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好きな水辺:板室ダム湖 

水に足をつけやすい季節も過ぎ去ったが、きれいな水辺に行きたい。
寒くなる前に、旅行がしたい。
一泊二日でゆっくりできるところがいい。
移動のお金はあまりかけたくない。
なるべく観光客が少ないところがいい。
 
—―そんなわけで、10月末、板室温泉に行ってきた。
(若干失礼な文言があったことをお詫び申し上げます)
 


求む・静かな水辺

きれいな水辺と人の少ない観光地を常に探している茶ぶどうだが、
そのアンテナに今回引っかかったのが板室温泉。
板室ではカヌーができる(季節によってはSUPも)。
そして、近隣に「木の俣渓谷」なる美しい水辺があるという。
調べていくと、いかにも観光客が少なさそうな、しかし湯治で人気という私好みの場所らしい。
行ってみよう。

上野発のラビット乗ったときから

私が栃木県に行く際、目的地によりルートが違う。
鬼怒川や塩原に行くなら東武鉄道。新越谷経由。
那須・板室温泉はJRで黒磯へ向かう。

どちらにせよ、千葉からは近いようで遠い。早く着ける手段がないのだ。
新幹線や特急はお金がかかるわりにさほど時短にならない。
こないだ行った新潟・越後湯沢の方がよほど早く着く。
 
ということであれこれ考え合わせた結果、ラビットで行くことにした。
特急料金がいらない、快速電車の類である。
 
前夜、早く布団に入ったのに、寝つくことが全くできず、輾転反側……「遠足前日の小学生」か。
しかし睡眠不足だったのが奏功した。上野でラビットに乗って寝こけていたら宇都宮に着き、乗り換えてまた寝ていたら黒磯に着いた。早いやん。

朝9時半過ぎ。黒磯駅で板室温泉行バスを待っていたのは私一人だった。
「観光客のいなさ」が保証されたようなものである。
(しかし地方のバス路線の将来は非情に心配……次来るときも運営していてほしい)

やっほーーーー!!(バスはスイカが使えます)

日帰り入浴:板室温泉グリーングリーン

バスで30分ほど乗っていく。のどかな景色。昭和を感じる。「となりのトトロ」と地続きの風景。
幾世橋(いくよばし)で下りた。空気がぴんと冷たい。
日帰り温泉施設「板室健康のゆ グリーングリーン」へ。

そばを流れる那珂川がまた最高の清流

お客さんは数人いらしたが、なんと露天を独占! やったー!
いつまでも入っていられそうな温度の湯だった。山々が見えるなど開放的。

お昼は「そば処やしお」。事前の調べで目をつけていたカボチャプリンも食べられて満足。

くるみ胡麻だれそばもおいしかった

そこから徒歩ですぐのカヌー会場へ、川沿いをぶらぶら散歩しながら向かう。
川のよい香り。しかし私しか川べりにいない。なんという地味な観光地。

爪を光らせてきた初の泊り旅行

板室ダム湖に浮かんでみると

カヌーは13時から。集合したのは私以外に、小犬連れの夫婦と、カップルがもう一組。そうか、犬はカヌーに同乗できるのか。かわいらし。猫はそもそも旅に連れていくことがほぼないからなあ。
インストラクターさんたちに導かれ、3組は板室ダム湖へ漕ぎ出した。

雨がぽつぽつ

楽しい。水のにおいがする。木々のにおいがする。

こういうの大好き

なんという透明度。

木の枝の下をくぐる。楽しい


雨もまたよし

途中でザーッと本降りになり、それぞれ端っこの木々の下へ避難した。
レインウェアを上下着ておいてよかった。

晴れ間ももちろんよし!

湖と、湖を取り巻く木々、山々をぼんやり眺める。幽玄。
ただただ、静かな時間。
落ち着いているが、心の底が浮きあがっているような時間。

浅瀬で座礁(楽しい)
水草エリアに突入(楽しい)

深いところも、水草だらけのところも、浅瀬も、真ん中も端っこも、
それぞれ素敵な水辺。

ぼうっとカヌーの行く先を見つめる(至福のとき)


板室の湯にじゃぼん

カヌーを降りるとさすがに体が冷えていた。
そのまま歩いて板室温泉街へ。
幾世橋から板室温泉はバス停が別なのが不思議なくらいすぐである。
板室温泉街、というものの、「街」というほどの……
なんというか、昭和の香りが沈殿した……そういうの好きなんです。

温泉街案内板(による案内を阻むアジサイ)

まずは水清館で日帰り入浴。

玄関すぐのソファのおじいちゃんたちお客かと思ったら宿の人だった(民宿あるある)

おかみさんが露天を確認。
「今誰も入ってないからどうぞ」
必ず「貸切」にするらしい。
「貸切」の露天は鍵がどこにかかるわけでもない、ただそこへ通じる扉の前にスリッパを置いておけば、使用中、という印になるという……
はは、よろしよろし。くらいの気持ちで湯小屋へ向かう。
中庭にある湯小屋は完全に屋根をかぶっていたが、外気が横から入るタイプ。
湯につかると、冷えていた手足がじわあぁぁぁっ、と溶けた。

じわわわぁぁぁっ と……

内湯にも行った。タイルの剥がれたのが何か所も動いたりする、レトロな湯舟。採光がよく、よい気分でまた一人で入った。

あったか~い宿 勝風館

宿泊は勝風館。お値段と評判の良さからここにしたが、大正解。
温泉街の中で、「生きてる」感がひときわ強かった。
おかみさんのお人柄がたいへん素晴らしい。明るいが、押しが強くない。
ゆかたは小さいのを、と言ったら、心得ておりますの笑顔。
「一番小さいのをお持ちしますね」。SSが届けられた。助かる。(当方150センチ)

部屋もトイレ(共同)も脱衣所も清潔感十分。
洗面所(共同)にはコロナ禍以来コップを置いていないそうで、「歯磨きには部屋の湯のみをお使いください」とのこと。
廊下にはガムテープが常備。「入らないよう気をつけていますけど、カメムシが出たら、これで上手に取ってください」。
はは。おもろ。(cv. 町田康)
(なお、イニシャルKは出なかった)
 
お風呂は内風呂のみ。瀟洒な赤系のタイル(剝がれていない)が美しい。
ここのお湯は、入ると体の悪い部分が痛むことがあるという。
何日間か湯治をしていると、痛かったのがすっかり楽になり、健康になって帰るのだと。
 
茶ぶどうはここのお宿で
①到着直後
②寝る前
③起床後
④出発前  と、計4回入浴した。
体は特に痛まなかったのだが健康なのだろうか。一泊じゃ判断できないか。

ぴりり椎茸おいしかった

お食事は全てお部屋食。お盆に乗せて運ばれてくる。
おこわが自慢の宿で、本当においしい。
 
宿にはwifiもあって、気兼ねなくスマホが使える。
明日、どうしよう。ここに来て、2日目の行先に迷いだした。
お部屋のパンフに「沼ッ原湿原シャトルバス」の情報を見つけたのだ。
期間限定で土日のみ、一日一便(!)の往復バス。
空席があれば、予約なしで乗れるという……

これは悩ましい

朝から木の俣渓谷に行って、早めに黒磯駅に向かうつもりだったが……
さて、どうする茶ぶどう!?
 
(続く)

今回の手ぬぐいたち 秋っぽい


(↓↓2日目の様子↓↓)

(↓↓夏の水辺↓↓)

(↓↓関係ないけどうちの猫かわいい↓↓)


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