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「コンセプトを勤勉に」2023 J1 第3節 ヴィッセル神戸 × ガンバ大阪 プレビュー

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直近の対戦成績と情報の整理

・過去5年はガンバ4勝、神戸5勝、1引分
・うち、Awayではガンバ2勝、神戸2勝、1引分

・過去はアウェイ優勢だったが近年はホーム優勢。
・過去10回の対戦のうち直前の試合からどちらのチームにも監督交代がなかった試合は2試合だけ。
 (2020.7.26 トルステン・フィンク - 宮本恒靖
  2021.2.27 三浦淳寛 - 宮本恒靖)
・ポヤトス監督は徳島時代に神戸に1敗(Away)。

予想スタメン

前節との変更予想

神戸:なし。

ガンバ:ディエゴがコンディション不良との報道あり(→江川?)
それ以外のポジションは大きな変動はないとみられるものの、IH、CFを中心に変更の可能性もあり。


展望

 神戸の直近2戦をざっくり見ました。神戸は2つのゲームで異なるオーガナイズを採用していました。福岡に対しては、井出をインサイドハーフに据えた4-3-3。札幌戦では、佐々木をサイドハーフに置く4-4-2。

 神戸の特徴をひとことでまとめるなら「けれん味のないチーム」。攻守で大きな可変を志向していません。福岡戦では4-3-3で攻め4-1-4-1で守る。札幌戦では4-4-2で守り4-4-2で攻める。ゲームプランも試合の中で大きく変わっている感じはしません。小細工をしなくても勝てるだけの選手の質が揃っているからこそ実現できる戦い方だと思います。

 そんなソリッドなチームの中で、比較的自由に動いているのは大迫。降りたり、ロングボールの蹴り先になったり、広範囲に動いてプラスワンになることを許されている感じ。


テーマ①:中央を使ってプレスを剥がせるか?

 先述した神戸の2つのオーガナイズについては、「ボールを持ちたい4-3-3」と「ボールを持たせたい4-4-2」という区別があると思います。そして、自分たちのやり方を相手に押し付けるというよりは、相手に合わせて自分たちの強みを出す、というのが見ていて感じた印象。恐らく「持ちたい」ガンバに対しては、「持たせる」4-4-2を選択してくるのではないかと。

 神戸は、ボールを持たせてサイドに追い込み、ショートカウンターからシュート。ボールを保持できればロングボールを素早く前に送り込み、敵陣でハイプレス開始、というサイクルを作りにきそう。印象としては、柏戦に近い内容になる気がしています。

 神戸のプレスに対してビルドアップで対応しようとした札幌は、中央を経由できずに外循環にされる→ロングボールを蹴らされるケースが多かった印象です。ビルドアップの際に中盤を空白にするデザインになっていそうな札幌と比べると、ガンバのほうがネタラヴィと宇佐美がいるだけ前を向ける余地はありそうです。前線の迫力はこれまでの相手以上にありますが、GKを絡めたビルドアップで、恐れずに+1を使って前進していきたい。


テーマ②:最終ラインにプレッシャーを与えられるか?

 神戸の強みはやはり大迫。後方からのボールの精度がそこまでじゃなくてもなんとか収めちゃってる印象です。彼がキープして、セカンドに潜り込む武藤、齊藤未月の勢いも脅威。柏戦ではCBのプレスが緩むと裏に走る細谷に蹴られてやられていました。今回は裏じゃなくて手前に落とされるハイボールの処理がテーマになりそうです。

 ハイボールの供給元として目立っていたのはガンバサポにはおなじみ左サイドバックの初瀬。両足使える強みを活かして、色々な体の確度からボールを供給することができていました。恐らく、ガンバ戦でもここは起点にしてくるんじゃないかなと。対面するのはアラーノや半田、ダワンといった面々。いかに勤勉にプレスを掛け、綺麗なロングボールを蹴らせずにいられるか、がポイントになりそう。

 

テーマ③:エリア内で攻守において優位を作れるか?

 ここ2戦、リードしていながらも追いつかれる試合が続いています。強引に突破されたりクリアミスが起きたり、自陣で我慢できていない状況は気になる。恐らく、チームのコンセプトを体現しようとする気持ちが先行して、デュエルの部分が疎かになっているのが現状なのではないかと。

 神戸はエリア内で質の高い仕事ができる選手が多いので、そうした相手に対してデュエルで強みを見せたい。ディエゴがコンディション不良で江川に先発のチャンスもあるので、DFラインの人選にも注目です。

 逆に相手のDFラインも急造CBが並んでることもあり強度は低めな印象。紙一重のシュートもちょこちょこ打たれている状況でした。チームのコンセプトにも慣れてきたところで、前節課題になった、「2点3点取る攻撃」を見せてほしいところ。


注目選手:宇佐美 貴史

 宇佐美といえば、神戸キラー。神戸キラーといえば、宇佐美。スコアポイントで活躍してほしいのはもちろんですが、次節についてはロングボールを蹴らせない相手DFラインへのプレッシングをどうこなすかも注目です。初勝利を届けてくれるゴールを期待します!


参考サイト

・Soccer D.B. : サッカー・出場記録データベースサイト
https://soccer-db.net/
・Sofascore
https://www.sofascore.com/



ちくわ(@ckwisb

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