第390回 博物館探訪 第2弾 鹽竈神社博物館

1、思い出したように企画

だいぶ間が空いてしまいましたが、ふと思い立ったので今日はこの企画でいきたいと思います。

取り上げるのはこちら

まず地元以外の方、読めますか?

鹽竈は「しおがま」、平易な感じで書くと「塩釜」となります。

なんでも塩釜市に転入すると、「鹽竈」の書き順を教えられるのだとか。

鹽竈神社本体も歴史が古く謎が多いのですが

今回は宝物館的な位置付けで境内にあるこの博物館をご紹介します。

2、鹽竈神社の大旦那は政宗公のひ孫

実は神社にはしばしば訪れていたのですが、博物館に入ったのは初めてでした。

近くていつでも行けると思ったら後回しにしてしまう、

そんな経験ありあますよね。

さて展示ですが、

本博物館は二階建てで、一階は神社の宝物関係、

二階は塩づくり神事にちなんで、

塩づくりのあゆみから、海の生き物についてまで幅広いものが展示されています。

宝物についてはやはり神社ということもあり、

刀剣が奉納されることが多く名品が所狭し並べられています。

まずは重要文化財2点。

仙台藩主伊達綱村が奉納した「来国光」と神社の権禰宜の家に伝来した、銘「雲生」

どちらも鎌倉時代末期の作品とされています。

綱村が寄進したものは他にも多く、黒漆二枚胴具足なども展示されています。

初代政宗の月の前立てはあまりにも有名ですが、子孫たちにも月の形は違えど受け継がれているものです。

なぜ綱村時代のものが多いかというと

塩釜の街が発展するきっかけとなった「貞享特例」を行うなど特に思入れがあったようです。

今でも行われている神輿渡御の実物も飾ってあります。

3、塩と海の展示

二階の展示室には、近接する御釜神社で今も行われている藻塩神事の様子を動画で流しており、

全くの脱線ですが、ここの御釜の水が澄んでいると

天変地異の前触れだという俗説があり、

実際東日本大震災の前もそうだったとのこと。

塩の歴史の紹介ということで

塩づくりの歴史的な変遷を紹介するパネルや

実際に使用される道具、

世界各地から集められた岩塩塊などが展示してあります。

これはもっと深掘りすれば面白くなるネタですね。

さらに海の生き物たちの剥製や、分布を紹介するパネル展示。

一緒にいった6歳の息子が一番このコーナーに食いついていました。

古い郷土資料館だと、よくその地域に住む動物たちの剥製とかよく飾ってありましたよね。

4、どこも似たような課題が

総じて、料金の割には貴重な品が多く見応えのある資料館でした。

ただ、ありがちですが展示の更新があまりされていなかったのか、

昭和の雰囲気が濃い展示室内でした。

バックヤードに置くべき荷物が、見学客に見えるところに積んであったり。

素材がいいものだけに、運用がイマイチなのはとても残念です。

少し展示環境を変えるだけでも、大きく話題を呼びそうな可能性を秘めた資料館だと言えるでしょう。

ぜひお近くにお立ち寄りの際は見学をおススメします。




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