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重たいリュックを背負うあなたにも 「理想の後付チェストストラップ」を作った話

「なぜ、このリュックにはチェストストラップがついていないんだ」

そんな想いは、そこそこ重量があるノートパソコンを持つようになってから特にそうなったように思う。

リュックは便利だ。
両手を自由にできて、腕力がない自分でもリュックを担ぐ形であれば長時間歩くことができる。
そのメリット故に調子に乗って、リュックも大きなサイズになって内容量が増えてくる。特に2泊程度の旅行の荷物をリュックに詰め込んだ日には、なかなかな重量を背負うことになる。
そうなってくると、肩紐の位置のズレが肩や背中への疲労に直結してくる。

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そんな時にこそ便利なのが「チェストストラップ」

リュックの肩紐の位置を定位置でキープし、重たいリュックの荷重のかかり具合を安定させてくれる。
ただ、気に入って買ったリュックに限って「チェストストラップ」がついていないことがある。
また、1日の予定によっては必要な荷物も少ないこともあるので、そんなに「チェストストラップ」が欲しい時ばかりでもなかったりする。

お気に入りのリュックに後から取り付けできて、一つ一つのパーツにもこだわりが感じられるような「チェストストラップ」があればいいのに。
そんな気持ちが走り出し、今回はオリジナルの「チェストストラップ」を作って販売することになってしまった。
このうえなくニッチなアイテムだけど、使い勝手の良さにこだわって作った「DOCKET CHEST STRAP」を今回はご説明させて頂ければ嬉しい。

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いつかどこかでこのバックルは使いたいんだ

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今から一年以上前、どうしても気になる金具を見つけてしまった。
FIDLOCK(フィドロック)社のV-BACKLEという名前のその商品は、マグネットで脱着できるとても気持ちの良い脱着感が、動画で見ているだけでも気持ちよさそうで、どうしても欲しくなった。

何に使うわけでもない。
でも、ただただ手にとって試してみたくてバックルだけを手に入れてしまった。
もちろん、バックルだけでできることはなにもないのだけど、マグネットを用いた脱着システムは触っているだけでも感触が楽しく、飽きることなく手元に置いていた。

今回、チェストストラップを作ろうとするに当たって、メーカーさんに真っ先にお願いしたのはこのV-BUCKLEを採用すること。
いくらでも安いパーツで構成されたチェストストラップは存在するけれど、ここまで贅沢なパーツを使ったチェストストラップはないから差別化につながるだろう・・・なんて言葉は正当化の説明でしかない。

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ただ、実際に採用してみた所、想像以上にバッチリいい感じにその機能性を発揮してくれた。
マグネットを使っているから、耐荷重は大丈夫なの?と心配になる方もいるかもしれないが、実際に耐荷重もカタログで70kgをうたっており、しっかりしている。
マグネット自体は取り付け時に誘導するような役割がメインとなっていて、一度ハマるとマグネットなしにしっかり噛み合っているのも感触としてよくわかる。

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少し角度を変えて脱着をしてみたGIF動画がこちら。
重ね合わせるだけでなので、取り付けの際に力を必要としないし、取り外しもV-BUCKLEのフラップをストラップを引っ張って開けるだけだから簡単だ。
誤って外れるのを防止するためか、左右から引っ張られているとフラップを引っ張り上げにくくなっているけれど、そんなときも両手で取り外してもらえればスムーズに外すことが可能になっている。

マグネットを使用しているため、ペースメーカーを使用されている方や、マグネットの影響を受けやすい電子機器を近づけて使うことはご遠慮いただく必要はあるので、そちらだけ気をつけて頂ければと思う。

適切な長さへの調整のために

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今回、オリジナルのチェストストラップを作る上で一番難航したのが「ベルトの素材選び」だったりする。
というのも、メーカーさんはバックルの価格に負けないだけのしっかりした素材を使ったほうがいいと、しっかりめのベルトを提案してくれたのだけど、それだと長さを調整するための動作がもたついたり、力が必要になってしまったのだ。

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サンプルを何度も作っていただいて試していただいた結果、ようやく緩みすぎず力を必要としすぎない適度なベルトにたどり着くことができた。
というのも、先に書いた「左右から力がかかっている時にV-BUCKLEが外しにくくなる」という特性があるためのがその理由の一つだ。
ベルトの締め付けを緩めてV-BUCKLEを外すという動作を片手でも行えるようにするためには「V-BUCKLEに角度をつけて引っ張るだけでベルトが緩まる」ようにしたかった。

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また、ベルトの長さを短くする際に便利なように、ベルトの先端にはDカンを取り付け引っ張りやすくしているし、引っ張った後のDカンが不細工に垂れ下がらないように、引っ掛けておけるクリップも搭載している。

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ちなみにその取り付け用クリップには、こちらのnoteで紹介している取り外し可能なものを採用している。
これは、左右逆転させて使いたいといった要望にも応えられるように細かくこだわった点なので、ぜひ利き手やリュックを使う上での快適性を考えた上で使う人それぞれにカスタマイズしてもらえればと思う。

幅広いリュックに取り付けるには

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ここまでの機能性も精一杯こだわったつもりだったけれど、元アウトドアブランドで店長をしていた知り合いに見せて一番驚かれたのが「ズレ落ち防止クリップ」の存在だ。

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幅広いリュックに取り付けられるように、特別な機能がリュックに付いていなくても取り付けられるように、チェストストラップのベルトはこんな構造をしている。
しかしこのまま取り付けただけだと、チェストストラップは重力に従ってズルズルと下に位置がズレていってしまうのだ。

とはいえある程度肉厚なリュックの肩紐に取り付けるため『だけ』に転用できそうなクリップなんて、そもそも思い当たらない。
マネークリップや文具のクリップなど、色々と探し回った挙げ句に出会ったのは、ダンボールを開けたままの状態で固定するためのクリップだった。

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こちらをチェストストラップのベルトを通した上からはめ込むことで、ズレ落ちはほとんどなくなってくれた。
そして黒一色のデザインであるため、トータルのデザインとしても驚くほどマッチしているので、この奇跡の出会いにはとても感謝している。

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本当に簡単な工夫ではあるけれど、1cm程度の厚さのリュックの肩紐であればスムーズに取り付けできることも確認できている。
挟み込む力は強いというわけではないけれど、クリップ跡がのこることを気にされる方はご利用になられないほうがいいとは思う。

お気に入りのリュックにも「チェストストラップ」を

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「好きなリュックにチェストストラップがついていない」と「構造がとても好きな金具がある」という想いを1年間温めているうちに、手を差し伸べてくださるメーカーさんの協力を得て生まれたチェストストラップを紹介させていただきました。

自分が必要だという理由から突き詰めて作ったこのアイテムだけど、ノートパソコンやタブレットを持ち運ぶことが多くなった現代に、意外と必要とする人はたくさんいるのではないかと思い、オリジナルアイテムとして販売させていただくことになりました。

ぜひぜひあなたの心に刺さったようであれば、お試し頂ければ嬉しく思います。

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