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マンディ 地獄のロード・ウォリアー

※ネタバレがあります。
 是非ご覧になった後で一緒に楽しみましょう。


Mandy(2018年製作の映画)
鑑賞:2021/08/29、記事公開:2021/09/23
監督・脚本:パノス・コスマトス

パッケージが血まみれのニコラス・ケイジだったのでそれだけでお腹いっぱいになって見てなかった。U-nextのサムネイルで思い出し鑑賞。

思いの外良かった。
これは素晴らしい。
劇中で主人公手に入れるカッターナイフがちゃんと錆びついている。それだけでいい。それだけでわかる。あのカッターナイフはナビてなきゃいけないし、パノス・コスマトス監督はちゃんと錆させてた。

何の裏付けもないけど、溜まりに溜まったやりたいことを全てぶちまけて楽しくてしょうがない様子が伝わってくる。

絵の作り方とか間の取り方とかの手触りがあまり見ない感じで良かった。
雰囲気はヘルレイザーに似た感じを受けた。
あらすじは単純。なのに理解のできなさが甚だしく大変イイ。
神話か何かから土台は引いているのだろうか。だとしてもこれを理解できる気はしないけど。

何がイイといえば全てがいいけど、異質さでニコラス・ケイジが浮いてないのがいい。どいつもニコラス・ケイジに負けずキャラが濃い。これは凄い。
お金がかかってなさそうなのもイイ。なのに、音楽がヨハン・ヨハンソン。しかも遺作。もう何が何だかわからない。
カッターナイフに限らず製作者のこだわりが詰まっている。何故虎顔プリントのティシャツなのか。バイカーたちを後ろから赤い光で照らしているのは誰か。「笛とナイフがわざわざ緑の灯りで照らして呪いのアイテムっぽくしてるけど何でもありませんでしたギャグ」がわかりづらすぎて笑えないのが可笑しくて嬉しくなる。バイカーが乗っているのがバイクじゃなくてバギーだった時の衝撃。マンディって結局何者?あの斧をわざわざ?「突然出てきたあなたは誰?」度の高さ。

「俺はやった。次はお前の番だ」と言われているようで勝手に勇気をもらった気になってくる。
いやーいいものを見た。
褒めすぎたので、ネタバレにして見る前の期待値をあげないようにしました。


デジタルでは無く光学的なアプローチの映像のいじり方がよかった。ドラックカルチャーっぽいし70年代テイストだろうか。

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