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stand.fmにハマってます。使い方・Tipsや音声メディア・ラジオや音声SNSアプリの可能性について

3月から、これまでのブログで情報発信をする代わりに、YouTubeでノーカット無編集トークという体裁でYouTuber TIMというのをやってみようと考えていたところ、話し方とかトークの練習をしたほうがよいのではと思い立ち、stand.fmを見つけました。

**自分の音声に冷静に向き合うということは案外勇気のいることです。そうした訓練は「文章がかける能力」「自撮りを加工して美しく見せる技術」とならんで、これからの時代重要なスキルになると思います。 **

こんなことを最近よく考えるわけですが、ペンの力、顔の力、声の力が三種の神器になる時代がやってきます。

トーク練習しようと思い立ったきっかけは上記のことでしたが、そのために始めたstand.fmに逆にハマってしまいました。

4月8日時点で29本ほどコンテンツがあります。よければどうぞ。stand.fmアプリをインストールしてフォローいただけると助かります!ネットサービスの話から、事業やサービスの作り方、その他多岐にわたった話です。

追伸:
網羅的に纏まっている記事を発見しました。ビジネスの観点からだとこの記事がおすすめなので紹介します。海外では、音声ディバイスの発展側の文脈で進化しようとしているところが重要な点かなと思っていて、スマホからの視聴のみで急拡大しようとしている日本国内とはだいぶ違う感じかなあ、と。

半月ほど、気がむくままにコンテンツの発信をしてみて、「気がついたこと、面白さのポイント」「今後の可能性」「収益モデル」などなど自分の頭の整理も兼ねて分析記事を書いてみたいと思います。

運営している方は元MERYの創業者の方で、私はこの世代の起業家の方々との接点がどういうわけかあまりなく深く存じ上げません。インサイダーの人ではありません。だからこそ外野から書いてみました。

1.気がついたこと、面白さのポイント

まず名前が素晴らしいです。

「.fm」というドメインはよく知っていますが、ドメイン名自体を前面に出してネーミングに使えているのが新たな発見です。

podcastってどこかギークっぽくて普通の人にとっては遠い存在なのですが、スタンドエフエムやってます、って言うと

「えー、FM?」
「ラジオで発信ってなんか斬新!」

のようなポジティブなイメージしか返ってきません。

そこで知人に教えるときは最近は「ラジオはじめました」「FMはじめました」と言うようにしています。ギークっぽい感じはやっぱなかなか広がりにくい部分をネーミングでうまくカバーできているのは俊逸だなあと思います。

他のネットラジオ、podcast、ライブチャットっぽい音声サービスでFMという言葉の響きに着目したサービスはあまりなかったと思うので、この部分だけで他社に大きくアドバンテージがとれているのではないかと思います。

続けて興味を引いたのは配信はアプリからしかできなくしている部分です。これは初期のメルカリが徹底していた戦略に近く興味深いです。

海外のspotifyが買収したanchorや中華系ヒマラヤとは一線を画している感が興味深いです。(anchorもドメインはanchor.fmとなっていますね)

さてさて、話を戻して、アプリ上で録音したデータのみを配信可能にすることで、

1.podcastとは全く違う母集団の人たちの配信を狙う
2.今まで配信してきたpodcastのコンテンツの二次配信をふせぎオリジナリティあるコンテンツの配信を促す
3.著作権法的にグレーな使い方をさせにくくする
4.とはいえスマホだけで簡単に発信できるので隙間時間等でこれまで躊躇していた発信数を増やさせる。

など様々な目的があるのだと想定されます。このあたりはある程度サービスのグローズが見えてきたタイミングで戦略を変えてくると思うので注目です。(現状だと意図的かもしれませんが、凝ったコンテンツの配信がしずらい傾向にある)

さらにstand.fmの興味深い機能に「レター機能」があります。これはtwitter上で匿名のQ&Aサービスが定期的にバズっている機能をそのまま音声版のコンテンツとして新たに移植したような機能となっています。

匿名でリスナーから「レター」という名の質問が届いて、それを声で返答、twitterで拡散できる仕組みになっています。

ただ返信する形で収録したコンテンツは、twitter側でシェアされたもの以外はレターの返信のコンテンツであるとは一見すると気がつかないようになっています。正確に言うとSNS拡散用のみで利用されるリッチスニペット用の画像が生成されるのです。これが意図的なのかはちょっと不明。

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自分はひとり言のためだけの用途で使っていたので、特にfacebookとかでは一切お知らせはしていないのですが、最近レターが届くようになりました。返信してみたらなかなか楽しい機能でした。(いわゆるYouTubeにおけるヘルプ動画的なもので、ネタがないときなどちょっとした時に便利なコンテンツ生成機能だと思います)

2.Stand.fmを使いこなしていく上でのTips

まず、ほとんどのリスナーは、たまたま放送を聞くだけで、チャンネルをわざわざ登録してくれません。これはYouTubeでチャンネル登録してくれない構造とよく似ているように思います。

ブログやSNSとは異なり、音声系・動画系コンテンツは受動的にコンテンツを楽しんでいるため、なかなか踏み込んでチャンネル登録して次の放送を聞こうという形になってもらうためには様々な工夫が必要なのです。しかもstand.fmの場合フォローしてもらうためにはアプリ側から聞いてもらう必要があります。(アプリのインストールという壁が存在する)

一方で、Webでそのまま聞けるようになってしまっていると、ますます新作のコンテンツの告知をSNS側からたどり着くweb面で毎回単に放送を聞くだけになってしまい、なかなかチャンネル登録までたどり着くことは難しいかもしれません。

まあとはいえ、放送内容は積極的にSNS等で本来は拡散していくというのが音声メディア的なサービスの告知の仕方なのかなと思います。その上でたくさんの音声コンテンツを貯めていく場。すごく熱量の高いユーザーが少しずつアプリ側から聞きにいくようになる、息を長くしてやるもの、という理解をする。

Spotify系のpodcastでは、twitterで紹介すると、twitterのタイムライン内でそのまま再生が始まるのでそういう使い方ができると、sns側の告知をもっと積極的に使おうという流れになるでしょうがこれにはstand.fm側なのか、twitter側なのか実装を待つ必要がありそうです。

またタイトル名の先頭に私は「#1 はじめまして」のような形で、コンテンツの番号を記載するようにしているのですが、このような形をとっている方はそれなりにいらっしゃいます。

これは、複数のコンテンツが配信されているのだということを意識させ少しでもチャンネル全体構成に興味を持たせチャンネル登録の促進、あるいは複数のコンテンツの回遊につなげたりするのはある程度効果があるのでしょう。

あとは放送内で都度しつこく告知していくことはきっと必要なのかなと思います。stand.fmの場合アプリ経由でないとチャンネル登録できないので、アプリならではの機能(liveと呼ばれる生放送コンテンツ)などを取り入れることでアプリ側にリスナーを誘導でき、チャンネル登録数が増やせるのかもしれません。

最近stand.fmのメインメニューの構成がかわり、コンテンツの配信時にカテゴリを登録すると、少しずつ紹介されやすくなったのかなと思います。

それと、私の場合どういうわけか3月の上旬に一時的にビジネスカテゴリのおすすめチャンネルとして紹介されていたことがありました。その制度は少し変わってしまったようですが、今日でもピックアップ的なフラグがつくとメインメニューて優先的に表示されるようです。ピックアップ的な要素は手動で行われているようで選定基準はよくわからないですね。

LIVEコンテンツは自分の利用用途とは違うので、ゲストが登場するなどして使う機会がでできたら、いろいろ見てみたいと思います。

最後に。声だけのコンテンツなので、とはいえ声がモノを言う世界です。

モノマネとか歌がうまいなどの特技を持つか、可愛い・ダンディーな声質をもつ人は羨ましいですねぇ。このあたりはyoutubeでも似ていますが、文章の書き方や旧来のネットの世界におけるコミュニケーションの作法とは全く違う世界、「はなしことば」の世界の様々なテクニックが必要です。

テレビやラジオに出演し、演じることが日常的に有名人がyoutubeでの発信はやはりプロです。そういったトレーニングというか演じていくための「テンション」を高めていく工夫は様々な形で必要になるでしょう。

そういう意味で私が自分なりにテンションを上げ、声質を少しでも心地よくするために行っているのは専用マイクを使うようにしたことでした

stand.fmはスマホからしか録音的ないので、そのまま録音すると通話用のマイクになってしまいアナログっぽい音質になります。

これを外付けマイクをつけることでステレオで少しでも聴きごごちのよい音質にすることができます。amazonで様々なマイクが販売されているので探してみると良いでしょう。

自分はiphoneから録音していますが上記のマイクを買いました。

3.収益モデルと今後の可能性

現状stand.fmで発信する人の目的は、おそらくそれ自体での収益化を目指して行っている人は皆無でしょう。音声コンテンツの収益化の手法はまだまだ黎明期であるためです。

ただ他のpodcastと違って、stand.fmはlive放送時に投げ銭的な仕組みを受け取ることができるようになっているということでマメタイズの要素を用意している部分が多少個性的です。ただすべての人がlive放送を当たり前に行うということでもないと思うし、Liveコンテンツの機能的なものとしてとりあえず用意してある位置付けだと思われます。どっちみち今後何らかのマネタイズ手法が求められると思います。

ここにきて、音声プラットフォームとして圧倒的なalexaなどが、音声広告プラットフォームを整備してれたりする神風が吹けば、そうした広告コンテンツを配信できるようにすることで(あくまで提携できればですが)、この領域にたくさんの人たちが趣味の延長線上を超えて参入する人が出てきるかもしれません。

Youtubeが違法アップロードの世界とホームビデオの世界から、飛躍していったのは、googleが買収後広告を配信できるようにして、その広告収入を動画アップ者が得られるようにした仕組みがあったからこそだったと思います。

podcastで先行する、spotifyはサブスクモデルとして先行しており、プラットフォーマーが積極的に広告的なアプローチで収益化プログラムを出しているとは思いにくいのですが、stand.fmの事業としての方向性は、CGM的に多様な音声コンテンツがアップされる世界を目指し、広告モデル+投げ銭的な収益モデルを提供しようとしているのか、有料音声コンテンツの販売の手数料販売を通じたコンテンツで収益をえようとしているのかどちらの方向なのですかね?(後者だと0990時代に流行った有料コンテンツを用意したり、note的な高付加価値型コンテンツへの課金などが考えられるかと)

またラジオの広告モデルはなかなか俊逸です。たとえばニコニコ動画も導入している時報広告。あれは、その昔プロ野球ゲームのマーケティングをしていたときに、試験的に行ったことがあるのですが、多少は効果があったのをよく覚えています。テレビ放送がNHKを皮切りにネット側に入るはるか前からラジコは展開されていて、そうした世界向けの広告コンテンツを導入できると面白いかもしれません。

4.最後に

2年ほど前に最初にVoicyがはやった時期がありそのときに3ヶ月ほど熱心に聞いた時期がありましたが途中でやめてしまいました。なんかブロガー同士の内輪ネタっぽい感じとコンテンツの広がりを感じなかったためです。趣味で配信している人が少なすぎてつまらなかった。

久々に見てみましたが、Voicyは多様なpodcastのコンテンツが配信されているサービスというよりは、ニュースなど特定のニーズに絞ったpodcastが移動中に聞けるという切り口で地道にユーザーを増やしているようです。(ニュースを知る場としてのpodcastは自分はあまり価値を感じないです。スマニューやヤフーを見ていたほうが情報の網羅感、前後の関係性がわかるので価値が高い)

Voicyはその当時でも配信者が審査制になっていて多様性をあまり感じられず、コンテンツを絞ることで、コンテンツの質・配信数を維持してきたように思うので、それがあるがために、広告配信などもできているという事情があったように思います。(収益化を近くにおきながら小さなユニットエコノミクスを維持しつつ地道に展開していく感じ)DL数も声で聞けるニュースアプリ、みたいなトーンでとっているような気がするので桁違いに多いはず。

一方でstand.fmは「音声配信プラットフォーム」と題うっているように、そこの裾路の広さと、細かい部分はとにかく無視していったん新しいブルーオーシャンをとりに行こうとしている感はあります。利用用途の裾野はあえて、広く審査も特にない。それはそれで、収益化の仕組みをどうやって入れていくかなど考えないといけないなど、課題は多数あります。

もっとも、リスナーとしてチャンネル登録させるときに、アプリ登録させる仕組みになってアプリ側は熱量が高いユーザーだけが流れている仕組みになっているのでアプリグロース施策としては成功していると思います。

あとは配信者が飽きないような施策をどう提供していくか次第でしょう。

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いずれにしても、stand.fmはステルス的にインフルエンサーを中心に丁寧に発信者のコミュニティを育ててきた印象があるので、ここから先の飛躍が楽しみなサービスですね。期待しています。

音声onlyメディアは作る側のコストが最初のハードルを超えて慣れてくると、飛躍的に楽になっていくので、新しいパラダイムが生み出されそうな予感はあります。これまで文字としては価値を見出せなかったようなコンテンツや伝えられることが出でくる、みたいな感じです。

価値がないものに価値を見出すっていいですよね。また文字だけだとなかなか大局観とか、考え方とかがすっと入ってこなかったりしたものが、はいってくる。動画でもよいのですが、結局声の情報のほうが入ってくる気がする。

とはいえ逆に、一見すると声の情報はリュアンス含めて多様な情報量が入ってきそうでインプット量は多めに感じるかもしれませんけど、実は音声メディアで伝えられたこと自体の言葉の情報量は少なめ。インプット元として使うのは使い方が重要になってきそうです。

また、下記の記事も書きました。こちらは1ヶ月ほど使い尽くして見えたことをまとめています。

また、stand.fmでやっていたことをいよいよ顔つきでYouTube側でも始めました。表情と文字がついた音声コンテンツは不特定多数の人に伝えるにはやはり便利です。もしよければみてみてください。チャンネル登録もよろしくです。

このあたりの試行錯誤をしているマガジンもありますのでよければこちらもみてみてください。


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