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0617 分けること、分かること

フランス語を勉強しようと思いたち、フランスの農家に来た。
思いたった勢いで来たので、全く話せない。
とりあえず、ぼんじゅーるとめるしーは言える。

現在の滞在先はいちご農家で、主な仕事はジャムづくり教室。2-6歳くらいの子どもたちがわらわらとやってきては、いちごを摘んで、ジャムをつくり、瓶に詰めて帰っていくのを日々お手伝いしている。毎日同じ説明がされるため、ジャムづくり限定で認識できる言葉が増えてきた。

ジャム、いちご、砂糖、なべ、瓶、ふた、摘む、待って、混ぜる、あつい、ヘラ、すっぱい、いい匂い、あんなに繋がって聞こえていたフランス語が、少しずつ切り分けられていく。
ひとつ分かると、次の時には違う言葉が浮かび上がるように聞こえて、新たな分けめができる。
そうしてひとつずつ、分かることが増えていく。
分けると分かるは、こんなにも近い。

新しく切り分けた言葉を口ずさみながら、今日もジャムの大鍋を洗っている。

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