【10月号 風間俊介 連載】踊り明かそうよセニョリータ

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記憶というものは、ふっとしたきっかけで恐ろしく鮮明に蘇ることがあります。それは、言葉だったり、景色だったり、君のドルチェ&ガッバーナの香水のせいだったり、人によって様々でしょう。そのトリガーランキングの中でも、音楽は上位に入ると思います。「あっ、この曲、あの時に聴いていたな」など、認識出来るものもあれば、「この曲を聴くと何故、この気持ちになるのだろう？」と、自分では自覚できていないこともあります。悲しい曲を聴いて失恋を思い出すとか、楽しい曲を聴いて高校時代を思い出すとか、広瀬香美さんを聴いて冬を思い出すとかなら、分かるんですよ。でも、本当に何の脈絡もなく「何故！？」みたいな曲、ありませんか？　少なくとも、僕にはあります。

僕、『マツケンサンバⅡ』を聴くと、何故かトイレに行っておかなくてはいけない気分になるのですよ。

理由は、わかりません。あの軽快なイントロが始まると、「あぁ、トイレに行かなくては！」という気分になるのです。その謎が先日、分かりました。