見出し画像

再会⑥【メイの記憶】

そこに到着してから、いくらか時間が過ぎていたのか
窓の外に見えるしだれ桜は
来た時よりも
花が咲いていたように思えました。


また私は外をぼんやり眺めながら
ナツキとの時間を思い返していました。

ナツキが思いがけずスピリチュアルに理解がある人で

私のことを
否定は一切しなかったし

えー?!と拒否反応も無かった印象でした。


だいたい、私のこんな話を男の人にしても
聞いてもらえないか、呆れられちゃうか
聞き流されちゃうか
そのあたりです。

でもそのときのナツキは
今まで会ったことのある
どの男性とも違いました。


そのときに、少しづつ
ナツキが
私が探していたツインレイかもしれないと
思い始めていたように思います。

ただ、混乱してただけにに
ナツキがそうだと受け入れていいものかどうか
本当にそうなのかの確信はなくて


もし、たとえナツキがそうだとしたら
あまりにも
普通すぎやしないかと(笑)

それぐらい、私たちは自然な仲だったような気がしたからです。


何年も離れてはいたけれど
幼馴染のような、ご近所さんのような
何か物凄く自然体でいつも関わっていたのがナツキでした。


そして、ナツキがツインレイに
どこまで理解があるのかも
よくわからなかったし

もう一度話ができればいいのになぁ

と思いましたが、
ふと時計を見ると、もう駅に向かわなくてはいけない時間でした。


その場所は私が住んでいる町から
数時間かかりますし
子供にご飯を作らなくてはいけなかったからです。


ナツキの姿はまだ見えないので
私はスタッフさんに声をかけ、タクシーを呼んでもらい
帰る支度をしました。


しばらくすると、車の音がしました。


私はお会計を済ませ、お店の外に出ようと
準備をしたところ、


ナツキがお店の電話で話しながら奥から出てきました。

お客様からのご予約の電話だったようです。


忙しいようなので
もう帰るね、と目で合図をして
外に向かおうとするとき

そっとナツキが寄ってきて

私の腰に手をまわして
わたしの身体をそっとナツキの側に寄せてくれました。

その時間は一瞬だったのかもしれませんが


ものすごい安心感と
混乱と


小さな確信が
心の中に生まれた瞬間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?