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新型コロナウイルスで分かった死への考え方

2019年12月に初めて確認され、世界中で感染者を出している新型コロナウイルス。日本でも2020年4月に緊急事態宣言が発令された。我々が生まれて生きてきた中でこのような事態は初めてだが、人類にとって伝染病との闘いはこれが初めてではない。人類はこれまで様々な伝染病と戦ってきた。天然痘や梅毒、SARSなど上げればきりがない。だがすべての病気に勝利してきたわけではない。ここでは唯一人類が撲滅してきた天然痘と、新型コロナウイルス(COVID‐19)に似ているサーズを紹介する。

天然痘

先ほど述べた人類が唯一撲滅したウイルスが天然痘だ。天然痘の症状は、高熱が出て嚢胞ができ、最悪の場合は死に至る。死なない場合でも嚢胞の傷痕は一生残るという恐ろしい病気だ。

天然痘の正確な起源は不明であるが、古代エジプトでも発見されていたという記録が残っている。日本では6世紀の半ばに初めて感染が確認された。ちなみに北海道には江戸時代に梅毒、結核などとともに伝播した。

そんな天然痘から人類を救ったのがイギリスの医師エドワードジェンナーだ。彼は種痘という方法を用いて天然痘から人類を救った。種痘とは敢てウイルスを体にいれて免疫をつける方法だ。一度天然痘にかかれば体に免疫がつくので二度とかかる事はない。

その後、1975年にバングラデシュの3歳の女の子が天然痘にかかったのを最後に感染は確認されない。1980年にWHOは根絶宣言をして、天然痘を撲滅した。

SARS (重症急性呼吸器症候群)

新型コロナウイルスとよく聞くがそもそも旧型コロナウイルスを知っているだろうか。これまで人に感染するコロナウイルスは6種類あった。新型コロナウイルス(COVID‐19)が確認され7種類となった。その中の一つにSARSといわれるものがある。

SARSの感染が初めて確認されたのが2002年11月である。中国の広東省に住む若い男性であった。それから世界中で約8000人の感染者を出した。感染源はコウモリである。そこから咳やくしゃみなどの飛沫によって広がるとされているが完全には解明されていない。

SARSは、日本では感染が確認されなかった。なぜかというと、建物に入る際に靴を脱いだり、箸を使う、あまりハグやキスをしないといった文化がある為だといわれていた。

そんな中、2003年6月頃急に感染者がみられなくなる。WHOは同年7月に終息を宣言したのだった。

新型コロナウイルス(COVID‐19)教えてくれた事

このようにかつて人類はさまざまな感染症と闘ってきた。現代ほど医療技術が発達しても新種のウイルスを撲滅するのは容易ではない。行動が制限されながら日々闘っている。

2020年11月現在、これから冬を迎える北半球では更なるパンデミックが予想されている。そのため第一波を大きく超える感染者がでることは間違いない。致死率はそれほど高くはないが多くの人が怯えている事実は疑いようがない。

本来、生と死は表裏一体である。だが医療が発達した現代に生きる人々は死ぬことに一線を置いているような気がしてならない。人類はいつの間にか(死)ということを遠ざけてしまった。その遠ざけた結果がこのパンデミックである。

新型コロナウイルス(COVID‐19)が私たちは生きているということに気づかせてくれた。





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