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狂いたい

 毎週月曜にnoteを更新しようと決意して5ヶ月が経過し、更新が欠けた週とかもありながらもどうにかこうにかやってきました。今、月曜の昼12時にこの文を書いています。この後に雷雨が来るらしいので、晴れてる内に書き上げたくて普段より早い時間から執筆に着手しております。ただでさえこのところ毎週月曜は雨、つまり低気圧で鬱屈とした気分になり息も絶え絶え、もうnoteとか言ってる場合じゃござんせんみたいな状況で無理矢理更新している始末なのに、今週は遂に雷雨が登場。あの、Xで中年がいきなりヒステリー起こした投稿をポストして、それに「この人は一体何と闘っているんだ…」みたいな引用リプが付くではないですか。低気圧と闘ってるんだって!!みんな空と闘ってるの!!映画の「地獄の黙示録」で、"DEATH FROM ABOVE(上空からの死)"って機体に落書きされた軍用ヘリがホバリングしてるシーンがあるでしょ。あれが低気圧の度に俺の頭の中に飛んできて機銃掃射とかしてくるんですよ。頼んでも無いのに。中年になったら「雨」と書いて"WAR IN MY HEAD"とルビを降っていいくらいに切迫した状況になるんですよ。普通の雨でそれなのに雷雨と来た日にゃもう科学の粋を集めた殺人機械が満を持して飛来、軍用ヘリ界の勝新太郎が遂にご登壇みたいな大変な事態、もうこっちだって中村玉緒になって泣き崩れるしか無い、あきまへん、うちはもうついていけまへん、勘弁してつかあさいマジで。そうなる前にnoteを書き終える。躊躇している暇は一切無い。で、いつも通り適当に配信サービスのリンクとか貼っていくんですが、軍用ヘリ、といえば、軍、という事で、グリーンベレーというバンドのバンドキャンプを貼ります。このバンドは愉快だよ!後、こんなほのぼのした書き方してるけど俺は戦争反対ですよ。当たり前でしょうが!!

 

 で、今部屋がこんな感じで完全に終わっているんですね。こんな荒れ果てた所に普通住んでらんないですよね。4WDとかで通過する道だよこりゃもう。なのでここにある本を20冊読んだら一回ブックオフに行っていい事にする、というルールを己に課し、そうする事で蔵書を少しでも減らそう、と努力していたのですが…日々の哀しさに耐えられず…20冊読む前に…先日ブックオフに行ってしまいました…もう辛くてね。ブックオフに行かないとどうにもならないと思って行ったわ。新宿駅前店に。
 そしたら丁度その日の6/1からキャンペーンが始まってて、1000円以上商品を買ったらクジが引けて、当たったらあのちゃんの顔が印刷されているでかいタオルが貰えるらしいんですよ。これは神からの啓示だと思ったね。この鬱、それによるブックオフへの逃避。何もかも俺があのちゃんタオルを手に入れる為の伏線だったのだ。もうそういう時って"解る"じゃん、「ああ、全ては既に決定されている、後は自分がこの流れに乗るだけだ」って。だから1000円分なんか買おうと思ったけど、特に欲しい物が無かったんですよ。ブックオフに足繁く通わないといけない理由ってそれで、ポッと行ったところでグッと来る物なんかそう無いんですね。時折「平成のクリエィティビィティの狂った残滓」が発見されるだけで。普通は"凪"の状態なんですよ。でも俺はタオルのために頑張った。

 こんなよくわからないものを手に取ってまでして見事1000円以上の買い物を達成させましたよ。野球なんて高校出てからやった事も見た事も無い、漫画のルーキーズで泣いた位しか無いのに。で、さあ後はタオル貰うだけだ、とレジで箱の中のクジを引っ掴みました。もちろん、だめでした。20円割引クーポンが貰えただけ…

 この紙をタオルとして使います。

 あと俺そこで「モテキ・パーティミックス」ってCD買って、中に入ってた広告見て衝撃を受けたんですが、この「モテキ」って、映画版とドラマ版で女性役が四人とも入れ替わってて、でも男性役は同じ人なの?!凄くないそれ?最近新潮選書から出版された坂内正の「カフカ解読」を読んだんですが、「城」って、作者の日記によると小説を「カバラーのようなものにまで発展」させようとした結果らしいんですね。で坂内正が

(略)小説「城」もまたこの確認した意図の実現をめざして書きだされるであろう。カバラとは、この場合、文字の多層的共鳴性と反響性によって世界を顕現するということだ。二人のハンス、二人のフリーダ、ソルディーニとソルティーニ、それに見分け難いほどそっくりな二人の助手や、城のうちの従僕の日常的交換や、アマーリアの秘密にかかわるざくろ石の首飾りの交換(移動)などは、この作品のカバラ性についての直接的伝達である。

第五章 ユーリエとミレナ、そして「城」

って書いてて「へ〜」と思ったんですが、じゃあ映像版の「モテキ」って、「一人の男性を中心にし、ほぼ同じ役割りの四人の女性が対になって存在する」カバラなのか?凄まじい。かなり映像が見たくなった。今ユーチューブでモテキの映画の予告編を見たけど、キャッチコピーが「恋が、攻めてきたッ!」なんですよ。やっぱ向こうから「来る」んだよな。「審判」みたいに。で、いや自分は無罪ですって必死に主張するんだけど、既に有罪として認識されている自分も存在している訳で、「己の認識している自分」と「世界が認識している自分」で対になるんですよね。そこが興味深い。何かが「来る」事のショックを媒介として世界が対になる、同時に存在できる筈がない二つの認識がなぜか同時に存在してしまう事態はカフカの小説の中でそこそこの頻度で起こる訳なんですが、映画のモテキのダンスシーンにも似たような現象が見受けられました。
 意中の女性から「今度デートしましょう」みたいなメールを貰った男性が感動のあまり立ち上がってパフュームの「baby crusing love」をBGMに街中をずんずん歩き、で、そこにいる人達がどんどん感化されていって一緒に踊りだすんですけど、でもそれは普通に考えればその男性の空想上の出来事で、実際の市民達は踊ってない筈なんですよね。主人公が「来る」ことをトリガーにして市中の人達が「踊っている状態」と「踊っていない状態」の対になるんだけど、その2つの状態はどちらも正しい、という極めてあやふやな世界が現前している。主人公がその場に居る人達とどれだけコミュニケーションを取って相互理解を深めても、同時に、その場にいる全ての人達と一切のコミュニケーションを取っていない世界も同時に存在する訳で、その孤独な幸福感にこそこの殺伐とした現代を生き抜くヒントが隠されている気がしてならないんですよね。「美味しんぼ」の初期で、血気盛んだった頃の海原雄山がすき焼き屋に難癖を付けて「(こんなまずい料理にされては)死んだ牛も浮かばれんわ」という凄い台詞を吐く場面があるんですが、「俺が美味しく食べれば牛も浮かばれる」っていう、そいつの脳の中で一部の隙も無い幸福な世界が完結しているって状態に俺は凄い興味があるんですね。なので「モテキ」はかなり気になります。あと、この「モテキ・パーティーミックス」に七尾旅人のローリンローリンが入っていて最高の曲だとしみじみ思いました。

七尾旅人/Rollin' Rollin'(ドリアンの終わらないアーバンソウル)

 本当に仕事ってなんなんやろうね、と思う事ばかりが起こる毎日です。一番金が無かった頃の話なんですけど、やっぱり頭がどんどん狂っていくんですよ。で「公園で20万円くらい拾う夢」を週に2回ほど見るようになっていくんですけど、流石に何回も見てると気付くのね「ああ、これ夢だわ」って。でその日も「ああ、夢か…」と気付いたんだけど、そこでハッと「いや!今地面にこの20万円を埋め、そしてその状態のまま起きれば、現実世界の地面に埋まったまんまの20万円を持ち越せる!!」と気付いたんですよ。流石。頭がいい。で、もう覚醒し始めてるから大急ぎで埋めて、パッと起きてから「いや…大丈夫…金を掘り出せばいいんだ…いける………」とか考えながら動悸を整えてたら、どこの公園に埋めたのか全く思い出せなかったんですよ。あの時の絶望感といったらなかったね。「それ覚えてねえと意味無えだろォォォォ!!!!」と銀魂のツッコミをやりつつ泣き喚き絶叫し、床に落ちていた笛を吹き鳴らしながら邪竜もかくやと言わんばかりにのたうち回りました。で一時間くらい暴れて部屋の隅で死んでたら、だんだん気が付いてくるんですよね「あれ…夢と現実の間にそんなシステムあったっけ?」って。「もうとにかく近所中の公園を掘るしか無い」と思い詰めてる時に。貨幣制度が崩壊した時にああいう気持ちになるかもしれない。唖然としたわ。「俺、今何を泣いていたの?!」ってなったよね。
 なんか数年前にビットコインかなんかを預かっている?サイト?がハッキングされて全額盗まれて社長と副社長が謝罪会見した事件あったじゃないですか。あの時の社長の気持ちが俺には分かるね。「いや…もともと仮想通貨って…"仮想"だし……これ俺悪く無いですよね……?」ってなったと思うね。夢っすよ。夢。貨幣制度なんてうたかたの夢っすわ。あれってECDが亡くなった次の日に起こったんだよな。俺仕事帰りのバスの中でそのニュース読みながら「大金もみんな葉っぱにもどる ドルも円も紙切れに 綺麗になる野生の証明に そーさまた右往左往さ」って「TOKYO TOKYO '97〈PART 2〉」のリリック思い出してボロ泣きしたもん。「なったなあ」と思って。

 仕事を止めたらまたあの頃みたいになる…あの金も希望も無い時代には戻りたくねえ…とかECDの曲貼っときながら言うのも何なんだけどさ。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一  
 古本が家に増えるだけだから神保町行くのも止めるって書いてたのに、神保町にも行ったんですよ。もう本当にやってらんねえみたいな気分になって。で夜勤が終わった後、古本通りにあるベンチに座ってで店が開くのを待ってボーッとしてたんですが、正直な話、あのあたりで午前11時前にトイレに行きたくなったら何処に行けばいい?なんだかんだであそこってパチンコ屋が潰れてその跡地が古本屋になる様な異常空間じゃないですか。パチンコ屋が無くなるのは一般市民にとって相当きついって。トイレ借りれる場所が無いもん。「日本からパチンコ屋を根絶しよう!!」みたいな主張してる一群を見た時は本当に信じられなかったですね。そうなったら、一体どこでトイレを借りるつもりなのかこの人達は?汚い話で悪いけど、パチンコ屋が無くなったら街は野糞で溢れ返るよ。ジャクソン・ポロックの絵みたいになりますよ。それでも本当にいいのか?人間そこまでポリティカルな態度を通徹できるものなのか?そんな事態は覚悟の上、なんなら既に陰腹切っとりますくらいの気迫を持ってこっちに進言しているのか?ならばよい。いや、嘘。無理。パチンコ屋が潰れるのだけは本当に勘弁して。
 

 あと、最近初めて渋谷直角の「奥田民生になりたいボーイ 出会う女すべて狂わせるガール」を読んだんだけど本当に面白かった。おしゃれな雑誌の編集者に新任された主人公がレディースブランドのプレス担当の女性に恋をして、周りの人間共々振り回されていく…といった内容で、「容姿の優れた女性をわざと悪し様に描いているミソジノスな作品だ!」と言われれば、まあそうなのかもしれんが、自分は読んでて心底楽しかったですね。やっぱ作品内の秩序を崩壊させるには狂人を登場させるのが一番手っ取り早いよ。最後のシーンとか原始の祭りそのものだよ。「俺も狂いてえ〜」って心から思ったもん。「とにかくセンスのいい暮らしを最大限まで追い求めて、その過程で起こってしまった事は全て受け入れる」という姿勢を、同じボンクラとしてリスペクトせざるを得ませんでした。なんか今日雷雨で、さっき野糞について書いたから、TAMPAXってパンクバンドの"LET IT SHIT"ってアルバムに入ってた曲を貼ってこの文を終わろうとしたのですが、そんな曲が配信サービスとかされてる筈もありませんでした。ジャケが最悪で、レット・イット・ビーのパロディーなんですけど、メンバーの顔写真の代わりにうんこが半分出てる肛門の写真が4つ配置されてるっていう、中学生とかが学校に持っていったらマジで退学になりそうなデザインなんですよ。それの最後の曲が、なんかボーカルが不明瞭な言葉をブツブツ呟いた後にバンジョーかなんかがボロンボロン鳴って、その後に雷の音が響いてそれで終わりってだけの曲なんですけど本当に最高で。それを貼りたかったんですが、無かったです。代わりにタンパックスが何曲か入ってるコンピレーションアルバムがアップルミュージックにあったんでそれ貼っときます。「マン・ロスト・イン・ザ・スペース」とか本当にバカだよ。何笑とんねんって思うもん。

それではまた来週!

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