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【やさしい】思い当たるフシはありますか?女性編【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊症のやさしいガイダンスです。

こちらも併せてどうぞ。


前回のお話はこちら。

前回の引きは、

『思い当たるフシはありますか?』
不妊症を疑うきっかけとは?

ということでした。
それではお話していきましょう。


疑わなくては始まらない

明らかな原因があれば不妊症になります、という話でしたが、
その原因を調べるためには、医療機関に行かなければいけません。

何にもないのに医療機関に行く人はあんまりいないでしょう。
特に妊娠の問題は、わかりやすい症状がないことが多いです。

ですので、もしかしたら?と疑わなければ始まりません。

考えすぎかな?とは思わず、まずは疑ってみましょう。
思い過ごしでも結果オーライです。

後から気づいて、手遅れになることは避けたいですからね。


思い当たるフシは?女性編

では、実際に例を挙げていきましょう。

まずは女性側から。
これからお話するようなことに、思い当たるところはありますか?

・年齢が40歳以上
・月経周期に異常がある
・腹部の手術をしたことがある
・子宮内膜症と言われたことがある
・子宮筋腫と言われたことがある
・子宮腺筋症と言われたことがある
・骨盤内の感染症を起こしたことがある
・クラミジアに感染したことがある
・抗がん剤や放射線治療を受けたことがある
・うまく性交渉ができない

これらは、『排卵』『受精』『着床』に問題があることを示唆します。


排卵の問題

・月経周期に異常がある
これは、排卵の問題を疑うエピソードです。

月経周期は、基本的に排卵で決まります。
排卵してから、妊娠が成立しなければ約2週間後に月経が来ます。
つまり、排卵の時期にズレがあると、月経周期のズレとして表れます。

月経周期は25~38日型で、変動が6日以内が正常です。
周期が25日より短い場合や、38日より長い場合、周期の変動が1週間以上ある場合は月経不順です。

こういった月経不順のある方は、排卵に問題がある場合があります。

ただし、月経不順がないからと言って、必ず排卵が起こっているわけではありません。
多くはありませんが、うまく排卵がおこっていない方もいます。


受精の問題

・腹部の手術をしたことがある
・子宮内膜症と言われたことがある
・骨盤内の感染症を起こしたことがある
・クラミジアに感染したことがある
これらは受精の問題を疑うエピソードです。

卵管は受精の場となります。

腹部の手術、子宮内膜症、感染症はすべて、卵管の動きを制限してしまうことがあります。

人間の体は、傷が治るときに周りの組織を巻き込みながら治ることがあります。
これを『癒着』といいますが、卵管がこれに巻き込まれてしまうことがあります。

卵管の動きが制限されてしまい、場合によっては詰まってしまうこともあります。
また、卵管の端っこの卵管采が閉じてしまった場合は、卵管内に卵子が取り込まれなくなってしまいます。

これと同じことが、子宮内膜症や感染症でも起こることがあります。

子宮内膜症はもともと周りとくっついていく性質を持っています。

また、感染症が治るときにも、手術後と同じことが起こります。

クラミジア感染もまた、骨盤内の感染を起こすことがありますが、クラミジアは卵管の内部を荒らしてしまう性質を持っています。
これによって、受精卵を運ぶ機能を失わせたり、卵管の内側を癒着させてしまうことがあります。

重症例では卵管が水風船のように膨らんでしまう、卵管留水症と呼ばれる状態になることがあります。
こうなってしまうと、着床にも問題を起こすことがあり、手術で切除をしないといけない場合があります。


着床の問題

・子宮筋腫と言われたことがある
・子宮腺筋症と言われたことがある
これらは着床の問題を疑うエピソードです。

子宮内に異物がある場合、着床は起こりにくくなります。
子宮内にプラスチックの器具を入れておくだけで避妊効果を発揮しますので、子宮内に筋腫などの異物があれば着床しにくいのは想像がつくと思います。

子宮の内側に張り出した筋腫がある場合は、着床に問題を起こすことがあります。
ただし、筋腫の位置によっては影響がない場合がありますので、筋腫があれば必ず着床に問題を起こすわけではありません。

子宮腺筋症は、子宮の筋肉の中で子宮内膜類似の組織が増殖する病気です。
腺筋症が妊娠に与える影響はまだまだ不明な点が多いのが実際で、不妊症の関連についてもさまざまな説があります。
体外受精の成績を低下させるというデータもありますので、早めに妊娠を考える必要があるかもしれません。

子宮の内側に張り出した筋腫も腺筋症も、過多月経の症状を起こすことがあります。
腺筋症は、強い月経痛の症状を起こすこともあります。

月経が多いときに、夜用のパッドを2時間くらいで交換するなら、過多月経と言えるでしょう。
こういった症状のある方は、注意したほうが良いかもしれません。


その他

・年齢が40歳以上
・抗がん剤や放射線治療を受けたことがある
これらは、卵子の問題を疑います。

卵子は年齢の影響を受けやすいため、40歳以上と高齢になってくると、それだけで不妊症の要因となります。

卵子や精子などの生殖細胞は、抗がん剤や放射線の影響を受けやすく、過去の治療によって大きなダメージを受けて数を減らしてしまっていることがあります。

もしこういった治療歴のある方は、現状を把握しておいてもよいかもしれません。
もともとの病気の主治医の先生ともしっかり相談をしてください。

・性交渉がうまくできない
この場合ももちろん妊娠しない原因となります。

心理的な要因がある場合も多いですが、人工授精などで対応できる場合もあります。
もちろん心理的な要因を取り除ければそれが一番良いですが、対応できる方法があると知るだけでも、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。


次回は男性編です

女性編が案外長くなってしまったので、男性編は別稿にします。

では次の記事で!


妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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