変化する高校

今年で高校を卒業して15年。

高校教師として働く僕ですが、受け持っている生徒たちが1歳とか2歳の時に、僕が卒業したってことになります。

どの業界もそうですが、「高校」も変化しています。


まず、私が担当する国語科です。

高校国語といえば、「現代文」と「古典」だったと思いますが、今では「論理国語」・「文学国語」・「古典探究」に分かれています。

「論理国語」では評論や実用的な文章を扱います。懐かしのセンター試験(今ではこれも「共通テスト」に変化しました。)では、第一問のような内容です。

「文学国語」では小説や詩などを扱います。高校で習ったという人も多い、『山月記』や『こころ』はこの科目に入っています。
ですが、多くの学校が「論理国語」のみを採用しているというのが現状です。
つまり、国語の授業で小説を扱わないということが起こります。(問題集や補助教材でやるしかないです)

そして「古典探究」ですが、近年流行りの「探究」という文言が入りました。
ちなみに地歴も「日本史探究」「世界史探究」「地理探究」になってます。
ただ先生から言われたことを覚えるのではなく、自らの興味を深めていく感を出したかったのでしょうか。
僕はそう解釈して、話し合い活動や調べ学習などを授業で取り入れてみています。


次に校則です。

中学校でもそうですが、近年では校則の見直しや削除を行う高校が増えています。

平成20年前後に高校生だった僕たちの頃ですら、前髪だの横髪だの襟足だの。眉毛だなんだ言われました。

ですが、僕の勤める高校でもついに校則にメスが。
①「男女差」をなくす
②自己の裁量にまかせる

この2点を意識する変更になりました。
具体的には、眉毛は整えてもよい、男子も髪を伸ばしてもよい、女子もズボンを履いてもよい…などなど。

確かに、風紀検査も回数が激減して、教員側も楽になりました。


そして何より、入試が変わっています。

僕の時は、国立大志望は国数社理英の勉強を、私立大志望は国英社の勉強をガリガリしたものです。
9割近くの人が、「一般入試」を受験するイメージでした。
現に僕も、ひたすらに勉強ガリガリしてました。(まぁ第一志望は落ちましたがね)

ですが、今では変化しています。
もちろん学校にもよるのですが、今では一般入試、現在では「一般選抜」と名前が変わったこの入試を受ける生徒は少数派となりつつあります。

つまり、「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」といわれる、3年生の9月〜12月に行われる入試が人気を博しています。
そうなるとどうなるか。

年内には合格者だらけになるということです。

大学側もいわゆる青田刈りのような状況でしょう。

高校では…
いや、授業しづらい!!!

11月を過ぎると、クラスの6割が合格済み、4割が目を血走らせるという奇妙な状況を生みます。

合格者にあわせて、パズル形式・ゲーム形式の授業すると、受験組の対策にならない。
かといって、過去問演習などをすると、合格組が寝ちゃう。

このジレンマに、授業担当者は悩みます。


今後ますます変化していく高校。

どうなっていくのか、ちょっと不安です。


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