建築家がオススメする建築学生が読むべき4つの本を紹介

この記事では

有名建築家がおすすめする建築学生が読むべき本を紹介

というテーマでお話ししていこうと思います。

たまたま本棚を眺めていると大学院時代に買った1冊の本が出てきました。

大学院に入って1ヶ月も経たないくらいで、

せっかく大学院に入って時間もあるんだし建築についてもっと勉強したいから本でも読みまくろう!

と思い立ち、向かった本屋でタイトルだけ見て買いました。

GA JAPAN 145
『architecture and book 建築にまつわる本のはなし』

実際にこの本の中でおすすめしていた本を読んで勉強していきました。

この本では西沢立衛ノーマンフォスターなど国内外の建築家と本にまつわる話しが収録されています。

わたしの感想や印象もところどころ追記するので参考になればと思います。

ル・コルビュジエ全作品集 全8巻揃 【日本語版】

3大巨匠の1人コルビュジエの作品集です。

私のアイコンでも使わせていただいているロンシャンの教会モデュロールなどで有名ですね。

作品集というよりも、コルビュジエが本を作っているという印象を受ける作品で思考や主張などが強く感じられる1冊になっています。

全8巻で全ての作品が載っているので内容もボリュームも十分

この本はかなり高いのですが多くの建築家がコレクションしています。

特集のなかでも、西沢立衛や槇文彦、青木純など著名な建築家が
影響を受けた本として紹介しています。

学生は少し手が出し辛いので、大学の図書館でじっくり見て見ましょう。

建築をめざして

巨匠コルビジェが見た建築の世界観を見ることができる一冊。

コルビジェがこの本を書いたのはなんと100年前!

現代になっても通用する建築の見方がまとまっており
ノーマンフォスターやリチャードマイヤーなど多くの有名建築家が

この本では、現代の建築家に対して

・忘れていることはないですかと気付きを促す
・伝統に埋没して先進の技術を採り入れず進歩を止めていませんか

という2つの軸で構成されています。

コルビジェのスケッチや写真とそれに付随した説明がある。

飛行機や、自動車など、新たな乗り物を取り上げて、そこから建築論を展開しているのが、実にユニーク。

最後の章では、量産住宅、というコンセプトも説明されている。

建築の多様性と対立性

Vロバート・ヴェンチューリの書いた本です。

ポストモダンの代表的な理論書と言われており
この本の中ではモダニズム批判が展開されています。

純粋主義や機能主義と言われることがあるル・コルビュジエも、よく見るとこんなにも多様性と対立性を内包しているんだよと教えてくれる1冊。

本書は、ヴィンセント・スカーリー氏によって、ル・コルビュジエの『建築をめざして』以降で最も重要な書物と紹介されている。なぜなら、ル・コルビュジエが純粋なものを賞賛しているのに対して、正反対のことを述べているが、相互に補いあっているからだ。しばしば、ル・コルビュジエ、ミース、グロピウスに代表される近代建築に対しての、アンチテーゼとして語られることが多い本書だが、実際には、ル・コルビュジエに関しては特に多様性と対立性が見て取れるとして、擁護している。つまり、この本は、「排除されることで得られる安易な統一」に対して否定しているのであって、近代建築全体を批判しているのではない。 (レビューより参照)

こちらもSD選書で日本語訳されて販売されている本なので
学生でも手軽に買うことのできる本。

書いてある内容が低学年だと少し難しいかもしれないですが
とても勉強になる一冊です。

都市の建築

現代建築界の論客ロッシの主著であり、いまや古典となりつつある名著の翻訳版。対症療法に甘んじる都市学者や都市計画者の都市の認識に反駁を加える彼の都市論は、初版から25年経った現在でも光彩を放っている。
*本の紹介文より

アルドロッシの書いた本の翻訳版です。

この本も紹介した『建築の多様性と対立性』と同じようにポストモダンについて書かれています。

40年ほど前に書かれた本なのですが、ポストモダンの本当の姿を考えさせてくれる一冊になっています。

そもそも都市を語るのは難しいと語っているところも面白い。

都市は「基本要素」と「住居」を分けて考える必要があり、文化による差異をまずはないものとして考えることで都市そのものの考察が可能になる

住居ほど生活と密着した建築物は無く、生活習慣はその地域の気候や民族の文化、宗教などとの深くかかわってくる。

住宅などの地域特性や習慣を排除した世界中にある都市の共通するものを見いだすことで都市についての考察を行なっている。






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