない」という孫子の選択枝は、サッカーのように実力差の大きい相手と戦ってもリスクの少ないスポーツには当てはまりませんが、格闘技や登山といった危険が伴う種目の場合には「引く勇気」も重要です。

【受験生や就活生の場合】
 受験や面接をひかえた学生にとっての攻略するべき敵とは、試験の出題傾向や勉強の仕方、面接官から投げかけられるであろう質問の内容ということになるでしょう。同時に自分の学力を正しく理解し、勉強法に弱点はないか、ついやした時間の長さだけで努力した気になっていないかを厳しくチェックすることが求められます。「成果の伴わない努力は時間の無駄」とは孫子の言葉です。

【ビジネスマンの場合】
 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を教訓として生かしているビジネスパーソンは少なくありません。ビジネス上の敵といえば、顧客・ライバル企業・ファンダメンタル(社会情勢)といったところでしょうか。企業が勝ち残るためには、まずは戦い続けるために損失をマネジメントすることが不可欠です。孫子は兵法リスクを敵をよく知ることで、戦わずして勝つ方法を見出すこともできると教えています。

3.自分を支えてくれる人の存在についてしっかり把握しておく必要があると思う

 私がここで一番注目したのは、「己」は「味方」ということです。
つまり「自分」ではなく「味方(仲間)」という点が重要かと思いました。
敵に勝つにしろ、目標を達成するにしろ、自分一人でやっているわけではなく、誰かしら何らかのサポートをする人(仲間)がいなければ達成することは難しいと思っていますし、そういう存在(仲間)の事をちゃんと分析(その人の心を知る)しなければいけないと思っていますし、じゃあちゃんとそのことをしている人は多いかといったら、私はそこまで多くはないと個人的に思っています。

支えてくれる人は笑顔で献身的に支えてくれているかもしれません。
しかし己を殺しきることは不可能だと思いますし、実際に河合隼雄先生が『こころの処方箋』で、「己を殺して相手を殺す」と紹介されています。

「己を殺す」と言っても、やはり自分は生きているのだから、自分を殺し切ることなど出来たものではない。言うならば、己の一部を殺すわけであるが、面白いことに、その殺された部分は何らかの形で再生してくるようである。あるいは、殺したつもりでも、半殺しの状態でうめいているかもしれない。とすると、このように、本人の気づかぬところで、急に動き出すこともあるはずである。
(略)
彼女に言わせると、いつも辛抱して生きているので、時にはたまらなくなって、少しくらい休んだり、息抜きしたりしても当然ではないか、ということになるが、そのタイミングは、もっとも不適切だ、ということになる。これは、彼女のなかで殺されたものが、生き返ってきて、復讐しているようなもので、こんなときは、見事に他人を殺すこともあるのである。
『こころの処方箋』(河合隼雄・著)

なのでちゃんと味方についても注意深く観察して、その奥にある気持ちをしっかりと把握する必要があると思っています。
ある日突然、味方があなたを殺す(目標を壊す)事になるかもしれません。

4.味方を知れば敵も倒せる(目標を達成する)ことができる良い例

 私はその点をきっちりやって自分の目標を達成した方は、私の中ではサッカー選手の長谷部誠選手ではないかと思います。

彼の本を読んでいたら、敵の分析などほとんどしていないことが分かりました。
それよりもチームメイトであったり、サブの選手であったり、監督の様子まで事細かく観察していましたし、彼らのこころの中についてまで想像を働かせている様子が見てとれました。

そうすることで彼は彼の目標である「プロサッカー選手として活躍する」という夢を実現しましたし、長くドイツリーグで活躍してきましたし、日本代表でも監督が変わってもキャプテンに長年任命されました。
会社でいえばプロジェクトリーダーであったり、部下をまとめる役職を任されるようなことかと思います。

彼の一番のストロングポイントはカバー能力であると私は思っているんですが、それは味方を観察していて自らその能力を磨きましたし、それはピッチ上だけでなく、公私共にあらゆる面で仲間からあらゆる人のこころまでカバーしている事がうかがえました。

私はそこに何らかのヒントがあるのではないかと思います。
ただ彼の場合、「戦わずに勝つ」という方が当てはまる気もします。

5.最後に

 だからといってそのように心がければ敵を倒せる(目標を達成する)ことが可能かといったらそう簡単ではないと思いますし、努力をすれば夢が叶うとは限らないとも思っています。

そもそも周りの味方を見て、彼らの能力(こころの限界)以上のサポートを期待するのは難しいと思いますし、彼らを潰すようなことをしては自分もそもそも敵を倒すことは不可能だと思います。
第一、彼らの犠牲の上に目標を達成しても、せっかく成功できたあなたを認めてくれる人を犠牲にしているのではないかと思います。

会社であれば損失をマネジメントすることも大事だと思うのでちゃんとリスクを把握する必要があると思いますし、自分(味方)の弱点(限界)を知ることも重要な一因であり、孫子も損失を避けるために戦わない選択肢も説いていますし、いくら努力しても叶わない目標に挑み続けるのはそれこそ「成果の伴わない努力は時間の無駄」という孫子の言葉そのものだと思います。

そこをちゃんとおさえることがまさに「己を知る」ことであり、冒頭の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」に繋がってくると思います。
彼を分析する事は多くの人がしていることだと思いますが、己もしっかり把握すればどんな事態にも対応できそうですし、彼も倒せるかもしれません。

ただ孫子の本当の真意は、そもそも戦いに勝つために説いたというより、負けないことを考えた上での一説だと個人的には思っています。

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