第469回 2019/8/6〜12の歴史ニュースまとめ
1、夏の民族大移動
世間はお盆休みです。
新幹線は満席、高速道路は渋滞する、夏の風物詩ですね。
かく言う私も早めにお休みをいただいて諸々済ませてきましたので
明日からは通常営業です。
やはりこの時期は歴史のニュースは少なくなるのでしょうか。
いえいえ夏休みを利用したイベントの開催も盛んですし、
発掘調査現場もきっとこれからの一週間はお休みですが
先週はどこも稼働していたことでしょう。
いつものようにニュースタイトルの後ろ、Twitter上でコメントをつけてリツイートした結果、いいねとさらなるリツイートをいただいた数をR、コメントでやりとりしたものはCの記号を記しておきます。
2、今週も珠玉の7つの話題
①岩手県宮古市のイーストピア宮古で宮古港海戦にちなむ展示会。9月30日まで R33 C
②長崎県島原市の島原城跡で事前の発掘調査が行われないまま石垣を解体 R45 C
③岩手県奥州市で民具調査を開始 R21
④奈良県明日香村の飛鳥京跡苑池で湧き水を利用した流水施設を発見 R26
⑤千葉県船橋市の取掛西貝塚で縄文時代早期前半(約一万年前)の竪穴住居跡十軒などを発見 R37
⑥中国安徽省淮南市の武王墩古墓から盗掘された資料を回収 R15
⑦山形県南陽市の北町遺跡で縄文時代草創期の住居跡からマグロの骨が出土 R51 C
⑧大阪府大阪市の難波宮跡からノモンハン事件に関わる機密文書が出土。
R27
3、食文化の話題
いかがだったでしょうか。
リアクションが多かったのは②の島原城の話題ですが
すでに別稿で触れていますのでそちらをご覧ください。
⑦のマグロの骨の話題も多くの反応をいただきました。
現代人はみんなマグロ好きですね。
かくいう私はあまり脂が乗っているのは得意ではないので
白身魚や貝類の方が好きなんですが、
江戸時代に調味料が発達する前は
マグロが高級食材とはみなされていなかったという説があります。
時代によって、もちろん国や地域によって嗜好される食材は変わっていくんですね。
そういえば、土用の丑の日。
もうだいぶ過ぎてしまいましたが、
みなさんウナギ食べました?
もう絶滅危惧種みたいに報じられてしまってから
どうも食べづらくて今年はスルーしてしまいましたね。
こちらも江戸時代に作られた文化ではないかと言われています。
何を持って文化とするか、
古くから続いていれば尊ぶべきで、比較的新しいから価値がない、
というわけでもないので難しいですよね。
結局人々に支持されれば残っていくし、そうでなければ廃れていきます。
たまたま読んでいた本に河合雅雄が『人間の由来』の中で「文化」をどう定義しているかが載っていたので、孫引きにはなってしまいますが
ご紹介します。
ある社会の中で創出され、社会を構成するメンバーに分有され、世代を超えて社会によって伝承される生活様式
とのことでした。
世代を超えて、というところがミソですね。
江戸時代はもちろん、明治・大正・昭和の前半くらいまではもはや一世代前と言えるでしょうから
その頃から社会で共有されている生活様式であれば文化と言えるのではないでしょうか。
戦後の給食も地域ごとに特色があるので、もはや食文化と言えるようなものもあるでしょう。
なんだか脱線が長くなってきたのでこの話はまた別の機会に。
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