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[デザインの英語] Inclusive & Exclusive

書きかけ

Inclusive Design という言葉をよく目にするようになった。

Inclusive は「~を含める」という include の形容詞版。何を含めるのかというと「色々な人」。反対後は exclude, exclusive で「~を除く」。Inclusive Design とは一言で言うと「人々を除外しないデザイン」のことだ。in と ex、内と外がついになっているのでセットで覚える。

こう書くと exclusive はネガティブな言葉に聞こえるが、広告やプロモーションなどでは「限定」と言う意味でよく使われる。Exclusive offer to you! と言えばあなただけの商品や特別価格という意味だ。

Inclusive Design

The British Standards Institute (2005) defines inclusive design as: ‘The design of mainstream products and/or services that are accessible to, and usable by, as many people as reasonably possible ... without the need for special adaptation or specialised design.’ University of Cambridge

Inclusive Designとはできるだけ多くの人にアクセシブルで使用可能なデザインのこと。Reasonably possible は「無理のない範囲で可能な」くらいの意味。無茶振りなのは Unreasonable。

この定義だけ見れば "Accessible" と言えば良いのでは、と思うかもしれない。Inclusive という言葉が使われだした(誰かが流行らせた/流行らせようとしている)背景には Accessibility という概念が浸透した一方で、WCAG などのガイドラインや標準に書かれている狭い範囲で理解されがちだという事情があると思う。こっちにもちょっと書いた。下に書くがAccessible という言葉では捉えきれない問題もある。

そのため Inclusive Design が論じられる場面では、何がこれまでのAccessibilityと違うのかが強調されることが多い。

ルールではなくプロセス
これを守ればOKというルールではなく、デザインの手法であり、異なる視点を持つ人々から学ぶことが重要とされる。下記はマイクロソフトのページからの引用。

Inclusive Design is a methodology, born out of digital environments, that enables and draws on the full range of human diversity. Most importantly, this means including and learning from people with a range of perspectives.

障害だけの話ではない
人が exclude される、されていると感じる理由には様々ある。例えば Google のページには下記のような例がある。

Include diverse representation in your application: race, clothing, physical ability, and social class.

ユーザを示す時に多様な表現を用いること。人種、服装、身体能力、社会階級など。例えば絵文字の顔が全部白人だったら他の人種は疎外感を感じたり、使いたくないと思うかもしれない。

Reduce the download size of your app or offer a “light” version.

アプリのダウンロードサイズを小さくするか、軽量バージョンを用意する。地域や経済状況によっては回線速度や通信コストは大きな障害になる。

万能の解はない
上の例を見てもわかるが、対象によって適当な解は全く異なる。ユーザを理解するプロセスが重視される理由だ。

一方で特定の人に向けた解がより多くの人に役立つこともよく語られる。ダウンロードサイズが小さいアプリは誰にとっても嬉しい、手を使わないで声で操作できれば、作業などで一時的に両手が塞がっていても使える、など。再びマイクロソフトのページから。

Everyone has abilities, and limits to those abilities. Designing for people with permanent disabilities actually results in designs that benefit people universally. Constraints are a beautiful thing.

届かない人に届ける

余談。最近は情報やサービスを本当に必要な人に届ける手段について考えている。

例えば「さきめし」のようなサービスも、苦手で使えない、使いたくない人やサービスの存在に気付いていない人が多くいるのではないかと思う(ちなみに近所ではVenmoなどみんなが使っているペイメントサービスで従業員のための募金を求めたり、お店ごとにプリペイド食事券を売っているのをよく見かける。店のドアに手書きで書いてあったりする)。

この素晴らしい対策融資・保証まとめみたいなものも裏を返せばそれだけ「情報はあるけどリーチできない、されていない」問題があるということだろう。

Exclusionの問題は除外の存在自体がなかなか見えないことだ(例:ツイッターの中ではツイートする人の声しか聞こえない)。

Webに置いておけば、ツイートしてバズれば、ではリーチできない人々に大事な情報を届けられるか。究極、「詳しい知り合いが手伝う」みたいなローカルな手段しかない方法しかない気もするけど、ではそのローカルな部分を支援する方法はないか。

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