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【Chapter5】 誰でもできる最強ホテルの作り方(コミュニティ形成①)

こんにちは。
瀬戸内リトリート青凪の総支配人の吉成です。

今回からマーケティングについての話をしていきたいと思います。
マーケティングと言っても領域がめちゃくちゃ広いので、オンラインとオフラインでのマーケティングに分けながら、何回かに分けて投稿していこうと思います。

まず、ホテルでのマーケティングと聞くと、”オンラインでいかに予約を増やすか” や、”OTA(宿泊予約サイト)の攻略”などの販売戦略に目が行きがちです。
確かにそれらの集客施策も重要なのですが、まずは地に足をつけて、ホテルを応援してくださる地域のファンやサポーターの皆様、つまりは”運営全体のサポーターを増やす施策”をしっかりやっていくことが、とても大事です。

ここでもマーケティングの考え方が必要となります。

結論を言うと、ホテル運営において、
サポーターや地域の皆様の存在を無視して”独り勝ち”を狙っても、あらゆる面でうまくいきませんそして、地域の力を借りずして勝てるほど、ホテル運営は甘くはありません。

ここでは、この非常に重要なローカル・コミュニティ形成について、青凪が実際に行なっている手法をいくつか紹介していきたいと思っています。

今回もまんまパクってくださいますと幸いです。

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部屋を売りたかったら部屋を売るな

まず、読者の皆様がホテルやゲストハウスの運営をしているのであれば、おそらく日頃から、「もっと稼働率をあげたい!予約数をあげたい!」と、部屋を売る施策を考えていらっしゃるかと思います。

一方で、それは全国のホテルで働く予約担当者やマーケティング担当者のほとんどが、毎日のようにやっていることでもあります。

OTAのタイムセールに激安プランを出したり、バナー広告などに予算を使ったりする施策は、即効性はありますが、長期的にはライバルが多すぎて情報が埋もれたり、価格勝負になってしまいがち。
その流れの行き着く先は、ジリ貧や単価の崩壊、思考停止によるオペレーションレベルの低下などがあり、どれもネガティブです。

基本的に、”部屋、食事、景色”がホテルの3大商品といわれていますが、今の時代、”部屋・食事・景色”を売ろうとすればするほど、予約は獲れなくなります。

ここで必要となってくるのは、”部屋、食事、景色” を売るという古い価値観を全て捨てて、宿泊施設である前に、”何か面白いことが起こっている場所”へ、ホテルをデザインしていくことです。


※ デザインの定義=「今すでにあるものを壊し、新しく定義し直すこと」


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シークレット・イベントが育てる、ホテルの新しい価値


まず考えていきたいのは、「地域のサポーターやファンの皆さんにとって、最高のホテルとはどういったものか?」という問いです。

ズバリそれは、「新しい価値が手に入る」ホテルです。

具体的には、ビジネスネットワーク、発信の機会、生の情報などです。
もともとホテルという存在は、ビジネス面においては地域の良いものを世に発信することのできる販売チャネルでもあり、地域外の通貨を集める装置でもあります。かつ、物作りやアーティスト達などクリエイティブな人々にとっては表現の場でもあります。
それだけではなく、関わる人々の直接的なブランディングにつながったり、皆がうまく活用できて、かつお互いシナジーを生みやすいという、強みがあります。

すなわち、使い方によっては、それらの方々が直接コミュニケーションを取れる場所に設計することもできるのです。

そしてポイントは、ホテルに関わる人それぞれ、求めているものが異なる。ということです。ホテル内に、人それぞれが持つ、多様な価値を一つに集約する仕掛けを作っていくことが大事です。

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目先の利益を全て放棄し、まずはコミュニティへ全投資せよ

青凪が行なっているコミュニティ施策の中で、プライベート・パーティという面白いイベントがあります。

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イベントの概要はざっくりと以下の通り。

”招待者の紹介者”までしか入場できないシークレット交流会
・SNSでのイベント情報拡散は禁止
・ドレスコードはスマートカジュアル (ノーネクタイ)
・ホテル側は、利益を全て還元。原価での運営を約束する
・ビジネスマン、アーティスト、クリエイターなど、多岐にわたるゲスト
・パーティの様子はSNSで大拡散

このイベントのユニークなところは、SNSの流れに逆行するかのごとく、WEB上では一切発見されない”シークレットイベント”として運営されている点です。

理由をぶっちゃけてしまうと、これらは青凪では考えられないくらいの価格設定となっていて、基本100%利益還元。販管費を考えると完全赤字で運営しているからです。

つまり、我々はこのイベントは純粋な投資と考えて運営しています。

また、シークレットにすることで、参加者の”仲間ウチ感”を最大化する狙いがあります。

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コミュニティにはGiverの精神で。 決してTakerになるな


ここで、よくあるミスとしては、こういった人が集まるイベントを、閑散期の売上対策などにしてしまい、直接マネタイズしようとすることです。

ローカルサポーターは最終的にお客様にもなりますが、事業フェーズを意識することが大事です。
ここではコミュニティを直接マネタイズすることなく、コミュニティを通じて、その向こう側の人々に対してホテルの魅力が訴求できるような設計が大事です。
お金儲けの前に、人儲け、信用儲けです。

ビジネスマンには出会いを、アーティストには表現のステージを、クリエーターには拡散の機会を、それぞれ個々に準備し提供していくこと。


そしてそれらを継続的にしっかりと続く仕組みを作ることで”最強のホテルコミュニティ”が少しづつ出来上がっていくのです。

(以下、引用)

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最後に、青凪のパーティには、地元アーティストの参加が多いという特徴があります。

皆さんの街にも必ずいる、その土地のアーティスト達は、新しい文化の担い手でもあります。彼らにリスペクトを払い、文化を共に作っていく仲間として積極的にホテルからお声がけをし、"文化や音楽、芸術が表現されるホテルを共に作る。"というビジョンを共有してみてはいかがでしょうか。

きっと”部屋・食事・景色”ではない、新しい価値がホテルに付加され、地域の応援が集まる宿になっていくことでしょう。

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次回は、コミュニティやサポーターとの関係値をさらに深めていく、SNSマーケティング(インスタ運用)についてシェアしていきたいと思います。


……………

引き続きフォローよろしくお願いいたします!


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瀬戸内リトリート青凪

愛媛県松山市に2015年12月開業した、スモールラグジュアリーホテル。
建築設計は、世界的な建築家の安藤忠雄氏。
1998年に建てられ、元々は美術館を併設したプライベートなゲストハウスとして誕生したが、2015年に運営会社、(株)温故知新によりラグジュアリーホテルとして運営スタート。
2018年には国内系ホテル初のミシュラン最高評価を獲得。翌年2019年には世界のホテルアワード3賞を獲得。

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嬉しいです。頑張ります!
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ラグジュアリーホテル 瀬戸内リトリート青凪総支配人 2018年ミシュラン最高評価、国際ホテル賞など。2019オートグランドール・ホテルアワード"Best General Manager in Japan" 他7部門受賞。 学びのアウトプットとしても書いています。