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森川葵「もしもエンタメやサブカルがなくなったら…」映画『リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲』公開記念

実在する書店「ヴィレッジヴァンガード」の仲間たちが繰り広げるハチャメチャな日々を描き、カルト的人気となった深夜ドラマ『ヴィレヴァン!』(メ~テレ)が、ドラマの続編と同時に映画化された。“サブカル”は害として取り締まられるパラレルワールドを舞台にした『リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲』で、引き続きヴィレヴァン店員・小松リサに扮した森川葵に、作品について聞いた。
取材・文/折田千鶴子 撮影/ツダヒロキ

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ヘアメイク/石川奈緒記
スタイリスト/平田雅子
ドレス¥150,000
ニット¥57,000/共に、M MISSONI(三喜商事)
ブーツ¥138,000/JIMMY CHOO
ピアス¥75,000/
右手:人差し指のリング¥27,000 中指のリング¥70,000
左手:人差し指のリング¥27,000
/すべて、ALIITA(パラグラフ)

『リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲』

ヴィレヴァン_メイン

●大学生・杉下はヴィレッジヴァンガードで、採算度外視で集められたガラクタや変人たちに囲まれ、刺激的な日々を送っていた。そんな日々に慣れて1年が経った時、何かがなくなっていたことに気づく。この世から“サブカル”がなくなっていたのだ。“サブカル”を、もとよりカルチャーそのものを取り戻すべく、杉下の闘いが始まる。メ~テレで2シリーズが放送されたドラマ『ヴィレヴァン!』(’19年、’20年)がまさかの映画化。
(2020年/日本)
監督/後藤庸介 脚本/いながききよたか 出演/岡⼭天⾳ 森川葵 最上もが 本多⼒ 柏⽊ひなた(私⽴恵⽐寿中学) ⽔橋研⼆ 落合福嗣 ⼩林豊(BOYS AND MEN) ⼤場美奈(SKE48) 萩原聖⼈ 安達祐実 平⽥満 滝藤賢⼀ほか
配給/イオンエンターテイメント
(c)2020メ〜テレ
10月23日(金)全国ロードショー

※TV Bros.本誌(10月23日発売)では、主演・岡山天音のインタビューを掲載しています。あわせてどうぞ。


そもそも何がサブか分からないし、決められない。

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――まずは、劇場版制作が決定した際の感想を教えてください。

まさか……と。すごく仲が良いチームなので、いつか集まりたいと思っていましたが、シーズン1で完結したと思っていたので、まさかこんな形で集合できるなんて、すごく嬉しかったです。

ヴィレヴァン_サブ1

――映画とドラマのシーズン2を同時撮影されたそうですね。物語はもちろんでしょうが、映画ではキャラクターもガラリと変わっています。その辺りの混乱は?

映画とシーズン2を一緒に撮りましたが、さほど混乱せずでした。ただ、「あれ、これはみんな仲が良いところだっけ?」、「いや、互いにディスタンスをとっている状態だよね」という部分や、「(洗脳され)ブラックモード」が解けているかどうかなど、ちょっと混乱したところはありました。

――映画は、その“ブラックモード”が長く続き、お馴染みのわちゃわちゃ感を期待すると、見事に裏切られます。

そうなんです。ただ、(クランク)インしてまず撮ったのがブラックモードの世界だったので、それが逆に私的には良かったです。というのも最初、シーズン1のときの小松リサがどういう感じだったのか思い出せなくて。ブラックモードから入り、徐々にエンジンが温まっていった感じで、自然とシーズン1のリサに戻っていけました。と言っても、ブラックモード時も、撮影中は直立不動な感じでしたが、カットがかかった瞬間、いつも通り“仲間のわちゃわちゃ感”に戻っていましたが(笑)。

――暗いブラックモード世界の中でも、唯一、滝藤賢一さんはやってくれますよね(笑)。

ヴィレヴァン _サブ3

そうなんですよ(笑)、やっぱり店長はヴィレッジヴァンガードを背負っている男なので、誰よりも目立たなければいけない人ですから! みんな「店長、今度はそうくるのか。さすがだな」という感じでした。

――セリフにも「サブカルが無駄で無意味なもの」とありますが、サブカルが検閲される世界に生きてみて、どんなことを感じましたか。

というよりそもそも何がサブか分からないな、と。劇中で「無くなったら困るもの」を聞かれるシーンがありますが、私自身アニメが好きなので、アニメと答えるかもしれませんが、アニメが今もサブカルチャーなのかと言われたら、もう、そうじゃなくなってきていますよね。サブと言いつつメインなものというか、もう何がサブか決められないな、と感じています。もちろん私が生活の中で扱っているカルチャーは、無くなったら困りますが。

――サブカルを守るために闘って、思わず熱くなったりした場面も?

映画の終盤、自分の好きなものを燃やすシーンがあるのですが、そこでそれぞれが、燃やさなければならない好きなものへの思いを語るんです。他の人の告白を見ているとき、全く泣くシーンではなかったのに、みんなの気持ちの熱さを感じて、ちょっとウルッとしてしまって。もちろんみんな役として気持ちを乗っけているのに、その姿を見て聞いていたら、私が思わず熱くなってしまって。そこは、予定外のシーンになった気がします。

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エンタメのない世界は、
誰しもが生きづらくなるんじゃないかな

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