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広げるべきか、絞るべきか。

noteについて、ではない。ここに何を書くか?という葛藤は、noteを始めて1か月経った頃に振り返ってみた。

今回は、自分のキャリアについて、である。仕事をするようになって30年。これまでは、自分の思うように突っ走ってきた感が否めない。幸いにも多くの方々に囲まれ、時代に助けられ、色んな仕事に携わることができて感謝の気持ちでいっぱいである。

色んな仕事といっても、大きく分けて「編集・制作」「カウンセリング」の2つになるが、その中でさまざまな業務に携わってきたなぁと思っている。具体的な仕事内容については、追って振り返りたい。

50代になって思うことは、これまでと同じように「仕事」を考えていくのは、きっと難しくなるだろうということ。そして、「時間」も限られてくるという現実を受け入れざるを得ない。つまり、

広げるべきか、絞るべきか。

それが問題だ。と考えさせられるのだ。ここで言う広げるとは、若い時のそれとは違って、興味本位にそして手当たり次第にということではない。

例えば編集・制作の仕事では、編集力や進行(スケジュール)管理、ライティングやプロジェクトマネジメントといったスキルを得た。一応、20年くらいキャリアを積んだので、それなりにできることはあるだろう。といって、じゃあゲームのアプリとか、それこそIT関連とか新しい知識を増やして広げていこう!とは決して思えない。そういう意味では、私がこれまで得た知識や経験は劣化あるいは退化していくのかもしれない。何となく勿体ない。

一方のカウンセリングについてだが、一口にカウンセリングと言っても実に色々な領域がある。ひとまず私は学生の就活支援をメインとしているけれど、社会人の転職・キャリア相談をはじめ、メンタルに不安を抱えている人や障がいを持っている人、あるいは女性専門といったカウンセリングも行ってきた。経験年数はようやく10年を超えたところで、これからも研鑽を積んでいきたい仕事だと思っている。

ならば、カウンセリングに絞ってやっていけばいいのでは。そう思えたらどんなに楽だろう。なぜ、そう思えないのだろう…。そんなことを考えながら信号待ちをしている時に、ふと降りてきた言葉があった。

統合である。

心理学やキャリコンの勉強をした人なら一度は聞いたことがあるだろう、E.H.エリクソン。彼が提唱している「心理社会的発達理論」の老年期における発達課題として出てくる概念である。この理論における老年期は、65歳~なので「ちょっと早すぎやしない?(;'∀')」と思うものの、「キャリア」「仕事」に限って言えば、ちょうどそんな時期に差し掛かっているのかもしれない。なるほど、と腑に落ちたのだった。

先日、社会人歴もキャリアも長い女性のカウンセリングを行ったときに、「言葉がとてもきれいで聞き入ってしまい、それだけで気持ちが明るくなりました」と感想をもらった。学生に言われたこともある。自分では全く意識していなかったし、そんな風に受け止められるのか、と予想外でもあった。多分、編集という仕事が大きく影響していると思う。

こうしたことが「自分のキャリアスタイル」になっていくのかもしれない。カウンセリングだけに絞れないと思ったのも、これまで積み上げてきたものを何らか活かしていきたいと、心のどこかで感じていたのかもしれない。

人生の半分以上の時間を費やして向き合ってきた仕事、興味関心の赴くままワーッと培ってきたであろうキャリア…。拡散して身につけてきたものを、どう統合してカタチにしていくか。

50代の一つの大きなテーマと言えそうである。

そして、知識と言うのは自分を助けるものでもある、と学びの大切さも改めて実感したのである。


今回も読んでくださってありがとうございます。E.H.エリクソンの理論は、言い得て妙な部分があるので興味があったらかじってみてください。

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