シリーズ『ベランダ越しの猫』1

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我が仮寓には、ちょっとした庭が「おまけ」で付いている。
庭は隣の社員寮とブロック塀で区切られていて、
そこが「猫道」になっている。
毎日何回も猫が通る。

越してきたときには、大きな三毛がいた。
どうもここいらへんのボス的存在のようだった。
威風堂々として、ものすごい存在感があった。
オレはその三毛を「キャン玉親分」と名付けた。
キャン玉親分とは路でもよくすれ違った。
もちろん、親分だけに人間とすれ違ったくらいでは、
まったく動じない。
ところが、一昨年あたりから、
親分を見かけなくなった。
猫は姿を隠して死ぬらしい。
親分もどこかでひっそりと彼岸へ旅立ったのだろうか?

しばらくして、白黒のブチが現れた。
縄張りが入れ替わったらしい。
どうもメスのようだ。
朝から晩までにゃーにゃ―泣きわめき、
ときどき艶っぽい声を出したりする。
しばらくして、
仔猫を引き連れて猫道を歩くようになった。
仔猫はルールがわからないから、
庭に降りてきて遊んだりする。
オレが覗くとさっと逃げる。

※タイミングよく撮影できた写真をシリーズでちょくちょく紹介します。

よろしければチャリンとしていただけたら、この上ない喜びです。何卒、何卒!