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未成年アイドルの喫煙・飲酒騒動を振り返る

 今夏のパリ五輪代表のエース的存在だった宮田笙子の喫煙と飲酒が発覚して出場を辞退したニュースが記憶に新しい。あれだけセンセーショナルに報道されるのは2006年の加護亜依の喫煙以来ではないだろうか。

 未成年による喫煙・飲酒が発覚した場合、謹慎または無期限の活動休止に入り、元の場所で活動を再開することなく、そのままグループを脱退または所属事務所を退社(事実上の引退)という事例がほとんどである。

 以下は写真週刊誌で報じられて話題になった未成年アイドルによる喫煙および飲酒の騒動。

  • 1983年6月、わらべ 高部知子の喫煙騒動(通称:ニャンニャン事件)

  • 1985年4月、おニャン子クラブのメンバー6人による喫煙騒動(通称:週刊文春喫煙事件)

  • 1999年1月、ジャニーズJr.のメンバー4人による喫煙および飲酒騒動

  • 2005年7月、NEWS 内博貴の飲酒騒動

  • 2006年1月、NEWS 草野博紀の飲酒騒動

  • 2006年2月、元モーニング娘。加護亜依の喫煙騒動

  • 2007年4月、女優 片瀬那奈の未成年時の喫煙プリクラ流出騒動

  • 2011年6月、Hey!Say!JUMP 森本龍太郎の喫煙騒動

 ジャニーズJr.の4人は、写真週刊誌「FRIDAY」(1999年1月29日号)で「ジャニーズJr.4人が溺れた“乱痴気パーティ”現場」という衝撃のタイトルで掲載された。当時15~16歳だった4人のメンバーによる喫煙および飲酒を伴う深夜パーティの現場が撮られたもので、同席していた女子短大生が乱痴気パーティの様子を誌面で語っている。この騒動は警視庁が事情聴取するにまで発展し、当然ながら4人のメンバーは事務所を解雇された。その中にはアイドル誌で合同表紙を飾るほどの人気メンバーも含まれており、約半年後に結成された嵐のメンバー選出にも多少の影響が出ているという(!)。

 当時、ジャニーズJr.のリーダーを務めていた滝沢秀明は『Mステ』で騒動について謝罪したらしいが、彼も騒動に関与していたのではないかという噂があった。その3年後には再び「FRIDAY」で滝沢の合コンでの泥酔写真が掲載され、17歳の時に撮影されたとされるものだから立派な未成年飲酒にあたる。先ほどの彼らのように解雇されてもおかしくなかったが、こちらはお咎めなしとなっている……。

 NEWSおよび関ジャニ∞の内博貴は、2005年7月15日未明に仙台市内の公園で酒に酔って大声を上げていたとして通行人からの通報で警察に一時保護された(いわゆる補導)。NEWSは当時、女子バレーボールワールドグランプリのスペシャルスポーターを務めており、4thシングル「TEPPEN」のプロモーション期間中でもあった。さらに内はドラマ『がんばっていきまっしょい』に主要キャストとして出演していたため途中降板、撮影や編集が間に合わないためメイキングを加えた特別編を急遽放送、代役を立てて撮り直し…と大きな影響が出た。

 翌日、スポーツ紙や朝の情報番組において未成年であるため実名を伏せた状態で「NEWSの未成年メンバー」と報じられたが、その後の続報としてフジテレビの社員や女性アナウンサーと共に飲酒をしていたことが発覚。同席していた役員や社員は減俸または減給処分となり、女性アナウンサーは無期限の謹慎処分が科せられる事態にまで発展した。一部の報道では、女性アナウンサーが内に対して飲酒を勧めたと報じられたが、後のインタビューで「自分が飲ませたわけではなく、実際には相手が他の場所で既に飲酒していた」と言及している。

 喫煙騒動の代表例(?)とされるのが、当時18歳だった元モーニング娘。の加護亜依だ。同期の辻希美と共にW(ダブルユー)として活動していたが、写真週刊誌「FRIDAY」(2006年2月10日号)にて「元『モー娘。』加護亜依「未成年深夜のタバコ現場」撮った」というタイトルでバージニアスリムを吸っている姿が撮られ、無期限の謹慎処分となった。朝の情報番組ではNEWSの内と同様に実名を伏せた状態で「元モーニング娘。の未成年メンバーA」「人気タレント」などと報じられ、一般人へ街頭インタビューを行う番組もあったほど報道は加熱していった。収録済みだったバラエティ番組はテロップ表示あるいは加護の映ってる部分がカットされるなど対応に追われ、シングルおよびアルバムはお蔵入り、ファンクラブツアーは中止、ハロプロコンサートDVDの発売中止…と多方面に大きな影響が出た。

 喫煙騒動から1年後には所属事務所でお茶汲みや電話の応対といった事務の手伝いと社会勉強を行なっていたが、「週刊現代」(2007年4月7日号)で二度目の喫煙が報じられ、所属事務所との契約が解除(解雇)された。

 今回は簡単に3つの事例について紹介した。アイドルは常に品行方正なイメージが求められ、成人済みであっても喫煙・飲酒によって印象が大きく変わる。近年も一般人が偶然撮影したと思われる某人気アイドルの喫煙動画が流出したり、公式SNSで某若手俳優が立ち話をしながら喫煙している姿が映ってしまったことがあった(彼らは成人しているため法律的にはOK)。

 しかしながら、アイドルの売り出しによっては喫煙疑惑が浮上しても「ふざけてタバコを持っていただけ」と声明を出したり、ひたすら沈黙を貫く事務所も少なくない。番組サイドに圧力をかけて報じない事務所も……。しっかりルールに則って対応してほしいと筆者は思う。

 未成年の喫煙・飲酒はダメ、ゼッタイ──。

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