見出し画像

おやつが好き

「和菓子のアン」の著者が書く、お菓子を題材にしたエッセイ。銀座百点という冊子に記載されていたもので、出てくるおやつは銀座のお店でいただけるものがずらり。

銀座には普段口にしない人でも知っている老舗の和菓子屋さんから、チョコレート専門店、明治の頃から洋菓子扱う店まで。さらに、イートインのお店もあれば百貨店にある地方のお菓子の取り扱いもの、アンテナショップとなんでもござれ状態。どれを取り上げるかより取り見取り。

巻頭から中盤まではそんなお店から20点を取り上げ、巻末に向けてはおかしにまつわるエッセイが並ぶ。

最後に載っているのはチョコレートを題材にしたお話。気になったのはページの上部にある章タイトルがチョコレート色で刷られているのだけれど、ページによって薄くなったり濃くなったり。さながらミルクチョコレートからダークチョコレートとさまざまな取り揃えのよう。巻の最初の方は同じ色合いなので、意図したものなのか、偶然なのか。

お菓子の好みはまさに人それぞれ。餡ひとつとってもつぶあん、こし餡、鶯餡、白餡と、餅に乗せるのか、最中に挟むのか、牛皮で包むのか口に入れた時の食感、香り、舌触りと工夫を凝らされているので、そこから選ぶのは楽しみなのか、決められない苦しみなのか。

銀座の食べ物を取り上げたエッセイで有名なのはなんといっても池波正太郎氏だと思う。今も取り上げられた味を楽しめるお店が残っているのも場所柄かと思う。いつか尋ねてみたいと思うが果たしていつになるやら。

銀座ではないが、御徒町うさぎ屋のどら焼き、恵比寿ひいらぎのたい焼き、いずれも美味しかった。和菓子だけの本ではなかったのに、書いていて今日は口が 餡子になってしまった。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな