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コロナの件で保健所から電話がかかってPCR検査を受け自宅隔離生活になった話

コロナに感染した人が身近にいなかった自分にとって、それは唐突だった。

8/5の昼すぎに、14時からの打ち合わせに参加するために東京メトロ日比谷線の日比谷駅の改札に入ろうとしたところ一通のメッセージが届く。

「さとうさん、いま電話できますか?」

なんのことだろうと思ったが嫌な予感がした。というのもメッセージの主はその週の月曜から微熱があり自宅待機していた自分の部下だったのだ。

彼は、もともと少しでも熱が出るとインフルエンザの可能性があるので、ということで休んでしまうようなタイプ。

周りに気を使いすぎなのか、ビビリなのか、仮病なのか、自分より15才以上歳の離れた若者で、彼の管理監督者である自分的には、多少気になることもあるけれど、まあいい大人なんだし必要以上に詮索することはしなかった。

「咳も出るので今日さすがに病院に行ってきます」

という朝の連絡があってからのメッセージだったので、これは何かあったな、と感じざろうをえなかった。すぐさま彼に電話すると開口一番に

「めんどくさいことなりました。すいません」

と彼が一言。

あー、これはコロナじゃないか。。。困ったなぁ、ということに。

話を聞くと、病院で肺のレントゲン写真を取ったところ像があり、その後の病院の対応が急に変わり、PCR検査を受けさせられ、その日の夕方には結果が判明するとのこと。

単に風邪が長引いて念のためPCR検査をうけます、のとはわけが違う。レントゲンに像が出た、病院の対応が変化した、特急でPCR検査を受けているということなのだ。

これらのことから、90%彼がコロナに感染しているということ。そして実際微熱が続いたり咳が出ているので、無症状ではないということを覚悟した。

その打ち合わせは駅の外で打ち合わせ場所には行かずにzoomで参加し、急いで自宅に戻った。

戻る道で自分は間違いなく濃厚接触者なので、感染しているかもしれない、人に移してしまうかもしれないと思うと、マスクはしていたが、家への帰り道周りにお年寄りの人はいないか、お年寄りの人と接する人がいないか、気にしすぎてとても不安な気分になった。

TVメディアではコロナは絶賛大騒ぎだが、ネット界隈の自分のまわりのクラスターでは(比較的若い経営者・起業家というボジショントークもあると思うけれど)「コロナは老人や基礎疾患を抱えている人にしか問題にならない」「コロナは大騒ぎしすぎ」「重傷者はそんなに増えていない」と声高に言う人はとても多い。自分がいざうつす側なって、それを声高に言えるものなのか、一回確かめてみたいものである


彼が感染していたら多分彼の管轄保健所経由でPCR検査を受けることになると思うけど、それは彼の検査結果がでる今晩以降なので明日以降になってしまう。それまでの間家族やまわりの人間を不安にさせるわけにはいかないので自分でも探そうと思い立った。

連絡をもらった時点で彼とは4日以上接触していないが、微熱が出る3日ぐらい前に会社で一緒に仕事をしていたし、濃厚接触者であることは間違いないわけで、彼のPCR検査が陰性であるかどうかに関わらず自分で一刻も早くPCR検査をうけるべきだと思ったのだ。

会社にも連絡し、即座にPCR検査が受けられる病院を探してもらうことにしたところ、自宅の近くにある病院ですぐにうけられるところがあることが判明。17時少し前に電話がつながり事情を話すと、

「症状が出ていないので自費25000円になりますがよいでしょうか?」

と言われそのまま2時間後に検査を受けに行ってきた。病院に受けに行く自転車に乗りながら、部下から電話で陽性の連絡があった。

病院では他の患者とは完全に隔離され、衛生面に気を使いながらの唾液採取型のPCR検査を受けた。

検査を受ける前に覚書と様々な書類にサインさせられた。(サインは極力事前にしてくるように言われた、感染を防ぐためだろう)またその書類を病院の先生がPCR検査をする直前に読み上げてくれた。

・PCR検査で要請が出たら当院は保健所に通知する義務がある
・仮に
陽性だと判断されると(偽陽性だろうと)法律で定められた伝染病なので、理由の有無を問わず法律によって行動が制限される

みたいな部分の注意事項が中心だった。

また25000円の支払いは極力クレジットカードにしてほしいとも言われた。病院としても、院内感染の原因を作ってしまえば倒産の危機なので必死なのだろう。あと決済するときに

「領収書はいりますか?個人宛ですか?会社宛ですか?」

と聞かれた。

自主的にうけるので自己負担と思いきや会社に聞いてみると経費で出してくだいとのこと。PCR検査は、医療費で確定申告の時にも使えるしどっちでもいいやと思ったのだが、会社で出してくれることになった。後日会社の領収書を買いてくれと言われる問い合わせも多いのだろう。

さてさて、翌日病院が休みだったのもあるが、結局結果が出たのは次の次の日の朝だった。結果は陰性。

PCR検査を受けた日の夜、保健所の女性の方から電話がかかってきた。自分は中央区に住んでいるのに、世田谷保健所からだった。保健所の管轄では濃厚接触者の管理は感染者居住地の管轄が行うことになっているらしく、自分がコロナ要請になると、管轄が移動すると丁寧に説明してくれた。

これから毎日健康確認の電話がかかってくるらしい、濃厚接触者なのでしばらくの期間外出はせず、家庭内でも極力接触しないように、と言われた。(ただ陰性とわかってから電話がかかってくることはなかった)

ややきつめに言われたので、PCR検査が陰性でもそうなのかと問いただすと、自分は濃厚接触者なのでそうしてほしいと言われた。

お風呂は最後に入り、トイレもできればわけてほしいと言われてしまう始末。

我が家は、嫁が春先に「コロナの感染が蔓延したときに家庭内隔離時に使うであろう簡易トイレが売り切れる可能性がある」と言い出して3月にまとめて買ってあったものがあった。自分の五畳の仕事部屋に布団を敷き、簡易トイレも設置して、閉じこもり生活がスタートした。

ようやく梅雨明けして、これから山の日をはさんで連休だというのにこれはなかなかひどい仕打ちである。

とはいえこれは何かの機会なのではないかと思ったのも事実だ。

コロナ騒動になったからというもの、普段リビングのテレビは息子たちのswitch・youtube用に事実上占領され、最近はまともに映画やドラマも見られない。

息子たちをさておいて一人タブレットで映画をみていようものなら、子供をほったらかしにしているという嫁からの視線が気になる自分にとっては久々にいい機会なのではと思い始めた。読めていない本もたくさん溜まっていたし。

早速現在映画公開中のコンフィデンスマンJPをかたっぱしから見たり、スターウォーズを全部見たりとまあなかなか楽しい。2015年にもう一度起業して以降テレビドラマは最近ほとんど見ていないけれど、やはり見なきゃダメだなと思う。時代時代の描写がそれぞれにあるので、いろいろなことを感じさせる。

しかし五畳の部屋にずっと閉じこもるのはなかなか大変だ。簡易トイレの匂いも気になる。

気分転換に全員が寝静まった夜に一人近所を散歩に出かけることにした。近所のバーとか焼き鳥屋に入りたいなあと思いながらも我慢しなければならない。

考えてみれば、自分は結婚して家族もいるので、コロナ禍になって在宅で働くことになったときに「ストレスを感じる」「孤独感を感じる」ということが全くなかった。

広めのリビングに、眺めの良いバルコニー、近所には隅田川テラスという周りがひらけた場所があり、在宅勤務になって、家族との結びつきが増え、昨年秋に精神的に自分を追い詰めてしまった自分の心のケアにも繋がり、幸福度は高まったのではないかと思っていた。

今回家庭内隔離という状態となり、自分の仕事部屋からトイレすら出られない、リビングに行けない、という形となり、一人暮らしの若手の社員が自宅に籠もって仕事をしている立場に近い形となり、はじめて「在宅のストレス」とやらを感じることができた。

些細なオンライン上のやりとりに不安になったり、もやもやしたりすることが増えた。株価の乱高下もイライラの一員だ。こんなときは、映画を見るか寝るしかない。ということで体重が太っていくのを日に日に感じるようになった。

そこで次に打った手はサプリメントとEMSだった。

トリプトファンを買い、SIX PADをメルカリで購入し、眠くなりがちな午前中は、SIX PADをお腹に巻きながら仕事をしたり、ネットで物書きをしたりするようにしている。

そこなこんなで自宅待機期間も、あと少しで終わろうとしている。もうこんな時期はこないのだから、自分と向き合う時間にしなければ、と思う。



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