第816回 2020/7/21〜27の歴史ニュース

1、また1年のカウントダウン

ようやくミヤギも梅雨明け予想がされる頃となりました。

あと一週間の辛抱だ、と言われるとがんばれそうな気がします。

そういえば本来であったら東京オリンピックが開幕を迎える頃でしたね。

来年はどうなっているのか、未来を見通すのはなんと難しいことでしょう。

さて、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、こんな中でも調査成果はどんどん発信される

①佐賀県伊万里市教育委員会日峯社下窯跡の2019年度の発掘調査結果を発表 R14

②岐阜県御嵩町願興寺本堂(重文)で解体修理中に天正の落書きを発見

R28

③モンゴルのウランバートル大学らの調査で匈奴の都と思われる遺跡を発見 R28

④福島県の郡山地方史研究会が市から委託を受けて古文書調査 R9

⑤石川県七尾市の国史跡七尾城跡で整備に着手 R22

⑥山形県米沢市の小野川町の温泉旅館「吾妻荘」で伊達氏の山城「天狗山城」の模型を製作 R6

⑦中国内モンゴル自治区で古代の遊牧民族が残した岩絵群を新たに発見 R5

⑧滋賀県近江八幡市の安土城跡でレーザー測量により新たな曲輪を発見 R5

⑨沖縄県嘉手納町の米軍基地で遺跡調査を実施 R36

⑩兵庫県姫路市の和久遺跡で古墳時代初頭の水田跡を発見 R2

3、見方変われば評価も変わる

いかがだったでしょうか。

全くの偶然かと思いますが、匈奴の都ではないかという遺構が発見されたと思えば、内モンゴル自治区でも遊牧民族が描いた壁画が見つかっています。

同じ週にモンゴルネタがかぶることがあろうとは。

個人的には②の解体修理中の建物部材に落書きが見つかったという話題。

当時はこっそりと書かれたものなのでしょうが、

現代では創建や修理年代を特定するのに有益な情報だったりします。

一方で江戸時代に大流行した千社札もどこから来訪しているのか(信仰圏の復元)、参拝客の年代的変遷などを探る情報になるのではないか、とふと思いました。

場所によっては無秩序に貼られた千社札は美観を損ねるものでしかないため

修理の際に剥がされてしまって終わりです。

ちゃんと収集記録され、研究の俎上に上がったことがあるのでしょうか。

すこし調べて何かわかったら別稿にてご紹介できればと思います。

読者諸賢の皆様の中で詳しい方がいらっしゃったらご教授ください。

あとは⑩の米軍基地内で行われた発掘調査。

様々な制約があったことと推察いたしますが、

何より特筆すべきなのは戦前の屋敷跡の様相が分かったことを高く評価している点。

近世ですら、その地域に重要と見做されなければ調査することは難しい情勢のなか、

近代の、しかも100年も経たぬ屋敷跡について

大事な文化財だ、という意識が共有されているような記事でした。

なかなか他の地域では真似できないことかもしれません。


本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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