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2023年1月新刊|『日月十譚』

新年を迎えました。皆さんはどんな風にお正月を過ごしましたか? 
いつもよりも豪勢な食卓を囲んだり、新しい履物をおろしたり、ハレの日には特別な空気が漂っている気がします。私は人様には言えない程に怠惰な生活を送りましたが。
そうこうしていたら、あっという間にいつもの日常が戻る。ハレとケを行ったり来たりするのが生活であり人生ですね…。え、何の話でしたっけ。


昨日発売の新刊『日月十譚』は、当たり前に過ぎていく日常(=日月)の一端をちいさな物語としてまとめたアンソロジーです。
この企画を呼びかけたのは世界中にファンをもつイラストレーター、マテウシュ・ウルバノヴィチさん。

僕は、日本人の漫画家と、日本文化に基づいたストーリーやインスピレーションを持つ作品をつくっているコミック・アーティストに招待メールを送りました。

『日月十譚』おわりにより

そして、この素敵な呼びかけに集ったのは、国内外で活躍するクリエイターたち。描かれる日常の物語は、決してほのぼのとしたお話だけではありません。それぞれのアーティストの豊かな想像力と静かなエネルギーに満ちていて、読み応えは請け負います!

10の作品の中面を少しだけご紹介。

『クロマツ』スケラッコ

スケラッコ Sukeracko
漫画家。名古屋生まれ、京都在住。2016年『盆の国』(リイド社)で単行本デビュー。同作品で「THE BEST MANGA 2017 このマンガを読め!」1位を受賞。その他、『大きい犬』『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』(リイド社)、『バー・オクトパス』(竹書房)、『みゃーこ湯のトタンくん』(ミシマ社)などがある。
Twitter:https://twitter.com/sukeracko


『理想の家』ケン・ニイムラ

ケン・ニイムラ Ken Niimura
漫画家、イラストレーター。2014年『ヘンシン』、2018年『Umami』(アイズナー賞最優秀デジタルコミック賞を受賞)、2021年『Never Open It』、2022年『Peni Parker: After School』を発表。2012年にジョー・ケリーの脚本で共同制作した『I Kill Giants』は国際漫画賞を受賞、2019年にゾーイ・サルダナ主演で映画化された。
Twitter:https://mobile.twitter.com/ken_niimura



『すぐそばにある』朴ノ木二郎

朴ノ木二郎 Jiro Honoki
2019年『火と煙とアクビ』(トーチweb)でデビュー。SFやファンタジックな世界、人間味のあるキャラクターを描く。素晴らしいアクションも魅力。
Twitter:https://twitter.com/jiro_honoki



『東京グルメ猫』ヘイカラ

ヘイカラ Heikala
フィンランド、オウル出身。東京を拠点に活動するイラストレーター。イラストのスタイルは、フィンランドの児童書の挿絵、日本のアニメーション、日本での旅から影響を受けている。
Twitter:https://twitter.com/heikala_art?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor



『川』ひうち棚


ひうち棚 Hiuchi Tana
1980年生まれ。愛知県在住。2020年『夏休み』(月刊コミックビーム)でデビュー。著書に『急がなくてもよいことを』(KADOKAWA)がある。家族や過去の自分、情景をじっくりと眺めるような作品は、読み手を温かくも鋭角に思い出へと誘う。
Twitter:https://twitter.com/hiuchitana



『エノシマ2202』リネア・スターテ

リネア・スターテ Linnea Sterte
スウェーデン、ルーレオー出身。ペンを持てるようになった頃から絵を描きはじめる。デビュー作『Stages of Rot』は、2018年に「アイズナー賞」のベスト・グラフィック・アルバムにノミネートされ、同年MoCCA芸術祭の優秀賞を受賞。



『おわりの灯台』ウルバノヴィチ香苗

ウルバノヴィチ香苗 Kana Urbanowicz
漫画、イラストレーション、アニメーションなどを手掛けるクリエイター。「コミック乱」とトーチwebにて、江戸時代の市井の暮らしを描く漫画『まめで四角でやわらかで』を連載中。主な著書に、好奇心旺盛なたぬきが日常のはてなを紐解く漫画『ぽんこさんの暮らしのはてな?』(ミシマ社)がある。
Twitter:https://twitter.com/kanapeco



『夜行列車』アトリエ・セントー

アトリエ・セントー Atelier Sentô
セシル・ブランとオリヴィエ・ピシャールによるフランスのクリエイターデュオ。主な作品に漫画『鬼火』『Festival of Shadows』、ゲーム「The Coral Cave」「The Doll Shop」がある。



『未来の博物史』もぷ子

もぷ子 Mopuko
京都精華大学卒。別名義にて「第68回小学館新人コミック大賞」青年部門入選。「月刊COMICリュウ第12回龍神賞」銅龍賞受賞、同誌・登龍門にて読み切り掲載。総合マンガ誌「キッチュ」にて読み切り複数掲載。
Twitter:https://twitter.com/mopuing



『月はうどん味』マテウシュ・ウルバノヴィチ

マテウシュ・ウルバノヴィチ Mateusz Urbanowicz
ポーランド出身。アニメ製作会社コミックス・ウェーブ・フィルム入社後、アニメ映画『君の名は。』など数々の作品で背景美術を手がける。2017年に独立し、『東京店構え』『東京夜行』(エムディエヌコーポレーション)などの作品集を刊行しロングセラーになるなど、世界中に多くのファンを持つ注目のイラストレーター。
Twitter:https://twitter.com/gommatt


10の短編漫画の中に、あなたにとって宝物みたいなコマが見つかるはず。それを大切に抱きしめて、ハレの日もケの日もより良く生きていきたいものですね。

お正月明けの週末、ゆるりと読むのにぴったりな1冊です。気になった方はお近くの書店様で是非お買い求めください。



■編集担当 浅見より
「日本を舞台とした短編漫画集をずっと作りたかった」というウルバノヴィチさん。2021年、自ら11人(10組)のアーティストに直接声掛けして、電子書籍(英語版)制作を自主的にスタート。本書『日月十譚』はその日本語版となります。収録漫画はもちろん(私はスケラッコさん推しです!)、使用ツールの解説やメイキングスケッチのページも必見です。

『日月十譚』

■書誌情報
発売日:2023/1/6

著者:マテウシュ・ウルバノヴィチ、スケラッコ、ケン・ニイムラ、
朴ノ木二郎、ヘイカラ、ひうち棚、リネア・スターテ、
ウルバノヴィチ香苗、アトリエ・セントー、もぷ子

本体価格:1,400円(+税)
仕様:A5/並製/214ページ
ISBN:978-4-910352-47-3

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