第559回 2019/11/5〜11の歴史ニュースまとめ

1、表と裏

昨日行われた祝賀御列の儀、皆さんご覧になりましたでしょうか。

5月1日に行われた剣璽等承継の儀から始まった5つの即位の礼に関する行事の最後の一つです。

本来は即位礼正殿の儀に引き続き行われる予定でしたが、

台風19号の被災地に配慮して遅らせたとのことでした。

参考に10月22日のnoteを貼っておきます。

結果的に晴天の下、穏やかな雰囲気で行われたパレードには

多くの拝観者が集まっている様子が中継されました。

この国の形を保つために、象徴としての天皇は必要なんだな、

と漠然と思っていたら

一方で真逆の意見が出されていました。

「日本史研究会」「歴史科学協議会」「歴史学研究会」「歴史教育者協議会」という歴史学に関する4団体が共同声明を発しています。

まあ、今回行われた儀式が明治以降に復興されたものであることはもちろん承知しているんですが、

日本国における天皇制存続の正当性を宣布しようとするものであることは明らかである

とか

現代日本の政治や社会の矛盾を覆い隠そうと意図している

という部分はちょっと語気が強すぎて引いてしまいます。

あんまり深入りすると炎上してしまうので避けますが

いろんな考え方があるんだな、というところでやめておきます。

ちなみに私が所属している「日本考古学協会」では特に同様の動きはないようです。

さて気を取り直して、いつものようにTLで見かけた歴史に関するニュースを集めました。

ヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

2、今週は15件のニュース

①八戸藩士の子孫が先祖伝来の刀剣などを八戸市に寄贈 R57

②伊藤若冲の初期の作品を京都市左京区の福田美術館が新たに発見したと発表 R36 C

③三重県亀山市の歴史博物館で企画展「えっ、今日から武士じゃない!?」を開催。12月1日まで R17 C

④岡山県新見市で中世から伝わる鉄の製法「たたら製鉄」を再現した学習会を開催 R105 C 

⑤浙江省湖州市で春秋戦国時代の越国上級貴族のものと思われる陵墓を初めて発見 R14

⑥群馬県高崎市の箕輪城でもてなし拠点整備など観光活性化に取り組む R17

⑦北海道北斗市の郷土資料館で特別展「土器たちの『かお』と『かお』のない土偶」を開催。11月10日まで R14

⑧京都市木津川市の山城郷土資料館で細川幽斎が採点した連歌の巻物を発見 R34 C

⑨東京都の日本民藝館で「柳宗悦と古丹波」展を開催。11月24日まで R22

10愛知県豊橋市図書館の「羽田八幡宮文庫」中に織田信長や豊臣秀吉の書状を発見 R74 C

11昨年の台風20号で被災した兵庫県丹波市の石龕寺の修復が完了 R53

12京都市東山区の浄土宗西福寺で洛陽四十八願所が存在した物的証拠である位牌を発見 R7

13兵庫県赤穂市博物館が大石内蔵助の書状を新たに入手 R33

14中国陝西省の秦咸陽城遺跡で「蜀守斯離」と記した青銅器が出土 R9 C

15長崎県唐津市の名護屋城博物館で「名護屋城と配陣図」展を開催。11月17日まで R39 C

3、鉄の作り方

今回もっともリアクションが多かったのは④のたたら製鉄の見学体験の話題。

大規模な製鉄には、原材料が近くで採れ、燃料の木材も豊富で、炉を作るのに適した風が吹くことも必要です。

どこでもできたわけではなく、古代から伝統的に製鉄の中心となった地域がいくつかあったようです。

中国山地はその中でも最も盛んに製鉄が行われていた場所です。

一度は見てみたい、と思う人が多いということでしょうか。

③の明治時代に士族がどういきたかにスポットを当てた展示についてと

⑨の民藝と丹波焼については少し掘り下げて触れました。

他にもいくつか掘り下げて紹介したいテーマが盛り沢山ですね。


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本日も最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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