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異星人生活日記⑤ 〔HUB・聞こえてきた・初の物語〕

私はお酒が好きだ。アル中とかそういうわけではないが、人並みには好きだ。週に1回から2回ほど家で飲んだり、外で飲んだりする。もちろん、外で飲むとはどこかのお店でということだ。この日は、俗に「HUB」と呼ばれるような場所にやってきた。適当に飲み物とおつまみを購入し、思いついた小説の案を構想しようとPCを立ち上げ、アルコールで適度にふやけた脳みそを働かせていた。飲んでいるお酒はジントニック。美味しいか、と聞かれれば人によるとしか言いようがない。ちなみに恋人は「薬品みたい」と言っていた。「HUB」はいい感じに騒がしすぎず、静かすぎず。このほどよい日常感と非日常感がまざった感じ。お酒を飲む場としては最適といえるのでは、と思う。
と、お酒を飲みながらあれやこれや案を考えては捨て、考えては忘れ、を繰り返していると、後ろの席からなにやらヒートアップした会話が聞こえてきた。声の音量が大きい。アルコールが拡声器として機能している可能性はあるが、まぁこれは大きい声と言っていい大きさだった。するといきなり聞こえてきたのはこのような内容。先に示すが盗み聞きをする趣味は全くない。ただ、本当に店内のBGMより大きな声で聞こえてきたのだ。
「嫁いだ先のいうこと聞けへん嫁は失格。呼び出しやわ。」
うわお。大丈夫かこの会話。ここでその音量でして大丈夫か。Twitterで呟けばいいのに。つぶやく人と内容によれば良くも悪くも話題になり、翌日には忘れられそうなことを話している。どうやら話しているのは、話題にあがったお嫁さんの義姉、もしくは義母にあたる人とその友人といったところだろうか。また、お嫁さんは聞こえてきた名前から察するに日本人ではないようだ。そして、お金持ちらしい。どうやら、それを気にくわない節も会話から聞こえてきた。正直このような話を聞いて、一概にはなんともいえないが、酒とおつまみの味が少し美味しくなくなったのは事実だった。願わくば、周りに聞こえない音量で話てはくれないだろうか。少し待っても声のボリュームは下がるところか上がるまであったため、そそくさと退店させていただいた。話の内容には思うところはあった。どうやらその義母か義姉は借金かローンかの何らかの返済に苦しめられているそうだ。だからだろうか、金持ちがやるようなSNSを身近な人物がやっていることに心底腹が立っているようだった。誰も悪くはないが、勝手に気分が悪くなってしまった。
そんなこんなで、HUBにて過ごしたひと時で、唯一小説として書けそうなものができた。今はそれの執筆中である。執筆という言葉を使う日が来るとは。少し恥ずかしいが普段行う「書く」という行為とは一線を画すのは間違いない。人生で初の物語。正直、面白い面白くない、なんてわからない。だから、目標はこの小説を完成させること、この一つに絞ろうと思う。完成品を投稿するのもいいが、その方式をとると、途中でやめてしまう可能性もある。それを防ぐためにもいくつかにわけて投稿しようと思う。行き当たりばったり。完成すれば御の字。それぐらいの気持ちで読んでもらえると嬉しいです。
さて、投稿に向けて最後の推敲をしよう。

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