四十路のサラリーマンが働き詰めになって、眠れなくなって、薬漬けになって、なにもかもやる気が無くなって、いつのまにやらメンタルヘルス沼に片足を突っ込んでいた話
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元々あまり寝つきのいいタイプではないのだが、ウイスキーをガブ飲みしても、36時間連続で起きていてもまだ眠くないなど極度の不眠症が週に何日か続いたのが今年の梅雨あたりのこと。
「流石にこれはおかしい」となり、市販の睡眠薬でお茶を濁していたもののそれも効きが悪くなったため、ついに心療内科の世話になることとなった。
初めて訪れた心療内科は落ち着いたインテリアのお洒落なクリニックで、患者はほとんど女性ばかりであった。
自殺率において男女を比すれば男が圧倒的に高いのだが受診率は女のほうが高いというデータがあり、実感としてそれを理解できた。要するに、たいていの男は痩せ我慢した上で、受診もせずひっそりと首を括っているのである。
受付を済ませると問診票を書かされるわけだが、それがまたクソ長くて書き終えるまでに20分くらい要した気がする。
それを提出し、さらに待たされやっと呼ばれたと思ったら医師ではなく看護師の診察。何を訊かれたかはよく覚えていない。
そこからまた待たされてやっと医師の診察を受けることとなり、問診票についてのアレコレを問われて初診完了。
診察結果はストレス関連障害(適応障害)に基づくうつ状態による不眠であり、抗うつ剤と睡眠導入剤を処方されることとなった。
適応障害とはなんぞやと医師に尋ねてみると「ストレスに心身がうまく適応できず変調を来たしている状態」とのこと。
自分でも調べてみたがいわゆる「うつ病」との境目は極めてあいまいなようで、要するに「本格的なうつの一歩手前みたいなもんなんだな」と理解した(もちろん正確な定義ではない)。
眠れはしないものの、そのほかの体調が極端に悪いわけではなかったので「うつ(症状)」の二文字はそれなりにショックであった。
とはいえ、それを改善するための薬も処方され診断名も出たとあって安堵する気持ちもあった…
のだが、その認識は甘かった。
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