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大切なことは、目に見えない

📚『星の王子さま』サン=テグジュペリ

僕が大好きであり、何度も読み直している本の一つ。
とても有名な物語であるし、この本を好きだという人も周りには多い。この本のすごいところは読む年齢によって読後に抱く感想が違ってくるということだ。最近久しぶりに「星の王子さま」を読んだので現時点での感想を綴りたい。

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まだ知らない人がいたら内容を話すぎるのも良くないと思うので、あらすじ全般については割愛する。読んでいない人はぜひ読んで欲しい。

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“大切なことは、目に見えない”

この本のテーマはこの言葉に集約されるのではないか。

僕らは「こども」だった頃から、気付いたら「おとな」のカテゴリーへと移行される。僕も例にもれず、いつのまにかおとなカテゴリーへと移されてしまった人間の一人だ。おとなへと続く階段を登る中で、こどもの時のような純粋な気持ちを失ってしまったなと感じることは多い。どこか客観的に見てしまうというか、損得感情で動いてしまったり、目的を探してしまったり、と。

サッカーにおいてもそう。幼い時はサッカーから得られるものに満足していたわけではなく、ただサッカーをするということが純粋に楽しかった。ボールを蹴っているだけで満足だった。それ自体が目的として成り立っていた。

はじめにテーマが「大切なことは、目に見えない」に集約されるのではないかと触れたが、もしかすると「大切なことは、目に見えない」のではく「大切なことが、目では見えなくなる」のではないかと思う。

それは良しとすべきことなのか。それは仕方ないことなのか。それを良しとしまうのが「おとなになった」ということであり、その状況で僕たちがすべきことは見えなくなったものを「見ようとする作業」ではないだろうか。

作品の中で、「おとなというものは数字が好きです」という言葉がある。本当にその通りだ。いつしか数字と言った表面上のものばかりに囚われてしまっている。もちろん、数字も大事だ。しかし、それ以上に大切なことはあるし、やっぱりそういったものは目には見えない。

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プロになってすぐの時、周りのレベルに追いつけず、心が折れかかっていた時期がある。そんな中で、大学の友人が旅行中のフランスからタイミングよくこんなものを送ってくれた。

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大学の友人からの手紙

このハガキには本当に救われた。もう少し踏ん張ってみようと思えたし、元気が出たことを今でも覚えている。

思い返せば作品中の王子さまとキツネの関係に似たようなものだったのかもしれないな。僕の活力になったのは間違いない。この友人とは今でもたまに連絡を取るが今年「教員採用試験」に合格した。こんなに嬉しいことはない。彼ならきっと子どもたちにとっていい教員になると思う。この場を借りておめでとう!

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もちろん、人と人との繋がりは目に見えるものじゃない。でも見ようとしたり感じたりすることはできる。またそれは自分が発信することで繋がるきっかけにもなる。

僕らサッカープレーヤーは、ピッチ場で何ができるかが常に問われている世界。プレーヤーである限りそこは絶対に揺らぐことなはい。でも、試合を見てもらうときにそのプレーヤーの人柄や背景や想いを知った上で観るのでは違った印象を与えるのかもしれない。そんな見えない部分まで見てもらえるプレーヤーになれたら幸せだろう。いつかそんな選手になれたらいいな。

見えないものを見ようとする重要性。久しぶりに読んだ本はそんなことを気付かせてくれた。また時間が経ったら読み直そう。

やっぱり、 “大切なことは、目に見えない”

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