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徒然に読書メモ

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本の感想に主眼を置いた投稿をまとめています、何らかのきっかけになれば、望外の喜びです。
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#創作大賞2024

いろいろ悩みましたが、、【 #愛読書で自己紹介 】

 新年に入りふと思い立ち、少し前から note を始めているのですが、読書系の記事を辿っているうち、面白そうな企画「#愛読書で自己紹介」を拝見したので便乗させていただこうかな、と。 正直、3人・3冊に絞り込むのはどうにも悩ましかったのですが、、今回はこちらの3作品にしてみました。 『桜宵』(北森鴻)  三軒茶屋の路地裏に静かにたたずむ「香菜里屋」というバーを舞台とした連作短編集です。中でも特に印象に残っているのが「桜宵」の一編、「御衣黄」と呼ばれる、その名が示すように「

【読書メモ】『大学で学べる科学的素養』(著:大坪嘉行)

まぁ、藤井さんがアレなのは確かですし、石丸伸二氏みたいな京大出身者をみるとイジリたくなる気持ちも分かります。そういや前の職場にも京大卒で公認会計士とか東大院卒で経営学を修めてます、なんて触れ込みの人たちも居られましたが、まぁ、酷か(略 とはいえ、さすがに「何の役に立つかも分からん研究」との言い回しはアレですね。「学問」を根底から否定しています、こういう所がちょっとなぁ、、と思ってしまう部分です。 で、学問とのフレーズで思い出したのが、少し前に序章だけつまみ食いして「X(旧

【読書メモ】『夏から夏へ』(著:佐藤多佳子)

パリ五輪前哨戦となるダイヤモンドリーグ、男子陸上400Mリレーにて今季ベストタイムで優勝されたとの事、幸先のよいスタートをきれているようでよかったです。 前回・東京五輪でのバトンミスは残念でしたが、あれは攻めた結果ですし仕方がなく、リオ五輪の夢再び!とあらためて期待しています。そのリオで2位になった時のレース映像からは今でも身震いするほどの感動をいただけています。 なんて考えながら、この季節になると思い出すのが『夏から夏へ』との一冊となります、ノンフィクション。 日本で

【読書メモ】『竹林はるか遠く - 日本人少女ヨーコの戦争体験記』(著:ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ / 訳:都竹恵子)

朝日新聞とその不愉快な仲間たちがひたすらに虚構まみれに積み重ねてきた、戦時中の慰安婦に強制性があったとの誤謬を学術的に論破したハーバード大のラムザイヤー教授が、国家基本問題研究所(国基研)の「日本研究賞」を受賞されたとの事です。 感情論ではなく論理的な議論こそが「学問の本質」だよなぁ、かといって、戦時中の出来事を伝えていくに、子どもたちに学術論文は中々ハードルも高いよなぁ、なんて考えながら思い出したのが『竹林はるか遠く - 日本人少女ヨーコの戦争体験記』との一冊。 著者・

【読書メモ】『旅猫リポート』(著:有川浩)

確か映画化もされていた『旅猫リポート』、有川さんによる猫の物語。そこそこ前に図書館で見つけてサラッと読みました(文庫版が手元にもあります)。 主人公は野良猫と一人の男(猫好き)。 気ままに生きてきた野良猫が、とあるきっかけから一人の男に拾われるところから物語は始まります。そのまま何気ない日々を送っていたのですが、ある日、猫好きのはずの男は(元野良)猫の里親を探しに、長い旅に出ることになります。 男は人間たちと、猫は動物たちと、、それぞれ旅先での交流を交えながら縷々転々と

【読書メモ】『ルネサンスの女たち』(著:塩野七生)

塩野さんの代表作といえば『ローマ人の物語』ですが、デビュー作はルネサンス時代の女性たちを題材にした『ルネサンスの女たち』、短編集扱いでいいのかな。私自身は学生の頃に古本屋でみつけた中公文庫版がお初で、今は新潮文庫版も手元に置いてあります、確か。 なお新潮文庫版は2012年発行ですが元々の中公文庫版1969年発行、もう50年以上も昔の一冊になりますが決して古臭さはないよなぁ、と今でも。 「デビュー作にはすべてがつまっている」とはよく言ったもので、史料にただ溺れることもなく、

【読書メモ】『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』(著:皆川ゆか)

少し前から都知事選が始まっていますが、やはり妙な気配を感じますね、、単なる「どぶ板選挙 vs 空中戦」の延長とは思えずに、ややもすると「経済安全保障」の枠組みとその派生等々をきっちりと意識しておく必要があるのではないか、なんて感じる部分も折々に。 果たして「当選した後の<都政>」を真摯かつ現実的に考えている方がどこまでおられるのか、、少なくとも、公職選挙法すら守る気配を欠片もみせない「蓮舫氏」、「石丸伸二氏」の両名にはその真摯さはないだろうな、と既にきっています、蓮舫氏は告

【読書メモ】『スミスの本棚』(著:テレビ東京報道局ワールドビジネスサテライト)

個人的にはあまり小池さんを評価していませんが、それでもこの学歴詐称?問題については、カイロ大学から卒業証明書が担保されている以上無理筋ではないかなぁ、と。これ以外に追究するネタはないのかな、、それこそColabo不適切会計問題とか、公文書黒塗りとか。 まぁ、それ以前に道路交通法や公職選挙法などの各種ルールを守る気するなさそうな、ソ(ヴィエト)蓮(舫)さんやストーン(石)サークル(丸)さんは問題外ですけどね、マジで民主主義下の選挙で遊ぶのは勘弁してください(日本以外でやってく

【読書メモ】『八月の六日間』(著:北村薫)

富士山、5合目辺りまで(車で)行った覚えがあるかどうか、また登山自体も学生の頃に高尾山に初日の出を見にいったくらいで、、そういえば子供を登山目的で山に連れて行ったこともなかったような、我ながら不思議です。 なんて考えながら思い出したのが『八月の六日間』との一冊。手に取ったきっかけは、何かの雑誌での著者の北村さんと華恵さんの対談にて「年を経ていくごとに繰り返して読みたい」なんて話されていたのが印象的だったから、だったかな。 主人公はアラフォーの編集女子、副編集長からそろそろ

【読書メモ】『マオ - 誰も知らなかった毛沢東』(著:ユン・チアン, J・ハリデイ / 訳:土屋京子)

本日は「6月4日」、共産中国を語るに忘れてはいけない「天安門事件」の日です(※今回のヘッダ画像は拾い物です)。 珍しくNHKもフラットに伝えていますが、自身が「報道の自由を阻害されて困っている」とまでの言及はないのですね、、やはりきちんとした公共性の高いメディアが欲しいなぁ、国営でよいので。その前に、NHKのサブスク化が先かな、日本にとっての存在価値、もはや欠片も無いでしょう。 なんて、この時期になると思い出す書籍群の一つに『マオ - 誰も知らなかった毛沢東』があります。

【読書メモ】『ゲームのルール』(著:ピエルルイジ・コッリーナ / 訳:山口英雄)

少し前、久保君のパリ五輪への不参加が確定との記事を見かけました。本人も納得しているとの事で、東京五輪での号泣の様子を覚えている身としては少し意外でもありましたが、ホッとしていたりも。 今のチームでの活躍も凄いことになっていて、良いシーズンを過ごせていることの裏返しとも思いますし、2年後の2026年のワールドカップ本選への準備をしておきたいのかな、なんて見てみたりも。 サッカーのワールドカップというと、個人的にはまず2002年の大会を思い出します。チケット争奪戦には勝てず大

【読書メモ】『フィンランドはもう「学力」の先を行っている - 人生につながるコンピテンス・ベースの教育』(著:福田誠治)

小中学生くらいの頃だったと思いますが、母親から「生きていく限り、一生勉強だからね」と繰り返し言われていたことを不思議と今でも覚えています。母親は服飾の短大、父親は高卒から国家公務員(今でいうⅢ種になるかと思います、国税専門官)で、アラフィフな私の親世代(70代)としてはそう珍しくもない組み合わせかと。 父が10年以上前に定年を迎え、今現在は二人ともに実家(両親ともに同じ地方出身)に戻って悠々自適に生活しています。父は長年培った国税専門官としての経験の活用とボケ防止もかねてか

【読書メモ】『日本国憲法はどう生まれたか? 原典から読み解く日米交渉の舞台裏』(著:青木高夫)

本日(令和6年5月3日)は憲法記念日、岸田政権下での憲法改正発議も現実味を帯びてきている昨今、もう一声、国民からのプッシュも必要だなぁ、なんて、江崎先生の論考も拝読しながら。 私自身、法(ルール)は時代時代にあわせて変えていくべきと思いますし、日本人として大事にしたい原理(プリンシプル)を維持できるのであれば、自然と解釈も含めて変わっていくものでもあろうと考えています。なお、ここでいうプリンシプルは「国体」や「国柄」との言葉でも表現できると、個人的には。 まぁ、今の自分の

【読書メモ】『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(著:アビゲイル・シュライアー / 訳:村山美雪,高橋知子,寺尾まち子)

医学系は、血を見るのが苦手だったりする(注射も針が刺さるところを見れません)ので、精神疾患系であっても、小説、ノンフィクション問わずにどちらかと言うと食指が動く方ではないのですが、、これだけ話題になっていると反対に気になりまして、、さらっと読んでみました。 著者のアビゲイル・シュライアーさんは私とほぼ同世代か少し下くらいと思われますが、上述の感覚は国は違えど日本でも似たような感じでは?と、同世代の女性の方にもうかがってみたいところです。 中高の10代後半から大学卒業くらい