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15世紀のアルファベットを描く

文字のデザインの練習に。

今使われているアルファベットの形が固まってきたのが15世紀。ローマン体。Old style だとかなんとか全部ひっくるめてローマン体。

In Latin script typography, roman is one of the three main kinds of historical type, alongside blackletter and italic. Roman type was modelled from a European scribal manuscript style of the 15th century, based on the pairing of inscriptional capitals used in ancient Rome with Carolingian minuscules developed in the Holy Roman Empire. Wikipedia

ブラックレター、イタリックと合わせて三大アルファベットらしい。古代ローマの石彫りの大文字と神聖ローマ帝国のカロリンガン・ミナスキュールを組み合わせたのでローマン体。ルネッサンスだ。

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デューラーの文字

アルブレヒト・デューラーは15世紀の芸術家。有名な人。

この人が OF JUST SHAPING OF LETTERS という本(?)で、アルファベットの書き方を一文字ずつ説明している。定規とコンパスで書いた図解が乗っているので真似して描くと参考になる。そのものが美しいというのもあるけれど、ローマン体の歴史の初期にある字形なので形の考え方を覚えておくと他の書体と比較する軸になる。

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どの文字も正方形のグリッドをベースにしている。このAはてっぺんの飾りが独特。もっと見慣れた形のやつも載っている。上下を二等分しているので重心が高い。HelveticaのAと比べてみる。ペンで描かれているけど、石彫りの文字が原型なのでセリフの形がノミで掘る感じの造形(多分)。

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二種類のC。軸を水平に取るか斜めに取るかで違いが出る。Cの開口部をどう切るかも注目のディティール。伝統的な形は垂直に近いカット、グロテスク系のサンセリフは水平に切った感じが多い。Johnston、Gill Sans、FuturaあたりはCが円に近くてカットが垂直。Helvetica、Universなどは縦長でカットが水平。

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EFあたりは幅が狭い。時代を経るごとに他の文字と幅が近く調整されていく。

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左のMはちょっと窮屈。正方形が制約になってしまっている。デジタルのold style書体だと右のような開いた形が選ばれていることが多い。Caslonあたりになると正方形を超えて幅が広がりストロークが垂直に近くなる。Baskervilleではほぼ垂直。

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KやRの足は長い。RやPの弧の下側が空いてるとクラシック感が出る気がする。

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などなど。一度手で書いてみるのがおすすめ。コンパスを使わなくてもざっと手書きするだけでも理屈は頭に入る。他の字を見たときにも比較対象が頭にあると役に立つ。趣味の話。Gutenberg.orgでただで読める。

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