見出し画像

女子W杯スペイン日本戦について、欧州の新聞のコメント欄で補助線を引く


スペイン代表監督の問題

スペイン代表監督のホルヘ・ビルダだが、父親のアンヘル・ビルダの跡継ぎに近い形でU女子代表の監督に就任している。U代表監督時代にはそこそこの成果をあげ年間最優秀女子監督の候補にもなっているが、A代表の監督になってからは評判が悪く、レギュラー陣と控えの露骨な扱いの違いやトレーニング方針に対する不満から2022年に選手から造反されるなど、選手・ファンそれぞれから支持が低い。縁故人事という経緯や、自身が協会の技術委員(director técnico)を兼任していて監督人事権を自分で持っているためクビにならないことで、協会の体質が批判されている。

(原文:As a Spaniard, this was sad but a long time coming. 以下)
スペイン人として、悲しいが長い間待ち望んでいたことだった。ビルダ監督の戦術的指導者としての無能ぶりは(上司としては言うまでもないが)何年も前から露呈している。スペインがまともに組織されたディフェンスを持つチームと対戦するプランBはない。ルイス・エンリケの功績(ユーロ準決勝+2度のネーションズリーグ決勝進出、チームの刷新に成功)にもかかわらず、誰もがルイス・エンリケを批判したのなら、少なくともビルダも同じ運命をたどるはずだ。しかし、どうやらそうではないようだ......。

Futboluberall on Guardian

ビルダはプランBを持っていない。スペインにはもっといい監督がふさわしい。元協会幹部の息子の縁故人事ではなく。

Poderdelavara (#615) on Marca

ゲームプランへの不満

また上の切り抜きに出てくる「プランBの欠如」はエンリケ時代からスペイン代表批判としてずっと言われているようで、この言い回し(plan B)はスペイン語でも一種の外来語として英単語のまま使われていた。

ポゼッションを高めるが同格以上の相手には全く点が取れない今のスタイルには不満が多く、上手く柔軟に戦ってほしいという意見も多い。

私は大好きだ!まるで男子代表のプレーを見ているようだ。彼らはセンスも何もないプレーで、相手は2-0のゴールを決めるのに3タッチ以上は必要ない!

Txitxo (#52) on Marca

深みのない[訳注:ボールが前に進まない]タッチタッチ。このスタイルは時代遅れだ。ヴィルダ、あなたも。

Jordi_Huntado (#10) on Marca

チキチキタカと官僚主義に嫌気がさして、長い間サッカーを見ていなかった。今日、たまたまラジオでこの試合をやっていたので、しばらく聴いてみようと思った。何もない。ポゼッションの悪魔はまだ私たちのサッカーを支配している。またしばらくサッカーを見ないだろう。

Hector Ruiz on AS

彼らはそれを楽しんだに違いない...…強豪を打ちのめすだけでなく、その国全体のサッカー哲学をからかいながら......。

Jjjiim on Guardian


日本は普通に褒められている

なお日本については、ゴール前にバスを止めて運良く勝った、などとは思われておらず、スペインのやり方に対して適切な対策を打ってプランを遂行したと見られている。さすがに4-0ともなれば「完璧にハマった」例として見るのが妥当だろう。スペインがコーナーキックを得点源としようとして、日本がそれを潰したというのは、The Guardianのコメントを見てなるほどと思った。

サッカーの試合で、戦術プランが、規律と技術、そしてお手本レベルのフィニッシュによってあれほど完璧に遂行されるのは珍しい。

lancaster43 on Guardian

日本の非常によく組織されたローブロック+ロープレスのコンビネーションを崩せなかったことは、特にスペインの選手プロフィールを計算に入れれば理解できる。[中略]
スペイン(あるいはバルサ)がよく組織された低いブロックに直面した場合、それを突破することに成功するかどうかは別として、通常、10~20本ほどのコーナーが与えられる。そして[略]コーナーからの得点を得意とする選手がいる。今日、スペインは3つのコーナーしか得られなかった。考えてみれば、日本がスペインのワイドエリア[訳注:サイド]でのスペースをうまく潰したためだ。
日本のxGとシュート後のxGの数字も知りたい[訳注:日本のxGは0.91、スペインのxGは0.74で、これは日本がラッキーパンチではなく戦術的にまともにシュートを打たせずに勝ったことを示す]。今日の彼らはお手本のようだったように思える。よくやった日本。

lalala433 on Guardian

あの試合は本当に楽しかった。日本は、ポゼッションをベースにしたハイプレスの試合の倒し方のマスタークラスを提供してくれた。

lanwad on Guardian

日本代表の素晴らしいプレーを特筆するのは当然だろう。ゲームに対する明確な考えを持ち、後方でよく組織化され、常に何をすべきかを理解し、すべてのボールを奪い合い、球際で戦っていた。そしてもちろん、カウンターでは決定的だった(4点目のゴールは特筆に値する)。 遥かに格上の日本代表は、チームの競争力と献身性のお手本を示し、スペインにわずかなチャンスも与えなかった。よくやった。

Kadruuul (#31) on Marca

強豪でも調子を落とせば、日本はゲームプラン通りに「順当勝ち」できるくらいには日本は力を持っていると思われており、まあ準強豪の仲間入りを果たしつつあると言うことだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?