年金額が目減りする理由
何日か前から富士山が厚化粧になりました。真っ白で、冬本番を思わせます。
まだまだ寒い日は続きますが、今回は、新年度、4月からのある金額に関わる話です。
🌱「実質的に目減り」
先日、ニュースや新聞で目にした方もいらっしゃるかもしれません。
来年度(令和6年4月から)の年金額改定について、公表されました。
物価は3.2%上昇したのに対し、年金額は2.7%引き上げ。
年金額が物価ほど上がらない。この差、0.5%が実質的に目減りと言われています。
(金額にすると、月6~7万円の年金額で、月額300円ほどが目減り分という計算になります)
なぜ、目減りされてしまうのか?
ざっくり、簡単に書いてみます。仕組みは2段階に分かれます。
🌱①賃金が物価ほどには伸びていない
年金額には、物価だけではなく、現役世代の賃金変動率(厳密には「名目手取り賃金変動率」)も関わってきます。
賃金も上昇しているのですが、
・物価も賃金も共に上昇
・物価上昇率>賃金上昇率
の場合には、賃金上昇率に合わせるという決まりになっています。
今回は、
物価:+3.2%
賃金:+3.1%
であったため、賃金の3.1%が優先されます。
🌱②現役世代の人数や平均寿命も関係ある
公的年金というのは、あくまでも社会保障です。
現役世代の保険料で、受給世代の年金が支えられているというのが基本です。
たしかに、年金額は加入していた期間や給与額に応じて、変わってきます。
しかし、積立して取り崩すというものではありません。だから、受けられる期間は一生涯。そして、物価が変動しても価値が変わらないよう、年金額もそれに合わせることになっています。
社会保障で、現役世代によって支えられているといっても、現役世代の人口は減少。また、平均寿命が延びるのはめでたいことでしょうが、それだけ年金の総支給額も増えていきます。
将来、現役世代が年金を受けるときに、どんな影響があるのか……。何となくマイナスの方向へ考えてしまうかもしれません。
そこで、物価・賃金が共に上昇しても、ブレーキがかけられるかのようにして、これらの要素も年金額に加味されます。
「現役世代の被保険者数はどれだけ増減しているのか」
「平均余命はどれだけ伸縮しているのか」
詳細は省きますが、これらの率を合わせると、年金財政にとって▲0.4%とされています。
先ほどの賃金+3.1%より、この0.4%が差し引かれます。
結果、+2.7%。
これが今回の年金額の改定率です。
🌱現役世代も厳しいです……
国民年金の保険料も引き上がります。
2年前納の制度があり、令和7年度の分まで公表されています。
1ヵ月あたりの保険料額の推移をみてみると……。
令和5年度 16,520円
↓(+460円)
令和6年度 16,980円
↓(+530円)
令和7年度 17,510円
この2年間で、1ヵ月1,000円上がることになるんですね。
会社勤めの方の厚生年金の保険料率は変わりませんが、フリーランス、フリーターで仕事されている方にとっては厳しいことです。
割引制度のある前納を活用という方法もあります。
前納については、昨年のものですが、参考になさってください↓↓
改めて書けるときがあれば書きます👩💼
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