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デザイナーのマネージャー1年生のレポ

こんにちは。デザインマネジメントファームCOLOGUEの藤井さとみです。私ごとにはなりますが、今年(2023年)4月から自分のチームを持ちまして、部下のマネジメント業務も担当しております。
マネージャーとなりはや半年経ちましたので、今自分が実践していることを共有していこうと思います。
同じくマネジメントに関わる皆様や、逆にマネジメントされる側の方、そして私のチームメンバーの皆さんにとって、何かのヒントになりますと幸いです!

(私の)主なマネージャー業務

対チームメンバー
1.日々の相談(隔週の1on1)
2.目標設定の相談、進捗確認(隔週の1on1にて実施)
3.人事の一次評価

対自分
360度評価の実施

マネジメントの対象

Aさん:グラフィックデザイナー(新卒入社3年目・新潟オフィス勤務)
Bさん:サービスデザイナー(新卒入社1年目・東京オフィス勤務)

職種はバラバラです。ちなみに私はサービスデザイン寄りの職能なので、Aさんとは職能が異なっており、さらには拠点も違います。

マネージャーは「経営と現場の接続者」

これは半年間のマネージャー業務をやっていて感じることなのですが、マネージャーは「経営と現場メンバーの接続者」だと捉えています。マネージャー業務は、メンバーのやっている業務が経営にどのようなインパクトを与えているかを、経営と現場の両者に伝えつづけることだと思いました。
もちろん、メンタルやタスク、業務目標の管理も仕事のうちとは思いますが、一番大切なのはここ、と思いながら、今私が行なっている業務をお話していこうと思います。


1.日々の相談(隔週の1on1)

私のチームでは、隔週で1on1(45分程度)を実施しています。1on1では特に目的を設けておらず「日々の困りごと・嬉しいこと・キャリア相談」でもなんでもOK!とお伝えしています。

私はNotionをメンバーと共有してお互いにメモしながら対話します

1on1の流れ

  1. 話したいトピックがあるか聞く(トピックがあればそれを話す)

  2. 特にない場合はこの2週間をお天気で例えて教えてもらう

  3. お天気の要因をヒントにお話を聞いていく

  4. ネクストアクションを一緒に考える

大まかにはこのように進めています。お天気が例えば「晴れのち曇り」だったら「〇〇さんを曇らせているのは、どんなことですか?」「逆に晴れにさせているのはどんなことでしょうか?」と問いかけます。
このお天気作戦は、もともと私の上長がしてくださりとても良いなと思ったので、真似しています。

ポイント:解決を目指さない、でも一緒に考える

私は社会人経験が6年半ほどになりますので、実はそこまでメンバーとキャリアが変わりありません。さらには職能も違うので「具体的な解決策の指示」にも限界があります。そのためその場の解決は目指さず、代わりに次できることは何かを一緒に考えます。もしその人だけで解決が難しい場合は、ヒントをくれるような人を探して紹介します。

ポイント:できたことには「意味づけ」をする

話にのぼるのは不安なことだけとは限りません。その人が達成したことや頑張ったことを話してもらったら、所属組織や社会との接続を意識して意味づけをします。一人では気づけない、視点の転換が1on1をする意味でもあると思うからです。
例えば「〇〇というツールが使えるようになった」という成果をメンバーが報告してくれたら「がんばりましたね!(共感)そのツールが使えることは、私たちの組織にとってどんな意味があると思いますか?」などと問いかけます。もしメンバー自身で接続させるのが難しい場合は、私(マネージャー)が積極的に意味づけをします。でももし自分が意味が見つけられなかったら、その旨を伝えることも必要です。
この「意味づけ」をすることは、将来メンバーが部下と対話するときの訓練にもなりますし、自己評価や自己プレゼンテーションにも役立ちます。


2.目標設定の相談、進捗確認

私のチームではOKR(短期的でストレッチした目標)と賞与などに関連する業績目標の2種類が採用されています。

目標設定の流れ

  1. 本人に目標を設定してもらう(決められないときは設定しなくてOK)

  2. 1on1で目標を立ててみて、目標に対して本人が思っていることを聞く

  3. 自分の視点で適切な目標になっているかどうか伝える

  4. もう一度目標を設定し直してもらう

ポイント:なんのための目標なのかの認識を揃える

OKRでも業績目標でも目標を立てるからにはその裏の目的が存在します。「本人の成長のため」なのか「単に賞与を決めるため」なのか…ここをきちんと伝えるだけで目標の立てやすさと視点が揃いやすくなると思っています。

ポイント:目標が低い・高い場合はフィードバックを、適切な場合はリフレクションを

マネージャーは適切な目標を立て、その目標達成のサポートが仕事の一つと考えています。もし目標がその人にとって低い、もしくは高すぎると自分が感じたら「フィードバック」をするようにしています。例えば「目標設定おつかれさまでした!(承認)私から見て、目標のこの部分があなたにとっては低いように見えましたが、あなたはどう思いますか?」のような感じです。マネージャーから見た視点をフィードバックを通して伝えます。
もし適切な場合は、よりサポートしやすくなるように「リフレクション」をします。例えば「この目標はあなた自身にとって、どんな意義があるんですか?」などです。もしかしたら、その人が実現したいことと言語化している目標がずれている可能性もあります。そこをリフレクションを通して確認するようにしています。

ポイント:目標が組織や社会にどのようなインパクトがあるか伝える

先ほどの「できたことの意味づけ」に近いのですが、基本的に組織に属する私たちは会社の経営にインパクトを与えることが最終的な目標だと考えています。そのため、私(マネージャー)は組織目標を振り返って、メンバーの活動がどのように接続しているのかを、伝えるようにしています。例えばツールを覚えるのは新しいオペレーションを開発してタスクあたりにかかる時間を減少させることで、支出を下げて業績をアップさせるため…とか。中間管理職(マネージャー)こそ、メンバーと経営の接続者であると捉えてコミュニケーションを取ることが求められると思います。


3.人事の一次評価

人事の一次評価の流れ

  1. 本人に評価をしてもらう

  2. 評価した内容にフィードバックする

  3. もし不足があれば伝える

ポイント:経営との接続者として、どんなインパクトがあったか伝える

大体の人は「〇〇をやった・できた」という事実しか評価に書かれていないことが多いと思います。私(マネージャー)は経営との接続者なので、その事実が経営にとってどのようなインパクトがあるかを伝えます。もしインパクトがない、接続ができないと感じる場合はそのまま伝えて「どうしたら接続できると思いますか?」などと問いかけます。

ポイント:対象者より、対象者を知ってる!!くらい関心を持つ

関心を持つことは「干渉する」ことでもなく「根掘り葉掘り聞く」ことでもありません。日々の業務でメンバーがどんな活躍をしているのか、Slackチャンネルに入れてもらうなり(個人的にはこれが効果的♡)、メンバーが関わった人に話を聞きにいくなりして、できるだけ様々な機会から情報を常に得るようにします。
メンバーが忘れている活躍を、マネージャーが伝えることは信頼関係の形成にも貢献していると…思います(多分)。


おまけ:360度評価

これは個人的な活動になるのですが、一応360度評価的なことも試験的に行なっています。この活動を始めた背景は、マネージャーになると急に(特にマネジメントにおいて)フィードバックがもらえなくなるからです。(笑)
少しでも自分の活動がどう見えているのかを知るために、アンケートを作成して半年に一度実施しています。

①こんな感じに概要と目的を共有してアンケートに答えてもらいます
②アンケートをもとに目標設定をして、メンバーに共有します
③目標に対する自己評価と他己評価のすり合わせをします(①に戻ってくりかえし)

おわりに

まだマネージャーになって半年になりますので、成果も見えてこず体当たりにはなるのですが、自分がどのようなことに気をつけて業務にあたってこれたか整理できました。
「デザイナーのマネジメント」というと特殊なように見えますが、基本的にやることはそこまで変わらないのではと現段階では思っています。皆様のヒントになりましたら幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました!

メンバー育成についてはこちらの記事を参照ください♡



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