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ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~

 先日、映画「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~」を観てきた。

 もう泣けて泣けて泣けて仕方なかった。泣きすぎて頭が痛くなってきて、しばらくの間
何も出来なくなるぐらい泣いた。

 たまたま平日の休みがパートナーと合ったので、朝一で彼と一緒に観に行った。
 すごくローカルな映画館に行ったので、「人いんのかな……」とちょっと思ってたら、ご年配の方がめちゃくちゃいらっしゃって、今みんなに必要とされているテーマなんだと実感したよ。

 ちなみに、他には「すずめの戸締まり」や「耳をすませば」がやっていて、スクリーン会場に入った時にすれ違ったスタッフに「ここで合ってますか」という感じの顔をされた。
 俺は間違ってなんかない。「ぼけますから、よろしくお願いします」を観に来たんだって伝えたい。

 それで内容なんだけど、物語があって、メッセージを強く訴えてるという感じではなく、ドキュメンタリーなので、日常の中の、名前のない瞬間を撮影して、それぞれ観た人の人生を思い出させてくれるような映画だった。

 後ろの方も鼻をすすりまくっているし、隣のオッチャンも目を押さえているし、俺ももちろん排水口のように泣いてるし、こんなに涙人間達に挟まれてパートナーってどう思ってたんだろう。オセロだったら完全に裏返されているところだ。

 まず、監督が実の娘さんというのがあって、本当に日常に対して誠実な撮影をされていて、心を打った。
 それからお父さんが病院で、お母さんに向かって一緒にいてくれてありがとうと伝えるところはどんな作り込められた場面よりも胸を揺さぶった。

 たくさん感じたことはあるけれど、言葉にするとどうしても伝えられない。そしてだから人生は生きる意味があるんだって思う。

 生きていく中で目的や理由を探してしまう日もあるけれど、心のデータベースがあるならば、生きることそのものがギフトなんだったってことを、どこかでこっそりとしまっておきたい。

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