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僕にとっての「言葉」【2022年12月号 風間俊介 連載】『ダンスはうまく踊れない』

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言葉とは、コミュニケーションツールであり、その人を表すものとなっていく自己表現の根幹とも言えるものです。

僕は365日、この言葉を使い、人生を過ごしています。「長年、使い続けている愛用品を教えてください」という番組アンケートをもらったことがありますが、何度か『言葉』と書こうかと思いました。間違ったことは言っていないという信念が僕にはあります。何なら、ちょっと良いこと言ってる感すら自分の中にはあります。でも、『言葉』と書いてアンケートを提出した日には、受け取ったスタッフは絶句するでしょう。『言葉』というアンサーに対して、言葉をなくし、その後、声を発した時には「いや、そういうこと聞いてるんじゃないのよ。密着ドキュメンタリーの最後付近で聞いた時にその答えならまだ聞けるけど、バラエティーのアンケート、ポエティックに返してくるなや、風間」という展開が目に見えています。その展開に恐れをなし、「バスタオル(長く使いボロボロになり始めたくらいがよく水を吸うので好きです)」と当たり障りのない答えの返している、不甲斐ない僕です。愛用品と言って良いものか、道具と言い切って良いものかは別として、かなり使い倒しているのが言葉です。実際に、このコラムも言葉を使って書いていますからね。

世界には多種の言葉がありますが、今のところ僕は日本語を専ら使っています。2〜3歳には喋っていたと思うので、ざっくり37年くらい使ってますかね、日本語。でも、難しいですね、言葉は、日本語は。
「あの人は頭がいい」
「あの人は頭はいい」
「あの人は頭もいい」
一文字違うだけで、かなりニュアンス変わりますよね。一文字違うだけで意味が変わるのもややこしいですが、同じ言葉で2つの取り方が出来る場合もありますからね。

あれは小学5年生くらいの時でした。下級生の女の子が僕を指差し大きな声で「〇〇ちゃんが好きな、風間くんだ!」と言いました。恐ろしいことです。この場合、意味は2つあります。

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