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【Bar S 】episode30 終わりの始まり



いろいろあって、常連のレギュラーグループのメンバーは減ったものの、店の客数、売り上げはずっと増えていた。そこで、会社のオーナーに、もっと広い店舗に移りたいと直談判してみた。オーナーの答えはOKだったので、今のお店の界隈で、物件を探し始めた。

条件は①ちゃんと調理できるスペースがある事。②客席が15~20席とれる事。③半地下~地上2階まで(出来れば1階) ④家賃が高すぎない事。

人気エリアなので、直ぐには見つからなかった。複数の不動産屋に、物件が出てきたら連絡をもらえるように伝えておいた。



タツヤとミーコが付き合い始めた。ミーコは、タツヤとリカの妊娠・出産騒動の事も知っていたが、それでも良いと言った。ただ、マユミにはバレたくなかった。

しかし、隠していられるのも3ヶ月だけだった。マユミはやはり激怒した。私の居場所で勝手な事ばかりしないでよ!と。

この時はミーコも負けてなかった。なんでいつまでもマユミの言う事に従わなければいけないのよ!ミーコは今までマユミに対して溜まっていたものを全部吐き出した。

カナちゃんが間に入って治めようとしたが、ダメだった。マユミは泣きながら怒って、店を出ていった。それきり2度と店には顔を出さなかった。

誰もマユミのフォローはしなかったが、唯一 ナオトだけは、マユミの心配をし、ふたりは元の鞘に収まった。結局マユミは、ナオトのマンションへと戻ったようだ。もう、籍を入れたのかもしれない。



物件探しは、半年経っても全く進展しなかった。店舗の入れ替わりが激しい地域だが、良さそうな物件が空いたと思っても、その時には既に次の契約は決まっていた。私のところへ連絡がくる物件は、私の出した条件とはかけ離れたものばかりだった。【Bar S 】のようなスナックの居抜き物件は山ほどあった。でも、私がやりたい店はとても出来そうにない。

地域を限定しない事にした。都内の各駅の周辺物件で、良さそうな物件がないか探し始めた。今の店の常連をみんな失う事になるのは、勿体ないし とても寂しい事だが、会社で雇われて店をやっている以上、もっと利益を上げたかった。そして一部歩合制の給料で、もっと稼ぎたかった。

範囲を広げて探し始めたばかりの、4年目の年末が迫るある日、オーナーから連絡が入った。

重要な話しがある。そちらに行くから近々、時間をとって欲しい。と。




ーepisode 30 おわりー

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