倫理政経ポイント解説⑤(政経)
こんにちは。今回は現代経済の基本的な仕組みについて解説します。
経済とは・・・財・サービスの流通と消費の仕組み
生産要素・・・土地・労働力・資本
資本主義経済と社会主義経済
●資本主義の確立
流れだけ抑えましょう。
重商主義の発展(富は貿易の差額によってのみ蓄積されるという考え)によって商人が資本を蓄積
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土地囲い込み(エンクロージャー)→土地を囲って所有権を明確にする
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産業革命による生産性の向上によって確立
●資本主義の特徴
生産手段を持つ資本家階級(ブルジョアジー)
生産手段を持たない労働者階級(プロレタリアート)によって構成
①生産手段の私有
→資本家が労働者を雇って生産活動を行う
②市場経済における自由競争
→価格や取引量を市場に委ねる
③利潤のための企業
→利益のために生産活動を行っている
※アダム・スミスの思想
アダム・スミスは「国富論」の中で重商主義を批判し、各人に任せた自由な経済活動(=自由放任政策 (レッセ・フェール) )を実行すれば「神の見えざる手」によって社会はうまくいくとした。
また、国家の活動は最小限にするべきという「夜警国家観」(=小さな政府)を唱えた。
●資本主義の弊害
①市場の独占
→重化学工業の発展が原因、自由競争を阻害
②激しい景気変動
→生産力の向上による過剰生産、販路獲得のための帝国主義。また、1929年のアメリカの世界恐慌など
③貧富の差の拡大
●資本主義に関する思想家
アダム・スミス
→小さな政府
ケインズ
→修正資本主義(政府が需要を創出して完全雇用を目指す)
大きな政府→行政機構の肥大化と財政赤字を生んだ(資本主義経済の課題)
フリードマン
→小さな政府を目指す(新自由主義)貨幣の供給にルールを設けることに主眼を置く
●社会主義の特徴
主要人物→マルクス(主著:資本論)とエンゲルス
この二人は自らの考えを科学的社会主義としサン・シモン、オーウェン、フーリエらの考えを空想的社会主義として批判した
特徴
①生産手段の社会的所有
②計画経済
ポイント
ソ連→ペレストロイカ
中国→改革開放政策(経済特区の設置や社会主義経済の推進)
ベトナム→ドイモイ(刷新)
経済の主体
●家計
生産要素の提供を行い対価として所得を得る
(所得)ー(財・サービスの消費)=(貯蓄)
●政府
税や公債によって資金を家計・企業から集め、社会資本の整備や社会保障を行う
●企業
・活動
生産活動によって利潤を得る
利潤は株主など会社の所有者に配分され、残りは内部留保として企業の資本となる
・種類
国による公企業と民間人による私企業、国と民間人共同の公私合同企業がある
公企業の種類
国営企業
公社
独立行政法人
私企業の種類
個人企業
会社企業
組合企業
会社企業の形態
株式会社→有限責任の株主一人以上
合資会社→無限責任社員と有限責任社員各一人以上
合名会社→無限責任社員一人以上
合同会社→有限責任会社一人以上
会社企業はすべて最低資本金の規定なし
※有限責任とは会社の負債に対して出資額を超えて責任を持たないこと
逆に無限責任とは責任の制限がない
・制度
株式会社において、株主の意思を反映するために株主による企業の監視である企業統治(コーポレート・ガバナンス)や企業の経営内容に関する情報公開(ディスクロージャー)が強化された
・社会的責任
法令遵守(コンプライアンス)
利害関係者(ステークホルダー)へのCSR(企業の社会的責任)を果たす
国際標準化機構(ISO)による環境保全の認証
慈善事業(フィランソロピー)
芸術文化への支援(メセナ)
市場の機能
需要供給曲線は後日やります。
需要と供給によって財・サービスの値段が決まる
(需要と供給の一致した点を均衡価格という)
また、需要と供給は一致するよう自動的に調整される(価格の自動調節作用)
これらの機構は売り手と買い手の多数存在する完全競争市場でのみ成り立つ
●競争と独占・寡占
独占や寡占は市場機構の機能を妨げる
独占の形
競争を避け、企業間で価格などを取り決めるカルテルを形成
合併や統合によるトラスト
持株会社によるコンツェルン
※持株会社とは他の会社の株を持って支配する会社
独占(寡占)企業の特徴
非価格競争
大企業がプライスリーダー(価格先導者)となり価格を決定(管理価格)
生産費用が低下しても価格が下がらない(価格の下方硬直性)
防止策として1947年の独占禁止法や公正取引委員会がある
●市場の失敗→市場が機能しない現象
公共財の性質
多くの人が同時に消費できる(非競合性)
特定の人の消費を排除できない(非排除性)
外部経済
他の経済主体に利益を与える
例)養蜂場と果樹園の隣接
外部不経済
他の経済主体に被害を与える
例)企業の公害
経済の変動
●経済活動の指標
ストックとフロー
ストック→ある一時点の資産
フロー →一定期間内の資産
指標
GDP、GNPなどは後日まとめてやります。
国民所得は三面等価の原則(生産、支出、分配)によって捉えられる。
●景気変動とインフレ・デフレ
ケインズによると生産量は有効需要で決まるという
有効需要の式
有効需要=消費+投資+政府支出+(輸出ー輸入)
・景気変動と景気循環
景気変動は有効需要の変化によって起こり4つの局面が循環する(景気循環)
景気循環
好況期→投資の増加による生産力の拡大
後退期→生産の拡大に需要が追いつかず、企業の利潤が減少、失業者増
不況期→倒産や失業の規模が拡大し、生産が縮小
回復期→生産の縮小によって需要が追いつく
好況期から不況期へ突入するのを恐慌という
景気循環
キチン循環(40ヶ月、在庫投資の変動による)
ジュグラー循環(7〜10年、設備投資の変動による)
クズネッツ循環(15〜25年、建設投資の変動による)
コンドラチェフ循環(50〜60年、技術革新による)
名目経済成長率と実質経済成長率については後日やります。
閲覧ありがとうございました。今回は後日まとめて計算問題として扱う部分が多かったのですが、それについては少々お待ち下さい。
参考になれば幸いです
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