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ビジネスパーソンとはなんぞや

仕事が苦手である。
 
例えば、ある仕事をして
「現在のプランAだとお客様目線に立っていない気がするんですよね、だからプランBにしませんか」
と言われるとする。
 
なるほど、プランBの方がある程度は「お客様に親切」なのはわかる。
でもさ。
プランA:40点
プランB:60点 じゃね?
 

あなたの職場にもいる? 意識低い系

で、茶ぶどうさんの場合、「プランBもまあ申し訳程度のものじゃね?」ってなってしまう。
40点も60点も変わらん! 85点になるならまだしも。
40点が60点になる程度のことでちまい努力したくねえーめんどくさ! 
……と思ってしまう。
自分でも、志が低い・残念な労働者だと思う。
そして、「びじねすぱーそん ってこういう人のことじゃないよな」とも。
 
 
ビジネスパーソン なる語はどんなパーソンを指すのだろうか。
私は大学院を出てそのまま私立学校の教員になってしまったので、「ビジネス」「社会経験」といった一群の言葉に警戒感というか、疎外感を覚える。
教員時代は自分が「ビジネスパーソン」だとは露ほども思わなかったし思う要素もなかった。
教育はビジネスではない。まあ自分が「教育者」であるとも思ってなかった。少しは思うべきだったのだが。
 
学校の外に出て働きはじめて6年目を迎えたが、この茶ぶどう、いまだに「ビジネス」「ビジネスパーソン」の何たるかが皆目わからぬ。

もくひょう? なにそれおいしいの?

この4月に初めて、「長・中期目標」を書かされた。親会社の制度がうちにも導入されたという。迷惑至極。
 
そのなんたらシート(※1)を前に、私はかぽーんと口を開けていた。
 
もくひょう、だと……? 仕事の??
「今年度の目標」はまだよかった。具体的な作業を挙げ、「迅速に」「正確に」なんて副詞を付しておけばよい。
問題は、「キャリアの中長期計画」であった。
 
きゃりあ。キャリア。career。「経歴・生涯・職業」……
ジーニアス英和大辞典によると、careerは車、carとつながる語。
「車の(競走)路」→「人生路」 とある。(現実逃避モード)
 
「あなたの人生行路の中長期計画を記載せよ」って言われてる?? 
まさかあ。でもそうなん?

茶ぶどうさんは考えた。少なくとも、ちょっとだけ考えるふりをした(何の意味があるのか)。
その結果、
「健康を保ち安定した勤務を続ける」
と出力がなされた。(※2)
 

「ビジネスパーソン」なんかなれないまま私は生きる

仕事が苦手である。
仕事のできる・できないは、学生時代までの成績とはほとんど関係がない気がする。
なんなら私はけっこう学業成績優秀であった。それがそのまま社会に出たときの収入の多寡につながるんなら、たぶん今の3倍は稼いでいるはずだ。
 
しかし茶ぶどうは仕事が苦手である。(しつこい)
仕事ってたぶん、「気がきくか・きかないか」「お客様目線でものを考えられるか」みたいな部分がものを言うんじゃないか。
「人の役に立つために努力できるか」。
「相手の立場に立って奉仕ができるか」。

 
教員をやめたのは、人間性を厳しく問われ続けるのが辛かったというのもある。
生徒のためならなんでもしてあげたい、と身を削るように仕事をされている先生方、体は(あと心も)つらくても、生徒の顔を見れば元気が出る、と言っていた先生方。
私は無理、ぱっと見自分の手に負えそうなことしかできない。しようとしない。
それだとダメだった。傍から見たらそこまでダメじゃなかったかもしれないけど自分が許せなくなった。
 
対人業務ど真ん中の教員をやめて、内勤の事務職として働いている。
人間性を厳しく問われなくなったので、すごーーく楽になった。
でも時々、「あ、やっぱり私は仕事できない」と思う。
 
「お客様は神様です」って時代じゃないけど、でもビジネスってやっぱ「40点を85点にできなくても、せめて60点にする努力を怠らない」ってことなのかなあ。
 
会社に入って働いている人のうち、どのくらいの人が「自分はビジネスパーソン」って思ってるんだろう。
私はたぶん一生思えないし、なりたい気もしない。
思えば、「この人みたいになりたい」って目標にする人が、いた覚えがない。自己満足しすぎである。
 
茶ぶどうが距離を感じる言葉の一つ。
「努力」
あと「成長」。(※3)
 

※1 思い出した。「チャレンジシート」だ。「挑戦」……これも今一つ素直に受け止められない言葉。「決められた作業をするだけでなくチャレンジができるか」もビジネスパーソンには大事な要素と思われるが、茶ぶどうの場合「挑戦」「冒険」は遊びの場面に限られる。仕事では淡々と、任された作業を早めに終わらせることだけを考えている。
 
※2 最近、これが簡単ではないことが発覚した。一時的な睡眠不足によるパフォーマンスの低下。何につけ悲観しがちな茶ぶどうは「このまま健康を失い、職も失い、人生が終わってしまうんだ」と涙に暮れたが、このしょうもない「中長期計画」をほぼ丸ごと受け入れてくれた上司のフォローにより再び眠れるようになった。
「健康を保ち安定した勤務を続け」たいと切に願うものである。
 
※3 小学生のころ、「モットー」という言葉を知った茶ぶどうが設定した人生のモットーは、「無理をしない」であった。「努力」「成長」はいつのまにかしてるかも?くらいがいいと思ってる。
 
 (サムネイル画像は天使のすずちゃん)
 
 

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