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お肉券よありがとう、父とわたしのビーフシチュー。


ソウダルアです。

全国その土地の食材などでフードパフォーマンスをする出張料理人でしたが、今現在はその看板を下ろし、これまでのつながりをいかして、地域の食と人をつなぐ新しい形をつくるべく、「地域と人を繋ぐおいしいボックス」などを始めています。地域で出会った本当に美味しい食を地域ごとにセットにして、お家にお届けする企画です。

詳しくは、こちらより。
https://www.facebook.com/eat.ruasoda/posts/1554041478095344


大批判を浴びた「お肉券」は、いまは導入見直しとなりましたが、もし本当に届いたら何を作ろう、なんて想像して、未来の架空の物語を書いてみました。

こんな時だから、時間のかかる料理を愉しんでつくって、家族の時間をクリエイトしてみては、と思い、お題はビーフシチューにしてみました。

自炊が大変、面倒、疲れた、なんて思い始めている人もいるかもですが、料理ってそんなにレシピを気にしなくてもいいんです。
あと、今だからこそ、混んでいるスーパーやコンビニではなく、町の肉屋や八百屋に行くのも面白いですよ。色々教えてくれます。

なんでも批判やネガティブな感情から入るのではなく、自分なりにストーリーを紡いでいく、ということも大切なんじゃないかと思うのです。




2021年、アフターコロナの世界。

週末、家でのんびりしていると頼んでいた化粧品と一緒にお肉券なるものが届いた
ニュースでは知っていたが、本当に届くとは思っていなかった
正直、現金の方がありがたいけれど、折角なのでこれはこれで楽しんでみよう

そう言えば、お父さんがもうすぐ誕生日だ
子どもの頃に家族の記念日に行っていた洋食屋さんのビーフシチュー
あれをつくってみたい
早速、検索してみるとレシピがたくさん出てきた、多すぎて困るくらいだ

いくつも見ていると、割と何を入れても煮込んでいけばビーフシチューになるようなので、父が好きな野菜とワインでつくることにした
そうと決まれば簡単だ

まずはワイン
父は重ための赤ワインが好きなのでボルドーの赤
いつもよりは奮発して、2800円のやつを
野菜は玉ねぎ、セロリ、トマト缶
カレーですら、じゃが芋と人参を嫌がる人だったので思い切って入れないことにした

あとはお肉だ
お肉券の裏を読んでみると和牛限定らしいので、近所の肉屋に向かう
肌寒い独特な匂いがする空間と店主であろう、がっちりとした体格のいかにも肉屋らしいおじさんに少し怯んでしまうが、こちらにはお肉券があると勇気を振り絞って、

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