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『ベッキー・チェンバーズ「銀河核へ」読んだ』へ

「宇宙へ」「火星へ」と読み進めてついに「銀河核へ」。

ただただ銀河核ってどんな風になってるんだろうと好奇心で購入。
表紙からハードな内容を想像してたらそうでもありませんでした。
ざっくりした認識だと「下町中小企業奮闘記」のようなイメージ。
宇宙でトンネル掘りを営んでいる8人くらい乗りの小さい宇宙ドリル船がトンネルを掘り生計を立てている話。
世界観は舞台が(多分)天の川銀河系内でいろんな種族の知性のある宇宙人たちが宇宙協定に加盟しているような世界。
トンネル掘り宇宙船にも4〜5種族が同居していて、その仲間達のやりとりが長い。「特に展開もないのにずっと仲間内の話だなー」と思っていたら作者が女性で納得。硬い宇宙船の用語などで語られるのが仲間達のあれやこれや。何か出来事が起きても仲間内での関係性を描写するためだったりしてなんか新鮮。今までのSFだと何かの出来事が起こったら、お話が展開したり謎が解けたり登場人物が得(惜しくは損)をしたりと結果を提示しがちだと思うけど、今作は出来事の全てが仲間同士の関係が変化することに繋がってゆく。もちろんそれも結果だけど。
お話は心地よく、だんだんみんなと宇宙船に乗っているような気になってきて終わる頃には寂しくて仕方なくなる。
シリーズが出てるようなので、翻訳が出たらぜひまたウェイフェアラー号でみんなと会いたい。
これが現実の人種差別や何やかやを風刺(?)しているのかについてはよく知らないのでわからない。けど、それでもとても楽しく下巻は一気に読んだ。

ちなみに
「宇宙へ」は「The Calculating Stars」
「火星へ」は「The Fated Sky」
「銀河核へ」は「The Long Way to a Small, Angry Planet 」
で全然違った。
「へ」って流行ってるの?

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